一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

無機凝集剤について 

登録日: 2009年03月04日 最終回答日:2009年03月04日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.31476 2009-03-04 00:30:22 ZWlc217 ちゃか

PACと塩化第2鉄の違いを教えてください。

下水処理場で、
PACは曝気槽流出部に添加していて、
塩鉄は汚泥の脱水工程で使用しています。(高分子凝集剤と併せて、スクリュープレス脱水機を使用しています。)

PACの代わりに塩鉄を使用すると、処理水が着色する可能性があるのかと勝手な予想をしてはみたのですが、
それなら塩鉄の代わりにPACを使用すれば、一つの薬品で済むのにとも思いました。

2種類の凝集剤を使い分けている理由を教えてください。

総件数 3 件  page 1/1   

No.31485 【A-4】

Re:無機凝集剤について

2009-03-04 19:28:46 papa (ZWlbd18

>PACと塩化第2鉄の違いを教えてくださ
脱水に塩鉄を利用するのはもっぱらその価格の安さのために経済性を優先しているためと思われます。腐食性が極めて高い塩鉄を利用するためにはステンレス配管が使用できず。ライニング配管などや機器にも耐食性の高い設備が必須となります。塩鉄用の設備ならポリ硫酸第2鉄やPACはそのまま薬剤のみのリプレースができます。

>PACは曝気槽流出部に添加
脱りんのための凝集剤添加活性汚泥法と思いますが、この場合は塩鉄の添加は無理と思います。その理由は、凝集範囲のpHとするためには添加時のpH調整のためにアルカリ剤添加が不可欠になります。したがって価格が安い塩鉄を利用してもアルカリ剤との総合的なコストを考慮すると下水処理では実用になりません。

水処理と汚泥処理を同一の薬剤としたいなら、どちらもポリ硫酸第2鉄とすれば現有設備で運用が可能となると思います。但しコストは若干上昇します。
もう一点付け加えれば、PACには上水用規格があって品質的に保証があり安心して放流系に利用できますが、ポリ硫酸第二鉄にはメーカー出荷規格しかありません。価格のみに頼ると品質の劣る製品を購入することになるので注意が必要です。

塩鉄ー高分子の造粒濃縮ースクリュープレスなら大都市の処理場以外では機器の保守経費を考えればポリ硫酸第二鉄の使用をおすすめします。

経験上のことですが、鉄塩により固定されたりんは嫌気消化プロセスでも再溶出はほとんどありませんでした。コンクリート躯体の硫化水素腐食防止や作業環境上の理由からポリ硫酸第2鉄の一沈前段注入を行う処理場も増えてきています。ご質問のように下水処理用無機凝集剤の効果的利用を考えることは今日的課題と思います。

回答に対するお礼・補足

みなさん、お返事ありがとうございました。
今回、初めてQ&Aを利用させていただいたのですが、大変勉強になりました。
ご指摘の通り、自分で調べることも大事だと思いますので努めるようにします。

まとめてのお礼となってしまいすみませんでした。
ありがとうございました。

No.31481 【A-3】

Re:無機凝集剤について

2009-03-04 15:00:13 イニシャル泥 (ZWl8133

曝気槽末端への添加がリン対策だとしたら、使い分けは妥当かと思います。鉄だと硫化物で交換され、汚泥処理系でリンが再放出する懸念があります。

No.31480 【A-2】

Re:無機凝集剤について

2009-03-04 14:10:44 mashi-nana (ZWlba51

塩化第二鉄の方は脱水性が良いようです。PACは分子量が多い分、希薄な溶液中での凝集能力に優れていると思います。ただ、被検水の性状にもよると思いますので、私の回答も正しいとは一概には言えません。ネット検索とビーカーテストで十分に回答が得られる質問であるように思います。ご自身の無機凝集材への知見を深めるためにもサボらないでください。

総件数 3 件  page 1/1