一般財団法人環境イノベーション情報機構
原子吸光光度法のバックグラウンド吸収について
登録日: 2009年02月08日 最終回答日:2009年02月09日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)
No.31202 2009-02-08 04:20:10 ZWlc19 匿名希望
はじめまして。
原子吸光光度法により、排水の分析を行っている者です。(まだ初心者です)
質問があります。
@原子吸光で分析した結果、バックグラウンド吸収が大きい場合には、測定値にはどのような影響があるのでしょうか? 分析成分の吸光度は実際の値よりも小さくなってしまいますか?
A「ゼーマン補正」と「重水素ランプ補正」では、バックグラウンド吸収が大きい場合、分析結果への影響にはどのような違いがありますか?
Bその他、バックグラウンドが高い場合の注意事項はどういったことでしょうか?
C最後に、初心者でも分かりやすい、原子吸光光度法の本がありましたら教えてください。
よろしくお願いします。
総件数 4 件 page 1/1
No.31217 【A-4】
Re:原子吸光光度法のバックグラウンド吸収について
2009-02-09 13:59:12 筑波山麓 (ZWl7b25
お聞きの質問は、フレームレス(グラファイト炉、ファーネス)原子吸光光度計、フレーム原子吸光光度計、どちらでしょう。
>@、A、Bについて
「たそがれ」さんが良い回答されていますが、それに加えて、「キーワードを指定」欄に「原子吸光分析」、「原子吸光」等を入力し、EICネット内をサーフィンしてみてください。原子吸光分析に関する諸先輩の回答があります。以下は、その一例です。また、「XJY」さんの言われるように、バックグラウンド補正のみでは正しい測定が難しいケースが多々ありますので、「DDTCによる抽出」が基本になります。
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=29680
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=28108
>Cについて。
初心者向けにはメーカーの講習会用教本が適切と思います。どなたか、「匿名希望」さんの社内で講習会に行かれている方がいらっしゃたら、その方からお借りするのが良いと思います。もし、なければ、所有の原子吸光分析装置の会社に無料又は有料で要求されたらよろしいと思います。
また、ネット上で「原子吸光」、「原子吸光分析」で検索してみてください。ざっと検索しただけでも下記のものが見つかりました。
http://www.shse.u-hyogo.ac.jp/kumagai/eac/ea/aas.htm
http://www.jectec.or.jp/db/LCA22.PDF
http://ciaku.pharm.kumamoto-u.ac.jp/equipment/details/pdf/08.pdf
まずは、これらで勉強され、十分に理解された後に、丸善その他で自分が良いと思ったものを購入されたらどうでしょう。
ご参考までに、私が参考にした本を下記に記します。ただし、JIS以外は初心者向きとは思えませんので、まずは、上記で勉強され、ご自分の目で購入されるのが良いと思います。
JIS K 0121「原子吸光分析通則」
原子吸光分析 共立出版株式会社 鈴木正巳著
最新原子吸光分析 原理と応用 株式会社廣川書店
No.31216 【A-3】
Re:原子吸光光度法のバックグラウンド吸収について
2009-02-09 12:32:35 XJY (ZWlba48
No.31207 【A-2】
Re:原子吸光光度法のバックグラウンド吸収について
2009-02-08 16:54:03 火鼠 (ZWl8329
たそがれさんが、的確なアドバイスされておりますから、私なんぞの出る幕ではありませんが。一言
D2補正は、鉛、カドミのように200〜300nm付近の補正には、いいといわれていて、Crには使えない。だから、Coの線を使って補正使用か?なんてものも、分析化学(雑誌)にあった気がします。(まだICPが、一般的でない時代)どうせ、ICPもあるのでしょ?初心者なら、吸光と、発光で、元素の種類で大きく感度が違う面白さも考慮にいれたらいかがでしょうか?AAも、ICPも、溶液を噴霧して、分析。液の粘度変わったら。噴霧量が変わる。火炎の温度(解離温度かな?)変わったら。様変わりするのでは、だから、AAには、高温バーナなんて、もんもあるのでは、ないでしょうか?
まず、補正とは、どこまでの範囲をできるのか?をみなおしたらいかがでしょうか?
No.31206 【A-1】
Re:原子吸光光度法のバックグラウンド吸収について
2009-02-08 11:12:33 たそがれ (ZWla61d
バックグラウンド補正しなかったらどうなるか、ということでしょうか。
フレーム原子吸光を例にあげると、ホロカソードランプから放たれた光はバーナー上で目的元素に吸収され、残った透過光が検出器でキャッチされます。そこから吸光度を演算しますが、目的元素ではなく塩の分子等による光の吸収や散乱が起こっても検出器にとどく光は少なくなりますから、見掛け上の吸光度は大きくなってしまいます。
>A「ゼーマン補正」と「重水素ランプ補正」では、バックグラウンド吸収が大きい場合、分析結果への影響にはどのような違いがありますか?
過去の回答を見ると、私以上に知見をお持ちの方々がおられますのでお任せしたいと思います。D2補正、ゼーマン補正両機種とも使用したことがありますが、私自身、違いを検証したこともない、というのも理由の一つです。
他に回答がつかなければまた、回答します。
>Bその他、バックグラウンドが高い場合の注意事項はどういったことでしょうか?
Aに絡んだ回答になりますが、補正方法により利点、欠点が違いますので、極端な試料は正確な補正がきかなくなります。
また、塩濃度があまり高くなると、バックグラウンド吸収の問題だけでなく、噴霧効率の低下(物理干渉)や原子化の増減(イオン化干渉)により吸光度が変化しますので、それらを取り除く手法も必要になってきます。
>C最後に、初心者でも分かりやすい、原子吸光光度法の本がありましたら教えてください。
いくらでもあるのですが、私の経験では原子吸光だけの専門書は内容が難しいと思います。日本分析化学会や日本環境測定分析協会から出ている、他の機器と一緒に掲載されている書籍のほうがわかりやすいです。
総件数 4 件 page 1/1