一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

日本の河川水中の塩類について 

登録日: 2008年11月18日 最終回答日:2008年11月18日 水・土壌環境 水質汚濁

No.30335 2008-11-18 12:08:28 ZWlbd3f OGA

日本の河川の硬度の平均は50〜60ppmですが、その中の塩類(NaHCO3,
CaSO4・2H2O, MgSO4, KClなど)の含有比の平均はどのくらいなのでしょうか?

また水質の試験を行う際、日本の河川の類似水といったように、官公庁や団体が定めた基準のようなものはあるのでしょうか?

総件数 2 件  page 1/1   

No.30339 【A-2】

Re:日本の河川水中の塩類について

2008-11-18 21:21:40 茨城県 / sumi (ZWl161a

>日本の河川の硬度の平均は50〜60ppmですが、その中の塩類(NaHCO3,
> CaSO4・2H2O, MgSO4, KClなど)の含有比の平均はどのくらいなのでしょうか?

溶存の話なのですから、ご質問のような"NaHCO3, CaSO4・2H2O, MgSO4, KClなど" のような、結晶の含有比で回答することはできませんね。
国内主要河川の各イオンの平均値なら、おせんちさんの回答にあるとおり、関係学術書に基本的な事項として記載されていますから、それを見るべきです。(例えば、Na=6.7, Ca=8.8, Mg=1.9, K=1.19, CaCO3=25.4, SO4=10.6, Cl=5.8 mg/L,(by小林純など))

>また水質の試験を行う際、日本の河川の類似水といったように、官公庁や団体が定めた基準のようなものはあるのでしょうか?

"水質の試験"と言っても極めて多様ですから、これも答え様がありませんね。
もし水の成分分析であれば、無機成分分析用河川水認証標準物質などの配布を受けることが可能です。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。

おせんちさんへのお礼文中にあるように、医薬品の水環境中分解に用いたいので質問させていただきました。

このような目的でも参考にできるような基準はないでしょうか?

No.30336 【A-1】

Re:日本の河川水中の塩類について

2008-11-18 19:47:43 おせんち (ZWlb24a

>どのような必要から、あるいは、なぜ河川水質を知りたいのかが分かると、答えやすくなります。また、あらためて、硬度が強調されているところを見ると、おおむね用水としての適否に関連するのでしょうか。

 御質問の「その中」は、河川水中の塩類なのか、硬度を構成する塩類なのかがハッキリしません。どちらでも同じことなのでしょうが、答え方が変わってくるような気がします。

 数十ppm程度のごく低濃度、不飽和の状態では、河川水中の塩類は、すべてが電離、イオン化しており、陽イオンが特定の陰イオンと結合しているように考えることは出来ません。さらに、その塩類に結晶水が結びついているなど論外でしょう。

 河川水中の成分は、地球科学、地球環境化学などの学術書には、最も基本的な事項として、国内主要河川の各イオン濃度値、平均値がなどが記載されています。ただし、御指摘の塩類濃度を記載したものは、見たことがありません。

 硬度に関する解説などで、一時硬度、永久硬度などの区別に塩類濃度を用いて説明されていることはあります。

 水質試験における河川類似水については、公的に公表されていないように思います。各水質検査機関の精度管理のために同一サンプルを一斉に測定する場合などに、内容の分かっている試料をそれぞれの機関が測定することがありますが、その内容が、あらかじめ公表されていては具合が悪いように思います。その都度調整されているのでしょう。

 自らの測定技術・レベルを確認するために必要ならば、なにも公に頼る必要はないでしょう。自分で類似水を作成し様々測定をしてから、統計処理をすることによって測定技術、偏りなどの傾向が見えてきます。 

回答に対するお礼・補足

丁寧な回答ありがとうございます。

現在、私は医薬品の水環境中での分解について研究しています。太陽光やUV、塩素などの因子を用いて実験を行っているのですが、溶媒は純水でのみ行っており河川水の類似水でも試みようとしています。

光照射実験に関してまだはっきりとしたガイドラインがないようで、実験方法については文献を参考にしています。光分解の文献は欧米のものが多く、そこに使われている類似水は硬水の類似水でした。

という経緯で日本の環境類似水を作るために、どれだけの種類の、またどの程度塩類を添加すればよいかを知りたく質問させていただきました。

勉強不足でしたが大変参考になりました。まずは地球科学、地球環境化学の本を見てみます。

総件数 2 件  page 1/1