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環境Q&A

長時間ばっ気法での冬場の運転について 

登録日: 2008年11月10日 最終回答日:2008年11月14日 水・土壌環境 水質汚濁

No.30250 2008-11-10 17:45:30 ZWl9611 TR

長時間ばっ気法の管理について助言をください。
長時間ばっ気法:設計流量750m3、現在1/2系列使用、現在流量300m3、団地の浄化槽

現場の上司が、
これから、低水温期に入るのに伴って、泥の量を少なくするといっていました。
MLSSでの管理ではなく、SVで目安をつけているとのことでした。
夏場はSVで70ぐらい、冬場は60ぐらいだといっていました。
空気量は夏場でも冬場でも特には変えないとのことでした。
理由を尋ねたのですが、経験的にそうしているとしか教えられませんでした。

私が教科書的に勉強しているのは低温になるとARSTを大きくするように、つまり、
泥の量(MLSS)を増やすような制御だと思っていたのですが、
現場では違う制御をするとのことを言われ、混乱しています。

この制御の意味は、どういったことなのでしょうか。

現場での経験はほとんど無く、
未だ教科書で勉強中の修行中の身なので、
経験とか現場での話は違うとか言われると、尻込みしてしまいます。

ご助言をいただければ助かります。

総件数 4 件  page 1/1   

No.30307 【A-4】

Re:長時間ばっ気法での冬場の運転について

2008-11-14 19:11:28 papa (ZWlbd18

>二池目も稼動可能なのであれば、二池とも稼動させた上、前段部を
擬似嫌気にしたと仮定して、現在の汚泥発生状況等からA-SRTを推定し、
最低水温に照らして、硝化促進運転の可能性を検討してみては
いかがでしょうか。
というイニシャル泥様のアドバイスが最も適切と思います。
通年硝化運転は標準法の施設でさえ行っていることですから、夏場の脱窒浮上も解消できると思います。
硝酸態の酸素も有効に利用できるわけなので、送気量も大して増えることもなく安定した運転ができると思います。この程度の規模なら曝気槽も一系列が二分割されていることが多いので、半分を擬似嫌気層として使うことができます。
チャレンジを期待します。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。

チャレンジはしたいのですが、なかなか難しい状況です。
やってしまえばできそうですが、そうなると攪拌機が欲しくなりますね。

また、さらに確認したところ、一度機器更新をしているらしく、そのときブロワを当初のものから少し能力の小さいものに変えている(電気代の節減のため)そうで、硝化のための空気量が足りるかなと(計算していないですが)思ったりもしました。

>硝酸態の酸素も有効に利用できるわけなので、送気量も大して増えることもなく
ということなので、大丈夫でしょうか。

なんにしても、難しいのは、上司の説得でしょうか・・・

No.30289 【A-3】

Re:長時間ばっ気法での冬場の運転について

2008-11-13 19:54:31 イニシャル泥 (ZWl8133

>長時間ばっ気モノは硝化が進みやすく、硝化運転を進めたほうが安定すると思っていたのですが、
>この考えが、少々間違えていたようですね。

間違ってはいません。余裕の程度次第かと思います。

常時完全硝化するぐらいの余裕があれば、N-BODも出ませんし、
無酸素状態になってから脱窒が開始するまでのタイムラグも延長され、
二沈での脱窒浮上も起きにくくなります。
無理にMLSSを引き下げてASRTを抑えると、C-BODの劣化にもつながり、
抑制が中途半端になれば、N-BODや脱窒浮上の原因にもなります。
ただ、全面好気の場合はpH低下の問題がありますので、脱窒工程を
組み込む必用はあります。汚泥の沈降性は劣化しますが、低負荷
条件であれば、おのずと二沈の水面積負荷も抑えられていると思います。

逆に硝化を促しても、時間帯によってアンモニアが残存したり、
高水温期のみ硝化条件が整うような、余裕に欠ける条件であれば、
時間帯や季節の変わり目にN-BODも出やすく、汚泥浮上トラブルも
起きやすくなり、硝化抑制した方が安定ということになります。

団地下水の話に戻りますが、
二池目も稼動可能なのであれば、二池とも稼動させた上、前段部を
擬似嫌気にしたと仮定して、現在の汚泥発生状況等からA-SRTを推定し、
最低水温に照らして、硝化促進運転の可能性を検討してみては
いかがでしょうか。
その他考慮すべき点として、集水エリアが団地のみになるので、
水量の時間変動をダイレクトに受ける点でしょうか。
水量ピーク時にアンモニアが残り、水量低下時のみ硝化という
状態になれば、トラブルの要因になります。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。

当時の設計では、窒素除去(硝化運転)を考えていないので、
余裕があまり無いということでしょうか。
当時は硝化運転という概念があまり無かったのでしょうかね。

さて、ご助言いただいた1/2系列の半分(前段部)の使用ですが、私も考えてたのですが、供用開始ご一度も使ったことが無く、とってもきれいな透き通った水が入った状態で、管理らしい管理はされていなかったようです。散気管や連絡ゲートが使えるかは全くの未知数(上司の話だとたぶん使えない)です。

MLSSをあげて夏場と同様の管理(硝化運転)ができないかと考えていたのですが、なかなか難しそうですね。

No.30273 【A-2】

Re:長時間ばっ気法での冬場の運転について

2008-11-12 19:46:19 papa (ZWlbd18

浄化槽ではセンターウェルや越流トラフの占有面積比率が大きく二沈の実効的な水面負荷が設計値よりもはるかに大きくなります。このため初期沈降の良し悪し(SV30)が固液分離にとって成否を決める最も重要なポイントになります。ASRTを管理指標とするのはかなり困難です。
そのような理由から現場の上司の方は経験的に指示を行っているのだと思います。浄化槽としてはさほどイレギュラーな指示ではないと考えます。
冬場はVTSが上昇してもバルキングというわけでもなく、SVIは300前後と思われますのでおそらくMLSS2000前後で運用されていると思います。この程度の汚泥保持量条件では硝化も十分に進行せずNBODの上昇が見られるケースもあるかと思います。
教科書的に運転操作を行うためには、休止中の系列を運転して二沈の水面負荷を低減するような運用を行わない限り難しいと思います。
下水道施設の設計指針に基づいた長時間曝気タイプのOD処理場では二沈の水面負荷が十分小さいので、ほぼ教科書どおりの運転ができます。また、SV30を運転上の指標とする必要はありません。
運転技術は施設の設計思想と密接に関連しており、このような浄化槽ではASRTを指標として通年硝化運転を行う手法や、無酸素時間(ゾーン)を設定して脱窒によりpH回復を積極的に行う設計が十分考慮されているとは言い難いので、経験的には上司の方の指示にはそれなりの妥当性があるものと思います。
浄化槽についてはあまり詳しくないので、間違いがありましたらどなたか訂正してくださっても結構です。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。

この施設は、35年程前に作られたもので、当時の下水道の設計に準じて作られたもののようです。初沈(現在はバイパス)や脱水機も設置されていてちょっとした小規模下水道です。

長時間ばっ気モノは硝化が進みやすく、硝化運転を進めたほうが安定すると思っていたのですが、この考えが、少々間違えていたようですね。
その後、上司に話を聞いていると、
夏場は、二沈に汚泥が浮いてくることが多いと言っていたので、それこそ、ここで脱窒しているのかもしれませんね。昔は薬品でpHを回復させることもあったようですし、硝化が悪さをしていたことが多いみたいです。

何とか、窒素除去を試みたかったのですが、安易には行かないようですね。

No.30261 【A-1】

Re:長時間ばっ気法での冬場の運転について

2008-11-11 12:34:25 イニシャル泥 (ZWl8133

経験則は大事にすべきですので、
その管理目標に至るまでの経緯を調べることをお勧めします。

可能性をいくつか挙げれば、

・その現場では、冬場の方が汚泥が沈みやすく、同じMLSSでもSVが低下する。
・過去に低水温への移行期に汚泥浮上トラブルがあり、硝化を抑えるため、冬場はSRTを短縮して硝化を停止させている。
・糸状菌抑制、フロックの性状維持など、固液分離の安定化目的。
・その他なんとなく管理しやすい。

といったところでしょうか。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございました。

>その管理目標に至るまでの経緯を調べることをお勧めします。
そうしたいのですが、あまりデーターが無いので(あくまで経験による管理)
なかなか難しいのです。
たぶん「・その他なんとなく管理しやすい。」が大きかったりするみたいです。

過去のデータをあさってみたところ、どうも季節の変わり目に、
CODはあまり変化が無いのに対して、BODが高くなる傾向があるようなので、
冬場は硝化抑制を、夏場は硝化促進をしているのかもしれません。
窒素を図ってみればいいのでしょうが、そのデータが無かったもので推測ですが。

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