一般財団法人環境イノベーション情報機構
温暖化問題について
登録日: 2003年07月11日 最終回答日:2003年07月15日 地球環境 地球温暖化
No.2872 2003-07-11 19:13:44 卒論学生
排出権をテーマに卒論に取り組んでいる者です.
ふと疑問に思ったのですが,現状の温室効果ガス量に対してどれだけ削減すれば,地球温暖化は解消されるのでしょうか?
排出権取引ではすべての国が目標を達成すれば,対象国全体の温室効果ガスが1990年に対して5%削減ができるとあるのですが,それで解決できるのでしょうか?
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No.2917 【A-2】
Re:温暖化問題について
2003-07-15 10:48:31 君山銀針 (
有名な数字ですが、大気中の二酸化炭素濃度を安定化するために
IPCC第1次報告書(1990年8月)ではただちに60%の温室効果ガスを、
参考 全国地球温暖化防止活動推進センター 気候変動枠組条約交渉の歴史
−フィラハ会議からヨハネスブルグ・サミットへ−
http://www.jccca.org/cop/0/1-02.html
IPCCの第2次評価報告書ではただちに50〜70%の温室効果ガスを、
参考 中央環境審議会 地球環境部会 「目標達成シナリオ小委員会」中間取りまとめ
「はじめに」の部分
http://www.env.go.jp/council/06earth/r062-01/index.html
削減する必要があるとされています。
なお第3次評価報告書は
http://www.kishou.go.jp/press/0103/06a/spm.html
人為起源の温室効果ガスで最も重要な二酸化炭素については、例えば、炭素循環モデルによる計算によると、大気中の二酸化炭素濃度を450、650及び1000ppm(いずれも現在のレベルよりは高い)で安定化させるためには、人為起源の二酸化炭素の排出量をそれぞれ数十年、約100年及び約200年以内に1990年のレベル以下にした上で、その後着実に減少させ続けることが必要となる。最終的には、二酸化炭素の排出量を現在に比べてごくわずかなレベルにまで減少させる必要がある。
ともっとぼんやりした書き方になっているようですが、いずれにしても世界全体で5.2%という京都議定書の削減目標はこの究極の目標に比べればわずかなものであることを示唆しています。
なお原文(英文)報告書 ダウンロードリンクは http://www.gispri.or.jp/kankyo/ipcc/ipccreport.html
が便利です、
回答に対するお礼・補足
詳しい回答をどうもありがとうございます.
非常に参考できることが多く,とても感謝しています.
まだまだ知識が足りないところも多く勉強中ですが,良い卒論が書けるようがんばりたいと思います.
ありがとうございました.
No.2910 【A-1】
Re:温暖化問題について
2003-07-15 00:13:09 森野力 (
>ふと疑問に思ったのですが,現状の温室効果ガス量に対してどれだけ削減すれば,地球温暖化は解消されるのでしょうか?
>排出権取引ではすべての国が目標を達成すれば,対象国全体の温室効果ガスが1990年に対して5%削減ができるとあるのですが,それで解決できるのでしょうか?
前の質問への回答として、簡単な数値を示しました。
大学生ならば計算は簡単だと思います。
5%減は解決目標ではなく、第一歩に過ぎません。
回答に対するお礼・補足
前の質問の回答を読ませていただきました.
まだまだ自分の勉強が足りないことを実感させられました.
排出権を扱うにあたって,温暖化に対する知識をもっと増やしていこうと思います.
どうもありがとうございます.
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