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環境Q&A

廃棄物の分析で用いるGFPについて 

登録日: 2008年05月08日 最終回答日:2008年07月06日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物

No.27898 2008-05-08 12:20:39 ZWl7748 GI

廃棄物の分析を行うにあたり、「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」についての告示を読んでいるのですが
疑問に思うことがあり、ここで皆様のご意見を聞ければと思い、質問させていただきます

告示の中で
〜(略)溶出の操作を行って得られた試料液を孔径一マイクロメートルのグラスファイバーフィルターペーパー(GFP)を用いてろ過した後の溶液(略)〜
との記載がありますが、アドバンテックのカタログの仕様表では保留粒子径の記載はあるものの
孔径の記載は無く、どのGFPを使うべきか判断できませんでした

廃棄物試験 ・検査法部会のHPに置かれている2002年度の部会についてまとめられたPDFの中にも
「GS-25とGA-100を使う人とに分かれる」
との記載があるものの、どのGFPを使うのが正しいとは書かれていませんでした

GS-25についてはカタログの説明文中に孔径約1マイクロメートルとの記述がありますが
GS-25は有機バインダー処理がされており、農薬等の分析も行うのであれば不適ではないかと個人的に考えています

メーカーに確認したところ、GA-55は有機バインダー処理以外は、ほとんどGS-25と同じとのことでしたので
(GA-55の方が若干密とのことでしたが・・・)
GA-55を使うことが適当ではないかと考えています

ミリポアのAPFBというタイプのGFPがバインダー処理がされておらず
孔径も1マイクロメートルとHP上で記載されていますので、これを購入することも考えていますが
今あるGFPを使えればと思って質問させていただいた次第です

皆様のご意見をお聞かせいただけないでしょうか
よろしくお願いします

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No.28598 【A-2】

Re:廃棄物の分析で用いるGFPについて

2008-07-06 08:50:01 EMBRYO (ZWl7f3a

孔径一マイクロメートルのグラスファイバーフィルターペーパー(GFP)を用いてろ過した後の溶液(ろ過が著しく困難な場合は、当該試料液を毎分約三千回転で二十分間遠心分離した後の上澄み液)から検定に必要な量を正確に計り取って作成するものとする。

ここには自然ろ過とも吸引ろ過とも断っていないはずです。(断っていないと言うことは自然ろ過においてということだと思いますが)
であれば自然ろ過と吸引ろ過とで使用するろ紙が異なるのも当然のことと考えているのですがそうではないのですか。
吸引ろ過と自然ろ過の違いだけでも結果は異なってくるはずです。

また、ろ過が著しく困難な場合は遠心分離した上澄みをそのまま使用することとなっていることからも(遠心分離後の上澄みをろ過しろとは言っていない)粒径1μm以上の粒子を取り除くことが本来の趣旨では。

ろ液の粒度分布を測定してみれば見えてくるものもあるのではないでしょうか。

農薬等の添加回収試験
ガラスに吸着するもの、ポリ容器に吸着するもの、粒子吸着するもの、分解しやすいもの
評価するなら気をつけなければならないことはたくさんありますが、溶出試験自体において全項目が100%回収できるものではない事は分かりますよね。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます

確かに言われてみると自然ろ過とも吸引ろ過とも書かれていませんね
廃棄物の場合、だいたい汚いサンプルなので、自然ろ過では恐ろしく時間がかかることが想定されるため
ろ過=吸引ろ過と思いこんでいました(反省)

ただ、今回の告示とは違いますが、JISの工場排水試験方法において

14.1 懸濁物質 試料をろ過し、ろ過材上に残留した物質を105度〜110度で乾燥し、質量をはかる

と項目の説明では自然ろ過とも吸引ろ過ともありませんが
操作方法の説明で吸引ろ過を用いるよう説明がされているものもありますので
ろ過=自然ろ過としてしまうのはちょっと強引のような気もします
むしろどちらでも良いため、平成14年の廃棄物学会で「GS-25とGA-100を使う人に分かれる」
(GS-25だと吸引ろ過、GA-100だと自然ろ過)
とのコメントがあったのかもしれませんね

この告示が最初に出された昭和48年、もしくはガラス繊維ろ紙を使うように変更のあった昭和51年に
方法の詳細な解説はあったのでしょうか?
そこで操作方法の詳細な解説がなされていればいいんですが・・・
もしご存じの方がいらっしゃいましたら教えていただけないでしょうか
よろしくお願いします

いずれにしてもEMBRYOさんがおっしゃるように
1マイクロメートル以上の粒子を除くことができれば良いとは思いますので
当面はメーカーの指定するGS-25で吸引ろ過してろ液の調整を行おうかと考えています

今後、遠心分離を行った場合や、異なるGFPを使用した際の
ろ液の粒度分布や農薬等の回収率などを調べてみたいと考えており
その際はEMBRYOさんが書かれているような様々な要因を頭に入れながら値の評価をしていきたいと思います

貴重なご意見ありがとうございました

No.27933 【A-1】

Re:廃棄物の分析で用いるGFPについて

2008-05-09 22:41:01 たそがれ (ZWla61d

私も気になったので有名メーカー(ばればれですがどことは言いません。)に聞いてみましたが、はっきり言って厄介なことになってしまいました。
内容を要約しますと
・13号溶出の操作で表現されている「孔径1μm」というのは多分に国語的な表現でありそのようなろ紙を作成する方法が、JIS等で確立されていないようだ。
・保留粒子径1.0μmのGA-100はメーカーサイトの表 備考にあるように、自然ろ過の値なので吸引、加圧ろ過では、1μm以上の粒子を補足できない恐れがある。
・保留粒子径0.6μmのGS-25を推奨する。(メーカーとしての一致した見解だそうです。)
・有機バインダー処理の農薬に対する影響についていはわからない。(担当者レベルの知見かも知れません。)
尚、保留粒子径の根拠となっているJIS P3801には13号溶出のGFPは載っていません。

大変だと思いませんか。
正直、私どもはGS-100ですが、メーカーがだめだと公言しているものを使用していたわけです。(1μmと表現されていますのできっと多くの試験所も使っているでしょう。)

GI さん同様、どのようにするか検討の必要性がありますが業界の多数が使用しているであろう方法を自分たちだけ変更することがはたして正しいか、という問題もあります。

現在、県内同業他機関と協議する場がありますのでそこで検討しようか、とも思っています。
新しい情報があったらまた報告しますが、このサイトで他の方の意見もぜひ聞きたいですね。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます

今年から廃棄物の分析の一部を担当することになり、サンプルの前処理を行うにあたって
現在我々が使用している方法と、法令で定める方法に差異がないか確認している中で、このような疑問が生じました

我々もGA-100を使用していたようですので
今後どうするかこちらでも検討する必要があると考えています

代替品の候補にあげていたミリポアのろ紙についても
製品情報を見るとSS用に推奨されているAP40の孔径が0.7マイクロメートルとなっているようですから
HPで孔径と記載があるのは実は保留粒子径かもしれませんので
HP上で孔径1マイクロメートルとされているAPFBを使えば良いというわけでもなさそうです

GS-25とGA-55とGA-100とを用いて農薬の添加回収試験などを行い、
バインダーの有無、孔径の違いで分析値に差異が生じるかどうか確認してみる必要があるかもしれませんね

貴重な意見ありがとうございました

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