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環境Q&A

リサイクルにもお金がかかる・・・ 

登録日: 2003年07月01日 最終回答日:2003年07月04日 ごみ・リサイクル リサイクル

No.2777 2003-07-01 23:24:28 ごみ問題初心者

限られた資源を考えればリサイクルはとても重要でそういう法令もあるのは理解できますが、実際問題として可燃物処理には1kgあたり18円かかるところ、ペットボトルを集めて業者に持っていくには1kgあたりなんと67円もかかるそうです。それにキャップをはずし中を水で洗い容器をつぶすまでの手間ひま。そんなこと考えるとペットボトルは可燃物にしてもしょうがなくなります。リサイクルに対しての補助というものは現在はないのですか?今後の見通しはどのように考えられているのでしょうか?

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No.2794 【A-2】

Re:リサイクルにもお金がかかる・・・

2003-07-04 14:01:46 LP

>最近はペットボトルと同じようでもアルミ缶でできているものも多く見られるようになりましたが、リサイクルにはアルミ缶のほうが適している部分が多いのでしょうか?

アルミニウムや鉄などの金属は,純粋な金属の状態で自然界に存在するものではありません。酸化物である鉄鉱石やボーキサイトを高炉で還元・精錬して金属にします。
廃棄物であるアルミ缶やスチール缶はその技術の後半部分を使えば全く新しい地金にすることができます。
極端な話,金属の種類をあわせることができれば溶かすだけでよかったりします。少々の汚れは高温で溶かした段階で燃焼・分離します。
ガラス容器も高温で溶かしますので再生は容易です。(100%再生原料というわけにはいかないですが。)

一方のPET容器は溶かして成型するというわけにはいきません。汚れもPET容器も分子化合物ですので「よりわける」技術が大変です。再生PET容器というのも海外では流通させている国が(EUなど)あるようですが極端に清潔好きな日本人社会では受け入れられないため作られていません。
市場に受け入れられるためには金属容器と同じように純粋な素材に戻さなければならなく,そのためのマテリアルリサイクル設備は高い技術とエネルギーを必要とするため,石油から新しく作ったほうが安上がりでさえあります。

そうした背景がありますので数回にわけて飲むスポーツドリンクなどもスクリューキャップ式の缶入りを選ぶほうが環境へ配慮していることにもなると思います。

似たようなもので発泡スチロールがあってこれも再生技術と回収の困難さから,最近家電製品を買うと段ボール箱の中の「詰め物」は段ボールを組み立てたものに切り替わってきているのが見受けられます。段ボールのほうが回収や再生が容易だからです。

No.2791 【A-1】

Re:リサイクルにもお金がかかる・・・

2003-07-04 09:50:31 LP

ペットボトルを再生資源ごみとして家庭で分別し,自治体で分別収集する手間と経費は大きいものです。
それに対して補助というのも考えられなくもないですが,補助はいいかえれば国民の負担ですので補助さえだせば解決する問題ではありません。
制度として定着させる当面の期間や,一部の集団が特別な負担を強いられている場合に補助はだされるものですから,PET容器を資源ごみとして分別収集するのは多くの自治体が取り組み,再生能力を上回って回収されている実態があることやPET容器が全国的に広く普及していることを考えると補助制度にはなじまないものだと思います。

PET容器がガラス容器や金属容器とくらべてネックになっているのは再生技術と再生コストで,あきびん回収や古金回収のように過去商業として成り立っていた素材とは全く違う歴史をもっています。

今後,よほど技術の進歩(回収システムも含めて)がなければ,環境社会の中でPET容器が重要な位置を占めることはないと思います。

さきの質問にも書きましたが,必要のない場面ではガラス容器・金属容器入りのものを求める消費者行動が必要です。回収費用や再生費用が製品価格に上乗せされていない以上,そうしたことしか対処方法はありません。

容器包装リサイクル法ができた経過では製品価格に再生費用を上乗せしなければならない法律案もあったことはあったようですが,「消費が冷え込む」という理由で現在の内容になり,その後の家電リサイクル法も同じようになっていろいろな問題が発生しています。

お住まいの自治体でPET容器について問題解決をしたいのであれば,自治体でその自治体内でPET容器入りの製品を売ることを禁ずる条例を制定させる,そのための住民運動をするとういうのも意義があって面白いと思いますよ。条例制定できなくてもPET容器について住民が考える良い機会にもなりますので。

回答に対するお礼・補足

とても詳しくわかりやすい説明どうもありがとうございました。最近はペットボトルと同じようでもアルミ缶でできているものも多く見られるようになりましたが、リサイクルにはアルミ缶のほうが適している部分が多いのでしょうか?

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