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環境Q&A

今と昔の水質汚染の影響について 

登録日: 2008年01月14日 最終回答日:2008年01月14日 水・土壌環境 水質汚濁

No.26557 2008-01-14 03:27:48 ZWlac38 みっきー

昔はBODがある程度高い廃水がそのまま放流されていたにもかかわらず、東京湾や有明湾は魚介類が豊富でのりの養殖が盛んに行われていたのはなぜでしょうか?
昔は川や海などが綺麗だったので、そこにBODが高い廃水が排出されてもある程度は微生物などが水を綺麗にすることができたが、長年によって汚濁が蓄積され、現在ではのりの養殖ができなくなってしまったのでしょうか?

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No.26563 【A-1】

Re:今と昔の水質汚染の影響について

2008-01-14 23:08:26 筑波山麓 (ZWl7b25

「みっきー」さんへ。

質問の内容から、小・中学生と想像します。あなたに理解できるように説明できるか分かりませんが、できるだけ、やさしく説明します。

「昔はBODがある程度高い廃水がそのまま放流されていたにもかかわらず」の昔は、どの程度昔なのでしょうか?

高度経済成長前の日本は貧しく、住む家も長屋形式といって狭く、風呂もない家が多く、おなか一杯にご飯を食べれない子供が多くいました(私の知っている家は子供が多く、ご飯を満足に食べれないので、いつもお腹をすかせており、学校給食の時間を本当に楽しみにしていました)。また、お家にお金がなくて、学校も中学で終わり、高校に行くことができない子供が多くいました。

高度経済成長で、今の豊かな日本があるのです。多くの日本人が一戸建て住宅に住み、自動車を持ち、世界中から食料を輸入し、肥満体になるほどの食事、テレビ、冷蔵庫、洗濯機を初めとする家電製品に囲まれた生活、ありあまる衣料等々が当然の生活となりました。

その結果、東京湾周辺の人口、一人当たりの排出するBOD負荷量が極端に増え、工場の大きさ・数も増え、1工場が排出するBOD負荷量が格段に増えました。「川や海など」に排出される総BOD負荷量は、これらのBOD負荷量の合計となります(人口×一人当たりの排出するBOD負荷量+工場数×1工場あたりのBOD負荷量)。

高度経済成長前には、「川や海などが綺麗だったので、そこにBODが高い廃水が排出されてもある程度は微生物などが水を綺麗にすることができ」ていたのです。「微生物などが水を綺麗にする」能力は今も昔もほぼ一定です。

高度経済成長により、総BOD負荷量がその「微生物などが水を綺麗にする」能力を超えた時点から汚濁が蓄積され、その結果、「汚濁が蓄積され、現在ではのりの養殖ができなくなってしまった」のです。

今、日本と同様な経済成長をしつつある中国・インドをはじめとする低開発国で、日本と同じような公害汚染が発生しています。豊かになる代償として「現在ではのりの養殖ができなくなってしまった」のです。各家庭、各工場でこのような汚染を引き起こすものを排出しないようになれば、「東京湾や有明湾は魚介類が豊富でのりの養殖が盛んに行われていた」状態に戻せるのでしょう。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
質問が不十分でした。昔とは、高度経済成長期前であっています。
大変参考になりました。ありがとうございました。

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