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環境Q&A

改良土の六価クロム溶出試験 

登録日: 2008年01月04日 最終回答日:2008年01月07日 水・土壌環境 地下水/土壌汚染

No.26434 2008-01-04 04:30:52 ZWla61d たそがれ

旧建設省より「セメント及びセメント系固化剤を使用した改良土の六価クロム実施要領(案)」が出されており改良土の六価クロム溶出試験が常識化していますが、試験の開始日のことで困っています。
たとえば配合設計の溶出試験なら、供試体を材齢ほぼ7日目に試験を行う、とあります。水分が残っているまま溶出試験をするのはいたしかたないのでしょうか。46号溶出試験は風乾する必要があるはずです。
他の検査機関に聞いたら「乾燥機(40℃くらい)で水分を飛ばしてほぼ7日目に溶出」「通常の土壌と違うのでそのまま7日目に溶出」「材齢7日を過ぎてから風乾を始める」等、まちまちでした。
私は、というと水分の多い供試体は風乾をするため7日を超えてしまいます。が、どうしても7日目というのがひっかり、風乾の程度については少し甘くなりがちで不安を抱えています。
分析方法も一応要領(案)に載っていますが46号の六価クロムの部分を抜粋してあるだけですので、ガッチリ風乾ということになっています。
2005年に似た質問がありましたがあまり回答が寄せられていませんでした。また、セメント協会から書籍が出ていることも今、知りました。これについては早々に取り寄せるつもりです。
皆さんのご意見をお聞かせください。

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No.26443 【A-3】

Re:改良土の六価クロム溶出試験

2008-01-07 09:32:56 (ZWla258

あけましておめでとうございます
皆様方には今年もご指導宜しくお願い申し上げます。

>たそがれ様
ウチの会社は、できるだけ養生(σ)7で粉砕し風乾開始するようにしてます。
別場所に配合試験等を行える土質試験室を併せ持っているので、
一軸試験(強度測定)を行う配合試料と別に
六価クロム溶出試験用の配合試料を作成してもらい
σ7前に分析室まで送ってもらっています。
一軸試験の実施日がσ7確定ですので、同じ日に粉砕・風乾燥開始で・・・

六価クロム溶出試験単独というより
土質試験とセットの分析のイメージですね
持ち込みの配合試料は無理ですけど(笑

それよりも
室内配合試験での改良土の風乾作業でそんなに時間かかります?
基本的に改良する目的は地盤強度を上げる為がほとんどですので
季節にもよりますが、そんなに水分が残らないイメージが・・・
逆に風乾に2〜3日もかかる配合試料は経験的に強度出てない場合が多いです。

たそがれ様が危惧しているのは
「養生日数が短いのと長いのでは溶出率が違うのでは?」
という点でしょうか?

セメント種類にもよりますが、ぶっちゃけた話・・・ありますよ
σ3でやると基準値超過
σ7でやると基準値未満
改良前の土質にも左右されます。

回答に対するお礼・補足

養生日数の違いによる溶出率の違いはメカニズムが複雑であり、要検討なのでしょうが今は考えておりません。
また、筑波山麓さんの述べられたように風乾の結果、クロムの形態がどうなろうが仕方のないことだと思っております。
実施要領(案)にある「7日後から試験を開始する。」という表現が、7日目過ぎたら即座に溶出操作を開始せよ、という意味なのか、ということで質問させていただきました。これについてはA-1,A-2,珠さんの回答で、7日過ぎてから風乾という確信をより持つことができた次第です。
水分の件ですが、私どもの経験では通常の土壌を風乾させると大体、水分2〜4%位にまでなります。改良土はもともと土ですので固化剤が水を包含して固まるとしても同じレベルまで風乾するには2日以上はかかるのかな、と考えておりました。その意味で他のラボでの風乾日数等実態を参考にさせていただきたかったのです。
ありがとうございました。

No.26438 【A-2】

Re:改良土の六価クロム溶出試験

2008-01-05 12:20:26 EMBRYO (ZWl7f3a

単純にどのように行なっていたかと言うことなら
7日を過ぎてから風乾を開始していました。
ただ、自分が扱ったことのある試料は1〜2日程度風乾すれば充分なものが多かったので、風乾を行なわない場合や、風乾の日数が長くなるとどうなるかまでは検討を行なったことはありません。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございました。
筑波山麓さん、EMBRYOさんの回答で7日目から風乾という確信をより深めることができました。
以前、いくつか水分の測定をしたら最高で25%くらいありました。風乾をおろそかにすると簡単に基準値をまたぎそうですね。
この実施要領(案)が出た当時とちがって下手な土壌改良は汚染サイトを作っているという認識が常識化しつつあるようです。
1項目だけの溶出なので儲からない割にはリスクが大きいので少し閉口しています。
セメント協会の書籍を取り寄せる予定ですが、より具体的な手法が載っていたらこのサイトに還元したいと思います。

No.26437 【A-1】

Re:改良土の六価クロム溶出試験

2008-01-05 11:48:09 筑波山麓 (ZWl7b25

「たそがれ」さんへ。私は「セメント及びセメント系固化剤を使用した改良土の六価クロム」試験を実施したことがないので回答すべきではないかと思いましたが、六価クロムの溶出試験方法そのものの解釈については回答可能かと思い、あえて回答させていただきます。参考になれば幸いです。

試験方法を見ると、『配合設計の溶出試験なら、供試体を材齢ほぼ7日目に試験を行う』とあります。文意そのままに「材齢7日から風乾を始め、風乾終了後に試験を行う」のが正しいのではないかと思います。

なお、風乾そのものが7日に比較して長期間かかること、又は7日に必ず溶出試験を行うことにこだわるのであれば、他の検査機関が実施しているように以下の@又はAの方法が考えられますが、この場合、試験方法(前処理)が46号溶出試験と相違する、試料(配合設計の溶出試験であっても)によっては測定値の違いが生じる可能性がある(違いがないことを証明できていない、とくに、クロムはアルカリ性下であっても乾燥中に酸化又は還元反応が生じ、六価又は三価に移動する可能性がある)ので、報告書(試験方法)にこの旨を記載する必要があると思います。とくに、測定結果が基準値前後又は超える場合の数値の取り扱いは慎重に行う必要があります。なお、風乾そのものにより六価への酸化、又は三価への還元が生じた(結果的に風乾しない方が実態にあっている)場合でも、46号溶出試験の数値が公的であると考えます(基準値判定のための試験方法の適切性に関する考えは別の機会に行うべきことです)。

@「乾燥機(40℃くらい)で水分を飛ばしてほぼ7日目に溶出」する。ただし、併行して風乾作業を行い、風乾前後の重量差を測定し、乾燥機を使用した場合との重量差を確認しておく。
A「通常の土壌と違うのでそのまま7日目に溶出」する、ただし、併行して風乾作業を行い、風乾前後の重量差を測定し、重量補正を行う。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございました。
やっぱり、というか、材齢7日目から風乾を始める、というのは建設関係の分析センター担当者から聞いたご意見でした。建設省の指針にも風乾とはっきり書いてあるのを見て46号溶出の丸写しではないかと思っていた一方、天下のお役所が内容も精査しないでそのまま発表するわけないだろうとも考えていました。
酸化還元は別議論だとしてもやはり、7日目から風乾、乾燥機に入れるにしても7日過ぎてからだろうな、という認識は何となく今までもありました。
あらためて確信を深めることができました。

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