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環境Q&A

下水処理水BODについて 

登録日: 2007年12月19日 最終回答日:2007年12月23日 水・土壌環境 水質汚濁

No.26285 2007-12-19 02:46:47 ZWlab3b 分析班

下水処理施設の水質検査を担当しております。

 放流水として塩素混和池出口の試料を検査しておりましたが、法規制を厳密に解釈すれば、敷地境界線の放流口末端での検査が正当ではないかと考え両者を比較する事になり、比較項目としては、手始めにBODを比較する事になりました。
 結果、放流水と放流口では約1.6〜2.2倍程度、放流口のBODが上昇する事が判明しました。(放流水5ppmに対し放流口10ppm程度)
 BODを上昇させる要因は何なんでしょうか?放流口までの導水路には堆積物等も無く、滞留時間も2分程度で流速も速く、暗渠である為、植物の増殖も考えられません。しかし、ATU-BOD及びSOL-BODを比較すると両者の値は近似します。この様な状況で硝化の進行に違いが現れるものなのでしょうか?
 状況説明が不足しているとは思いますが、BOD上昇要因追求のアドバイスを宜しくお願いします。

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No.26340 【A-2】

Re:下水処理水BODについて

2007-12-23 23:42:22 papa (ZWl998

マッシー・ナナさんの回答にありますように、ほぼ間違いなくN-BODだと思います。何度か同じような経験がありますが、硝化細菌の混入する箇所がどこなのかを探索するのはなかなか大変なことです。
二沈出口、塩混出口、放流吐口を普段から定期的にチェックしておくことが必要と思います。形態別窒素、SS、N-BODのチェックは必須と思います。
二重覆蓋でも二沈の越流トラフには生物膜が発生します。塩混水路にも汚泥が堆積しています。放流渠も同様です。浄化槽と違って流量の時間変動がある処理場では流速が変わったときなどにも硝化菌を抱え込んだスライムが剥離流出することがあります。
塩混流出水全量を潜水式電磁流量計で計測している場合でさえ整流板や阻流壁の構造によっては、塩混の構造により流出が層流となる場合もあります。そのため採取水深によってはSSが異なる場合もあります。
いずれにしろ処理場では分析テクニックだけではなく、池や水路の水理学的特性を十分に把握することが必要と思います。
同じ設計基準で作られた処理場でも全部に違った個性があります。

回答に対するお礼・補足

ご回答、有難う御座います。
処理場管理技術の向上に励んで行きたいと思います。
今後とも宜しくお願い致します。また、お礼が遅くなりお詫び致します。

No.26329 【A-1】

Re:下水処理水BODについて

2007-12-22 12:08:31 マッシー・ナナ (ZWl7b2b

ご質問は2つです。第一は、放流水の試験場所です。敷地境界線末端で検査することが正しいと思います。塩素混和池出口等、その他の検査は工程水試験で維持管理用と考えられます。ただ、規制当局に認めていただけるのであれば、どちらでもかまわないのではないでしょうか。
第二はBOD測定値の変化ですが、これの原因は複数考えられます。紙面の関係で最も疑わしいものを記載します。BOD試験における硝化の程度は、試料中の硝化細菌数に依存する傾向があります。まずは、5日間BODだけでなく、さらに日数を伸ばしてBODを測定して見てください。この値がBOD5と殆ど変わらなければ、他の影響、大幅に差がでるようなら硝化の影響と考えられます。塩素処理は、大腸菌群の殺菌と同時に硝化細菌にもダメージをあたえます。このために、塩素混和池出口の試料では、塩素を除去してBOD測定しても、BOD測定中の硝化反応はかなり遅延します。硝化細菌は、生存戦略として、管壁に付着した細菌フロックの奥に潜んでいることが多いです。ですので、放流口末端試料は、「塩素混和池出口から放流口末端までの流路の管壁に付着していた硝化細菌」が剥がれた微細フロックと共に試料に混入してしまったことが考えられます。このときには、殺菌用に使用した塩素は試料中に含まれるアンモニア等によって結合型に変わっていますので、酸化力が落ちて、フロック中の硝化細菌を殺菌するだけの能力は失われている場合が多いです。(DPDで両者をチェックしていますか?)この結果、末端試料のBOD測定値は硝化細菌による影響が無視できなくなります。
なお、他の影響による場合は改めて記述しますので、上の記載を検討後に再度ご質問してください。

回答に対するお礼・補足

ご回答、有難う御座います。
両者の亜硝酸態窒素の生成速度を比較致しまいた。操作は酸素飽和とした試料をフラン瓶に移し、20℃で放置(遮光)し経過とともに形態別窒素を測定しました。結果、放流口試料は、放置直後から硝化反応(亜硝酸化まで)が開始されるようです。また、塩混出口試料でも速度は遅いものの反応が認められました。ろ過試料に於いても同様の差違が有りました。残塩は採水時ですが両者、0.7mg/l程度です。
やはり、硝化細菌の混入(硝化力復活)を疑うべきようです。
ご教示の、延長BODを比較させて頂き、また質問させて頂きたいと思います。その際は、また宜しくお願い致します。
文末になってしまいましたが、お礼が遅くなりお詫び致します。

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