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環境Q&A

安定型処分場の浸透水の水質検査における懸濁物 

登録日: 2007年11月29日 最終回答日:2007年12月21日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物

No.26050 2007-11-29 09:23:11 ZWlaa29 環境子

「一般廃棄物の最終処分場又は産業廃棄物の最終処分場に係る水質検査の方法」(H10.6.16環・厚告1)を勉強している事務職員です。はじめに、素人の質問をお許しください。
安定型処分場の浸透水の水質検査は、JISのK0102の54によるとなっていて、試料の採取方法については、K0102の3.2に「試料は特に断らない限り試料中に含まれる全量について行う。このため、試料に懸濁物がある場合には、十分に振り混ぜて均一にした後、試料を採取して試験に用いる。ただし、陰イオンの試験では、特に断らない限りろ過した試料を用いる。全量を求める場合にはそれぞれの項目で測定する。その他溶存状態のものだけを試験する場合には、試料採取後、直ちにろ紙5種(1)でろ過し、はじめのろ液約50mlを捨て、その後のろ液を試料とする。」となっています。
そこで、そもそも、全量について試験するものなのか、溶存状態のものだけ試験するものなのかが分からないのです。
どこか別のところで決まりがあるのでしょうか。
どうかお教えください。

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No.26319 【A-5】

横レス失礼

2007-12-21 16:06:48 (ZWla258

>たる吉さま

>>土壌汚染対策法関連(多分「地下水」の採水の考え方では一番新しい考え方だと思います)で、「濾過せよ」とある部分をご教示頂けませんでしょうか。

確か法令自体には明確な表記はなかったはず
(うる覚えで申し訳ないです)

明確に表記されてるものとしては
財)土壌環境センター編の
『土壌汚染対策法に基づく調査及び措置の技術的手法の解説』があり、
[参考資料]Appendix-6 地下水採取方法 1.2(3)試料の取扱い
に記載してあります。


土壌汚染対策法に則っての地下水採取は
ほとんどが若い井戸からで、孔壁が不安定であり
井戸洗浄を行っても濁る場合があるので
それらを考慮し、ろ過を行う。と記憶していたのですが・・・
どこかで読んだのか?
誰かに聞いたのか?ろ過理由のソースが不明です。
ろ過理由の出所をご存知の方いらっしゃいましたら
ご教示お願いします。

No.26308 【A-4】

便乗質問(質問者すみません)

2007-12-21 09:25:33 たる吉 (ZWl47e

>地下水ですが、土壌汚染対策法関連では濁っている場合、金属項目、農薬項目はろ過せよ、とあります。
懸濁物は水質ではない、という考えです。
>しかし、すべての地下水、浸透水についてこちらの考え方にに移行するのは無理があるように思います。

たそがれ様

地下水のクロスチェックを行ったところ、後からサンプリングした当方の分析結果において金属項目が若干検出されていました。
現在、原因の調査中なのですが、一番高い可能性として、堆積物の巻上げが原因ではないかと思っております。

しかしながら、環境省告知(JIS K 0102含む)では、全量分析が基本のようであり、現在、分析の際に巻き上げを考慮して濾過を行うことが可能なのか調べております。

土壌汚染対策法関連(多分「地下水」の採水の考え方では一番新しい考え方だと思います)で、「濾過せよ」とある部分をご教示頂けませんでしょうか。

推察ではありますが、ダイオキシン類用の採水の際、大量の水を採ることから作業が雑になり、堆積物の巻き上げが起きたのではないかと思っております。

(12/25 追記)
珠さま
早速のお返事ありがとうございました。
自スレではないため、追記で返信してしまい申し訳ありません。
まずは、何とか「財)土壌環境センター編の『土壌汚染対策法に基づく調査及び措置の技術的手法の解説』」を入手したいと思います。

しかし、ご承知のとおり濾過理由のソースが気になるところです。(現在、井戸底の土砂のサンプリングができないか確認中です)

No.26255 【A-3】

Re:安定型処分場の浸透水の水質検査における懸濁物

2007-12-16 15:32:04 火鼠 (ZWl8329

排水のサンプリングは、まず取る。ただし、堆積物を巻き上げないで取るが基本ではないでしょうか?次に項目ごとの適切な前処理をする。これができていないのが現状ではないでしょうか?溶解性マンガン、鉄においては、現場でろ過、フェノールについては、硫酸ど銅となんとかをいれて何時間以内に分析とか、水銀につては、なんたらかんたら、分析項目について、すべて対応できてるのかな〜?。排水の採取は、1つですが、後処理は、成分によって千差万別です。
水の流れが変われば、ヒ素がめちゃくちゃになる。鉛がめちゃくちゃになる。そんなの当たり前じゃないかな。乱流になって。堆積物巻き上げれば。でもそれも継時変化の中の水質ではないでしょうか?分析とは、やるからいいのでは、なく管理の為にやっているのでは?ですから、一定手法で、分析してみると、悪い場合もあります。結果から、また、管理手法をみいださなければいけないのではないでしょうか?

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。
私は、形にこだわり、形の意味を忘れていたかもしれません。法令の基準に適合するかどうかも大きな問題でしょうが、真に大切なのは、『周辺生活環境の保全』でしよね。疑わしき状況が出現したなら、徹底的に調べ、必要な措置をとるのが基本ですね。関係者みんなで、そのような意識で臨めれば、どんなに素晴らしいことでしょうか…。

No.26165 【A-2】

Re:安定型処分場の浸透水の水質検査における懸濁物

2007-12-08 01:41:00 たそがれ (ZWla61d

採水方法ですか。これも間口の大きなご質問だと思います。
構造上の欠陥、国のスタンスにまで言及されているのか、それとも細かいサンプリング手法のようなことを聞かれているのかがわかりませんが、何となく前段に近いような気もいたします。

安定型処分場といっても比較的最近のものは浸透水の採取設備もしっかりしているはずです。
埋立場内を浸透した雨水は泥岩層等の難透水層で抑えられ、下流側の調整池にいったん溜められるなどして表層を流れた雨水と一緒に放流されます。
このような構造であれば溜まり水ではないため、適切なモニタリングができるでしょう。
ところが少し古いものになると、いろいろな問題が出てきます。小規模なため、あるいは地層の割れ目から下層に漏れて浸透水を採取するだけでも困難、というところがかなりあります。それどころか、夏場の渇水期になると全く採取できなくなるところもあります。このような現状を否定するわけにはいかないでしょう。
その意味では「神経質にならずにゴソッと・・・」というのも、いたしかたない部分があります。

ただ、環境子様が指導する立場にあるならば、浸透水の井戸が深すぎて地下水脈を堀り当てているとか、採取が困難なため近隣の湧水で代行している、などのケースにはご注意ください。サンプリングポイントがあまりにも不適切である場合、将来の閉鎖に向けた判断材料が出てきません。

サンプリングテクニックについてご質問されているのでしたら、多少の注意が必要です。

ポンプやひしゃくでサンプリングする場合その手法や設備が原因で濁したとしたら・・・。
重金属、特に鉛やひ素が桁違いのオーダーで検出される恐れがあります。当然、地下水の環境基準などすぐオーバーしてしまいます。こうなると落とし所がなくなり、処分場側としては自然由来であることを証明する必要性から、ヘトヘトになってしまいます。
また、特例としてろ過をするにしてもサンプリング直後でなければなりません。
この手の水は二価鉄をたっぷり含んでいるケースが多いのですが、空気に触れて三価になると赤茶色の沈殿としてごっそり出てきます。
それをろ過すると大変きれいになり、もともと水質として含まれていたかも知れない微量重金属まで取り除かれてしまいますのでご注意ください。



回答に対するお礼・補足

ものすごく的確な回答をありがとうございます。

【構造上の欠陥、国のスタンスにまで言及されているのか、それとも細かいサンプリング手法のようなことを聞かれているのか…何となく前段に近いような気もいたします】

「構造上の欠陥」というのは、大多数の共通認識なのでしょうか。「安定品目だから、法令どおりの埋立が行われていれば大丈夫です。」などとよく言いますが、本当は成立していないのでしょうか?回答があまり寄せられないのも、その辺に原因があるのでしょうか・・・。

【安定型処分場といっても比較的最近のものは浸透水の採取設備もしっかりしているはずです。】

えん堤構造の処分場なら、たそがれ様の御指摘のとおり、浸透水を「流水」として採取することが可能なのだと思います。しかし、平坦地に設けられた処分場では、「下流側の調整池」を設けることができませんから、必然的に井戸形式になり(=よく安定型処分場の概念図で使われているみたいな…)、処分場の底面に有孔管を這わせて、埋立地の真ん中に設けたコンクリートマス(コンクリートのマンホールみたいな)に集水、マスの直上にマンホール管をつなげて井戸構造にする、みたいなのが多いのではないでしょうか。

【ポンプやひしゃくでサンプリングする場合その手法や設備が原因で濁したとしたら・・・。重金属、特に鉛やひ素が桁違いのオーダーで検出される恐れがあります。当然、地下水の環境基準などすぐオーバーしてしまいます。こうなると落とし所がなくなり、処分場側としては自然由来であることを証明する必要性から、ヘトヘトになってしまいます。】
【特例としてろ過をするにしても…大変きれいになり、もともと水質として含まれていたかも知れない微量重金属まで取り除かれてしまいます】

沈殿した懸濁物に影響されるような採水は、避けるべきなのでしょう。確かに、昔流れた懸濁物質にずっと影響され続けていたのでは、いつになっても“正常化”しないです。周縁井戸の地下水ならともかく、浸透水の汚染を「自然由来」と結論付けることも殆ど不可能だと思いますし…。
でも、重金属等が“懸濁物”として処分場の外部に排出されている可能性もあるとしたら、“うわ水”だけを採取するやり方でいいのだろうか?と悩んでしまいます。
ここから先は、答えの出ない世界へ突入でしょうか?

No.26102 【A-1】

Re:安定型処分場の浸透水の水質検査における懸濁物

2007-12-03 22:45:24 たそがれ (ZWla61d

このサイトは処分場浸透水を日々分析している人も閲覧しているはずです。それにもかかわらず回答がつかないのは極めて深い問題であることと、事務職員の環境子様に説明することのむずかしさ故のことと思います。また、回答に対して切り返されるのも嫌なのでしょう。

私はむしろ、回答が沢山ついてほしいご質問だと思います。ここでは私見を述べさせていただきます。

まず、JIS k0102ですがこれは工場排水試験方法です。陰イオンはイオンだけですのでいかなる水であろうとも邪魔になる懸濁物はろ過するということでよいはずです。
問題は他の項目です。工場排水は基本的に全量規制になっていますので振り混ぜてから分析しますが、鉄とマンガンは溶存状態のものが規制の対象ですのでろ過の方法も出ています。そもそもJISの各検査項目はろ過後であろうが全量であろうがその後の検査のみをうたっているにすぎません。たとえばJIS k0102 54を見ると鉛の分析方法がいくつか出ていますが、その前のろ過の是非など問うていません。JIS k0102 3.2は工場排水のみに言えることなのです。

で、本題ですが法令を読むと、安定型処分場では、いわば処分場内の地下水を「浸透水」処分場外の地下水を「地下水」と定義づけています。
そうすると、一般論として地下水も含めて、「ろ過は必要か?」という議論になります。
地下水の環境基準等を見ても何も書いてありません。これはろ過をするな、ということではなく特段何も決めてないのではないかと思います。
私見ですが、地下水も含めて濁さないよう適切な採取方法であることを前提として、結局ろ過せよ、というきめがない以上全量分析が基本になると思います。また、私もそうしています。

追加
地下水ですが、土壌汚染対策法関連では濁っている場合、金属項目、農薬項目はろ過せよ、とあります。
懸濁物は水質ではない、という考えです。
しかし、すべての地下水、浸透水についてこちらの考え方にに移行するのは無理があるように思います。

内容について意味不明なところがあれば、何度でもお答えします。

回答に対するお礼・補足

たそがれ様、御回答ありがとうございました。もう駄目かと思っていた矢先、回答いただけて感激です。

 試験方法とともに、もう一つ疑問に思っていることがありまして、それは、採水の方法なのですが、

 安定型処分場の概念図などを見ると、浸透水採取設備は『井戸式』になっており、一般的にも井戸式のものが多いとすると、「溜まり水」となってしまい懸濁物も累積しやすいのではないかと思います。しかも、毎回、ほぼ同じ「溜まり水」を採取するおそれもあるのではないか、
でも、その一方で、
@浸透水検査が汚染拡散の防波堤だろうこと
A適正な埋め立てであれば汚染は生じないだろうこと
B当時の国審議会報告書などを見ると、浸透水検査は異物混入の有無を確認するために導入されていること
から、あまり神経質にならずごそっと採水すればいいのかな(そもそも、そんなに精密な採水ができないと思われますし。採取設備の底に溜まった物質も、それ以外の底面からは、下に抜けていっている訳ですし。)

差し支えなければ、また、御意見いただけるとありがたいです。 

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