三価クロム化合物の分析
登録日: 2007年10月31日 最終回答日:2007年11月01日 健康・化学物質 その他(健康・化学物質)
No.25650 2007-10-31 09:50:08 ZWla83c hio
はじめて質問させていただきます。
小型部品メーカーで環境負荷物質調査を担当して2年目になります。
ある大手セットメーカのグループ企業のかたより、弊社の部品を簡易分析(蛍光X線分析)にて分析したところ総Crではあるが値が大きいと質問をうけ、弊社の部品にはCr2O3が使用されているので六価クロム分析をして検出が無いことを確認しているので簡易分析でクロムがでてもそれは六価クロムではなくCr2O3(三価クロム化合物)なので問題ないと回答したところ、三価と六価の違いを証明しろ、といわれてしまいました。
弊社部品は小型なため、依頼された部品は1個0.06g程度で1gもありません。そのため製品をばらして分析するには難しく、ほとんどのセットメーカーさんでは材料での分析で了承していただいています。
ちなみにこのグループ企業には製品の成分明細や各部位毎の精密分析データ(Cr2O3を使用しているとことは六価クロム分析です)を提出しています。
上司にも相談し、証明するには六価クロムがはいっていない精密分析データと材料メーカーの成分表を提出するしかないだろうということで、私もその通りだと考えていましたが、その証明もどうにも納得されていない様子です。
分析についても調べましたが、三価クロム分析というのはないようで、概ね『総クロム分析』か『六価クロム分析』の二つしかないようなのですが、三価クロム化合物のみを検出するような分析方法は存在するのでしょうか?
はずかしながら知識不足ですが、ご教授お願いいたします。
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No.25673 【A-5】
Re:三価クロム化合物の分析
2007-11-01 06:05:33 たそがれ (ZWla61d
分析の立場から言わせていただくと、確かに無理をすればご紹介にあったものとか、非破壊で原子価を見るものとか、あるでしょう。
私どももRoHSの依頼をうけることがありますし、有名どころの環境分析センター、材料分析センター等とコミュニケーションもとっています。
はっきりいって、RoHS関係で3価だけの特殊分析を普通にしてくれるところは皆無です。
また、以来される私どもの経験でも「3価であることを証明してくれ」、と言われたことは一度もありません。
RoHS 分析、で検索すれば分析機関はたくさん出てきます。
たとえば大手3社くらいから、なぜ無理なのか、をわかりやすく説明してもらい、それをレポートにつける等も一手だと思います。
回答に対するお礼・補足
たそがれ様
お礼のお返事が遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした。
そのグループ会社で出されている分析指針と弊社の製品の特徴(簡易分析でクロムが検出する理由)を説明して、とくに問い合わせもないようなのでわかっていただけたようです。海外で同様の質問があり、自分でも少し神経質になっていたかもしれません。どうやら、分かっているだけど、でも一言ほしいというようなルーチンワークのようなものだったようです。それほど理不尽な要求の方じゃなくて、ホッとしています。助言いただき、ありがとうございました。
No.25671 【A-4】
Re:三価クロム化合物の分析
2007-10-31 23:23:11 cerha (ZWla613
またそのご返事を拝見した感じでも、やはりhioさんも感じておられるようですし神奈中ISO さん、珠さんも言われているように私も先方の担当の方の認識不足か誤解かお互いの行き違いではないのかという思いです。(総クロム検出の結果に対し、言葉では「それは三価です」言いながら、その証明は「六価ではありません」という分析方法で答えたことに対して、もしかしたらあまり把握されてない(?)先方さんが違和感を感じたのかも?実際はもちろん(法規適合の確認としては)それで正しいわけですが。)
ということで、分析法については珠さんのリンクを参照いただくとして、上記状況を想定しての対応方法への私なりの考えを参考までに以下に。(アドバイスとまではいきませんし、あまりよい対応ではないかもしれませんが。)
先方さんは大手メーカーのグループ会社とのことですので、おそらく環境負荷物質管理基準のような規定の文書がきちんと制定されていると思われますし、その中かそこからの更なる関連規定の中かどこかで、六価クロムの分析方法についても規定されているものと思われます。その分析方法は、当然「三価を含有することの証明」ではなく「六価を含有しないことの証明」の方法であるはずです。で、hioさんは先方さんと取り引きがあるのでその規格は当然入手可能のはずですので、その文書を先方の担当者さんに提示して、その規格に従った分析方法で確認している旨を伝えてはどうでしょうか?(自社の規定に従った分析方法で確認しているということであれば、何もいえないのではないかなと。)
あるいはその納得いただけない先方の方が受け入れ担当のような立場の方であるなら、一度先方さんの技術部門or試験・分析部門のような方に相談してみてはどうでしょうか?
以上、不十分かもしれませんが参考までによろしくお願いします。
回答に対するお礼・補足
cerhaさま
再び回答ありがとうございます。
神奈中ISOさんのお礼に書かせていただいたように、上司・開発部門と相談して、Cr2O3の含有部位は簡易分析では六価クロムかどうかの判定ができないため、精密分析で六価クロム化合物は検出なし⇒EDXの分析結果は六価クロム以外のクロム⇒材料メーカーさん保証の成分表より三価のクロム化合物である、六価クロム分析は御社の要求事項に準じた方法で行なったということで回答しました。私も多少説明を省きましたので、確かに誤解を与えてしまったかもしれません。
いろいろ読ませていただいて環境負荷物質関係の業務に携わっている方々は、みなさん苦労されますね。川上・川中メーカーさんなんかは特に板ばさみにあったり。弊社もそうですが材料メーカーさんにもセットメーカーさんにも弱い立場なんで。
ただ新規の取引には無視できないものになってしまっているので冷静に対応していきたいとはおもいます。
No.25664 【A-3】
Re:三価クロム化合物の分析
2007-10-31 17:53:48 珠 (ZWla258
http://www.toray-research.co.jp/pdf/news_light/trc81_25_28.pdf
これなら分析できると思いますが金額的に厳しいかも・・・
ただ内容を読ませてもらった感じでは
その担当者さんが分かってないだけのような気もしますね〜
回答に対するお礼・補足
珠さま
回答ありがとうございます。
そうですよね・・・問題はそこまで経費をかけてもいいくらい注文をくれるセットメーカーさんだったらいいんですよね。
No.25661 【A-2】
Re:三価クロム化合物の分析
2007-10-31 16:58:47 神奈中ISO (ZWla5f
A-1.cerha様と同意見です。
当社も一部、大手メーカーに部品を納入しております。
最近メーカー側の対応が厳しくなり、大変ですよね。(お気持ち察し致します)
内容からして、質問者様、メーカー担当様、両方何らかの理由で熱くなられたのではないでしょうか?
もう一度、三価クロムの証明が必要な理由を聞いてみてはいかがですか?
たとえば
「当社では、御社グリーン調達基準を順守すべく、六価クロム非含有(閾値以下)のデータを測定し提出させて頂きました。三価クロムの証明も必要とのことですが、費用もかかることですし、必要な理由をお聞かせ下さい」と言うような内容で、
事例は違いますが、当社では「メーカーさんが使用している測定器と同等品を購入し、測定してから納品して下さい」と言われました。
しかし、当社ではお金がないので買えませんので、材料証明と工程管理基準(工程で使用する工具類の材料証明、保管管理基準等)の提出、及びメーカーさんの立会い監査で、未測定での納品を了承して頂きました。
当社の場合、中小企業であるため了承されたとも思われますが、話せば何とかなるのでは?と思います。
以上、余計なことも書きましたが、ご参考になれば幸いです。
回答に対するお礼・補足
神奈中ISOさま
ご回答ありがとうございます。
お察しの通りで最近は厳しい要求ばかりで、弊社も材料メーカーさんとセットメーカーさんの板ばさみ状態なので・・・。苦心されていることお察しします。
参考までにと社内の開発部門にも智恵をさずかろうと相談したら、もしかしたらルーチンワークで一応分かっているけど、メールでもいいから一言いれてくれない?みたいなものかもしれないと。開発の方でも納入仕様書の手直しでいつも同じ内容の質問が同じ方からがくることがあるようでいつも同じように回答する、というルーチンワークのようなことがあったようです。あまり突っ込んでしまうと自分の首をしめてしまいそうなので、『Cr2O3を含んだ部位は簡易測定ではスクリーニング不可のため御社要求での六価クロム分析で六価クロム化合物の含有かどうかを判断しています。そのうえで六価クロムでないこと=材料メーカ保証の成分表よりCr2O3と確認しています』と統一して回答してみようかとおもっています。
セットメーカーさんの厳しい要求も分からないわけではないですよね。特に海外の部品・材料メーカーは変更管理などあってないようなところがほとんどだと現実に実感しましたので、心配されてるんだと思います。
長々となってしまいましたが、大変参考になりました。ありがとうございました!
No.25656 【A-1】
Re:三価クロム化合物の分析
2007-10-31 13:38:35 cerha (ZWla613
RoHSやELVなどの法規対応であれば六価クロムを(閾値以上)含有していなければよいですし、それらの法規に関係するメーカー各社のグリーン調達基準などでも六価に対しての制限であると思いますし。
メーカーさんが納得されない部分の詳細が不明ですが、hioさんからの報告において、法規上の適合の証明が不十分なところはないでしょうか?
例えば、部品として分析して閾値以下(または検出下限値以下)という証明をしていても、その部品が複数材料からなっていて、均質材料単位での閾値以下の証明になっていなかったり。(すいません、このあたりはおそらくきちんと対応されていると思いますが、その他にも考えられる点はないでしょうか?)
hioさんの言われる『六価クロム分析』は「ジフェニルカルバジド吸光光度法」を指しているのではと思いますが、この方法は多くのメーカーさんで六価クロム含有有無の分析法として認められている(あるいは推奨されている)と思いますし。(逆に三価クロムのみを分析して含有していると証明しても、六価クロムを含有していないことの証明にはなりませんし。)
hioさんご質問の趣旨とはズレており申し訳ありませんが、まずはメーカーさんの真意を再度ご確認されてはどうでしょうか。本来のご質問の部分については、どなたか他の分析のプロの方のご教示をよろしくお願いします。
回答に対するお礼・補足
cerhaさま ご回答ありがとうございました。
補足させていただきますと、顧客へは各部位別(いわゆる均質材料)で分析データを送付していますし、そのほか顧客指定の様式等で弊社の部品の全成分含有量を回答しています。
Cr2O3を含有している部位はスクリーニング分析ではクロムとして検出されるので、六価クロム分析(UV-VIS)で確認して、結果も検出限界値<0.5ppm 以下と確認したデータを提出しています。
受入で簡易分析された場合、EDX等で分析されるのでその場合は総クロム分析になるため、金属クロム、三価クロム化合物、六価クロム化合物まとめてクロムとして検出されてしまうため、明らかに成分としてふくまれていれば当然六価クロムでも精密分析が必要になります。
また金属なのか化合物なのかと言った場合は、成分把握としては材料メーカーの成分表もしくはMSDSで確認しています。
分析データは原材料メーカーさんにお願いするか、自社負担で第三者分析機関(SGS等)にお願いして入手しているので問題な点はないとおもうんですが・・・。
最近このようにEDX分析したらクロムがでたが何故?という質問に上記のように材料中にCr2O3が含有していて総クロムでは数千ppm検出されますが、精密分析で六価クロムはでていませんと説明しても同じ様な質問がまたきてしまうので、もしかしたら三価クロム分析を知らないだけじゃないかと思い質問した次第です。(理論武装でもあるのですが・・。)
可能であれば全く分析に精通されていない方への説明などどのように対応されているかアドバイスもいただけると大変ありがたいです。
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