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環境Q&A

排水中のFe酸化防止の方法 

登録日: 2007年10月05日 最終回答日:2007年10月22日 水・土壌環境 水質汚濁

No.25230 2007-10-05 10:41:38 ブータン

地下水を冷却水として使用していますが、Feが規制値の10ppmを超えるため、吸着樹脂で除鉄処理をし、吸着物を凝集沈殿、これをろ過してろ過助剤の珪藻土とともに埋立処分に出しています。最近地下水の鉄分が規制値以下に下がったため、処理せずに公共用水域への放流することも検討しましたが、排水路や公共用水域への出口付近が酸化鉄により赤くなり景観上非常に問題がありそうです。原状の除鉄処理よりコストを下げて、鉄を赤くしないまま公共用水域へ排出する方法がありましたらご教示ください。ちなみに地下水のpHは6.5〜7程度です。

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No.25509 【A-4】

Re:もしかしたら、発想を変えたら安くできるかもしれませんね

2007-10-22 20:33:17 火鼠 (ZWl8329

>まず、現状を、もう一度見直してみたらいかがでしょうか?書かれた文面からは、かなり高度(高額な処理設備のような気がします。)一度、原点に戻って。ほんとに、この設備が必要だったか。検証されたらいかがでしょうか?俯瞰してください。使用している地下水は、Feだけ高いのですか?(シリカは?Mnは?Caは?)また、季節変動は、無いのですか?なぜ珪藻土なんだろ〜?鉄なのに。塩素処理+砂処理程度では、だめなのかな〜?

No.25355 【A-3】

Re:排水中のFe酸化防止の方法

2007-10-13 11:28:39 GMT

(1)地下水を直接冷却に使い、熱交の管壁に酸化鉄スケールの沈着があれば伝熱効率の低下が予想されたので、事前除鉄処理すべきと思いました。接触酸化は密閉系であり除鉄による温度上昇もごく僅かです。外気温での温度上昇を防ぐならタンクの外側を断熱します。
スケール沈着の問題なければ、冷却水に使用後、直接接触酸化除鉄装置に導いて除鉄すればよいでしょう。接触酸化反応速度の温度依存性は分かりませんが、マイナスにはならぬ筈です。

(2)ろ過装置が加圧急速ろ過なら、そのろ過塔が使えるはずです。接触酸化でのLVを10m/h、2500㎥/23.5hrとすれば、タンクの直径は3.7m程度です。冷却水が24時間連続で必要なら、逆洗時の処理をどうするかの対策が必要です。例えば2塔にするなど。

(3)逆洗水の処理は、凝集沈殿槽を貯槽あるいは沈殿池に使い、接触酸化で形成される酸化鉄はフロック状でなく真空ろ過機を使うにしても珪藻土なしで脱水できる可能性があります。

(4)原水中のFe+2が10ppmでの接触酸化の実績はあり、現状を改善するには、他には思いつきません。既存装置の脇に、直径10cm程度のカラム(ろ過塔)を設置して可能性の確認を、ご自身でなさることをお勧めします。

No.25284 【A-2】

Re:排水中のFe酸化防止の方法

2007-10-09 16:57:00 ゼネコン担当者S

 タイトルにあるように酸化しないでそのまま放流というのは難しいのでしょうね。民間会社にとっては非常につらいことだとお察しします。とくに水量が多いので維持管理費は大変なものになりますね。
 一般には、過酸化水素か次亜塩素酸等で酸化させて沈殿を除去すると思います。またGMTさんのように空気酸化させる方法もあると思いますが、濃度が高いだけにちょっと大変かも知れません。
 検索してみると他にもいろいろ装置があるようです。
 そもそも地下水の溶存酸素は低いですからできるだけ空気と接触させないで熱交換し、その後も空気と接触させなければ川に排出されてからじわっと赤くなれば問題ないわけですが、鉄の濃度が高いだけに難しいでしょう。
 上記薬品の製造メーカーや正体不明の濾過材業者に維持管理費を含めて見積させて少しでもコストダウン図るしか方法はないように思います。空気吹き込みなら微細気泡もいいかも知れません。

No.25249 【A-1】

Re:排水中のFe酸化防止の方法

2007-10-05 22:18:19 GMT

文面からして原水中のFe+2は空気で酸化され易いと予想されるので、接触酸化法で除鉄して冷却水に用いては如何でしょう。
接触酸化法は急速ろ過装置のろ材を表面にMnO2でコーティングしたマンガン砂に替え、原水を井戸から直接ろ過タンクに導入し(受水槽経由は不可)、その直前で加圧空気を注入して酸素を飽和させます。運転初期にはMnO2でFe+2が酸化されてFe(OH)3 の沈殿をろ材表面につくりますが、次第にろ砂表面にFe2O3・nH2O層が形成されます。この状態での反応は
Fe+2 + Fe2O3・nH2O → Fe3O4・nH2O
Fe3O4・nH2O + O2(溶存酸素) → Fe2O3・nH2O
計算上1ppmのFe+2に溶存酸素は0.14ppmであり、特別に圧力高める必要はありません。原水中のFe+2濃度、Fe+2の酸化反応速度によってろ層高さ、ろ過速度(LV)などを決めます。
砂ろ過ではろ層の表面から10cm以下で濁質が除かれますが、接触酸化ではろ層全体を反応に使います。ろ材は酸化鉄の沈着によって太り(圧力損失が緩やかに上昇)、逆洗して剥ぎ落とします。逆洗水中の酸化鉄は沈降し易く、沈殿池か、素掘りの池で容易に分離できます。
私は新工場建設時、工業用水に使う深井戸水を掘ると、Fe+2が数ppmありました。急遽現地実験して接触酸化法が適用できることを確認し、併せて設計条件をつかみました。他工場にあった不要の急速ろ過タンクを貰い、ろ材を交換して接触ろ過式除鉄装置にしました。全鉄0.1ppm以下で順調に運転出来ました。運転コストは深井戸ポンプ、ベビコンの電力で僅かのものです。工場に在勤した約10年間、ろ材の交換は不要でした。

回答に対するお礼・補足

ご丁寧な回答ありがとうございました。
質問をはしょっていて真意が伝わらなかったことお許し願いたいのですが、現状は
・冷却水として使用していて、温度を上げないためにくみ上げ直後に熱交で使用し、排水処理は後から行っている。約2500t/日です。
排水処理設備の運転は
・ろ過装置の監視保全
・凝集沈殿槽の監視(薬剤の管理)
・真空ろ過機の運転、ろ過助剤を含む汚泥の廃棄処分等
手間が結構かかっています。
その手間と埋め立て処分となるろ過助剤の珪藻土の使用を可能な限り削減し、鉄の色を変えずに放流したいのですが・・・

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