一般財団法人環境イノベーション情報機構
余剰汚泥の返送
登録日: 2007年03月08日 最終回答日:2007年03月09日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)
No.21540 2007-03-08 02:49:20 bey
はじめて質問させて頂きます。
水処理メーカの技術者です。
昔の文献を読みますと、余剰汚泥を初沈へ投入しているフローを度々見かけます。
現在の処理方式ではこのようなフローを見かけることがございません。
以下,質問事項です。
@余剰汚泥を初沈へ投入するメリット、デメリットとはなんでしょうか?
Aいつ頃から初沈へ余剰汚泥を投入しなくなったのでしょうか?
Bそれはなぜでしょうか?
C本件に関する文献等がございましたら、ご教示願います。
以上、宜しくお願い致します。
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No.21560 【A-2】
Re:余剰汚泥の返送
2007-03-09 14:26:25 papa (
下水処理にに限らず、環境施設といわれる類の施設は一応の設計指針があります。しかしながら、ほとんどの施設が日常生活を支える公共インフラとして非常時にも停止させることができません。
プラント設計では教科書的なシステムフローの他に、故障時、緊急時の代替処理ルートとか一時貯留を考慮するのは当然のことと思います。装置メーカーの技術者とのことですので、参考図書だけでなく実負荷で稼動している施設をたくさんご覧になり、それらの現場から必要な情報を得ることも必要かと思います。
回答に対するお礼・補足
早速、外へ出て現場の生の声を聞いてきます。
本当にありがとうございました。
No.21545 【A-1】
Re:余剰汚泥の返送
2007-03-08 17:58:47 papa (
>@余剰汚泥を初沈へ投入するメリット、デメリットとはなんでしょうか?
○メリット
余剰汚泥引抜きのタイミング的な制約がない。
生汚泥は腐敗防止のために低濃度引抜が推奨されており、設計時より生汚泥ポンプの運転時間は長くなる傾向にあります。
(生汚泥・余剰汚泥の交互引抜きで重力濃縮へ投入すると、それぞれの引き抜き量の上限を時間分割する必要があります)
機械濃縮装置故障の際のバックアップ機能。
○デメリット
VS/TSの高い分流の余剰汚泥は、混合重力濃縮では高い濃縮度が得られない。
嫌気消化工程を持つ処理場では低濃度の濃縮汚泥では消化率が低下する
>Aいつ頃から初沈へ余剰汚泥を投入しなくなったのでしょうか?
施設建設年度と更新年度により一概には言えませんが、地方都市に分離濃縮のために機械濃縮が導入され始めたのは昭和時代末期からですから、かれこれ20年以上は前です。
但し、分離濃縮でもほとんどの処理場には余剰汚泥の初沈投入配管がありバルブ切替えで使えるのが普通です。
>Bそれはなぜでしょうか?
機械濃縮装置の普及によるものと推察されます。
通常は、余剰汚泥初沈投入→混合引抜き→重力濃縮
生汚泥、余剰汚泥交互引抜き→重力濃縮
生汚泥→重力濃縮、余剰汚泥→機械濃縮(分離濃縮)
のいずれもが可能であるように(故障時バックアップの意味も含めて)設計するのが普通と思います。
>C本件に関する文献等がございましたら、ご教示願います。
「下水道施設計画・設計指針と解説」
(社)日本下水道協会
を参照ください
回答に対するお礼・補足
ご丁寧な回答に感謝致します。大変良く理解できました。ご教示頂いた書を再度読み直します。
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