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環境Q&A

全窒素などの下限値 

登録日: 2007年02月20日 最終回答日:2007年02月26日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.21287 2007-02-20 02:58:45 おしえてください!

わからないことがあり、おしえてもらえたらとおもいます。

計量した結果の数値についてなのですが、項目によって「○○未満」とあります。その「○○」はどのようにきめられているのですか?
全窒素の場合(JISK 0102 45.2)だと、最終溶液(25ml)に5〜50μgあれば定量できるので、その5μgを計算式に代入(0.005×60×1000/25/50)して0.24を得ます。この0.24が定量できる最低値になるとおもうのですが、どうでしょうか?
またこのように定量範囲が与えられていないBODなどはどのように決めれれているのでしょうか?

よろしくお願いします。

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No.21374 【A-3】

Re:全窒素などの下限値

2007-02-26 10:05:55 蛇足

 蛇足ですが、過去にこのQ&Aのコーナーで同様の質問があり、きちんとした解答が出されています。

 「定量下限 検出限界 分析精度 不確かさ」等で検索してください。

回答に対するお礼・補足

筑波山麓さま、蛇足さま
ご返答ありがとうございます。
勉強不足+検証不足で以前の内容と重複した質問となってしまいました。お詫びいたします。
その上で、わからないことがありましたら、再度質問させていただきます。

No.21356 【A-2】

Re:全窒素などの下限値

2007-02-24 12:56:49 筑波山麓

次に、BODの定量下限値です。まず、「下限値の求め方は、方法、機器その他により種々あります。いずれもが試料に含まれる分析対象物の定量が可能な最低の量又は濃度(定量限界の定義)」を求める理論から出ている」の基本で考えてください。

そうすると、BODは、初日(D1)と5日後(D5)のDOの消費量で求め、高い場合は試料を希釈して測定しますから、希釈倍数×1が最も低いBODを測定できることとなります。

次に、(D1−D2)×100/D1=40〜70%の範囲内で測定します。20℃で、溶存酸素が飽和状態で、8.84ppm、これの40%は、3.54ppmとなりますから、定量下限値≒3.54ppm(切り上げて4ppm)となります。

しかし、実際は、顧客の要求もあり、また、業界が定量下限値に対するしっかりした考え方を持っていなかったので、0.5ppm、1ppm(これが最も多いと感じています)、2ppm等々、報告書の記載は事業所により種々雑多です。

なお、DOの測定方法は、「ウィンクラー・アジ化ナトリウム変法」、「ミラー変法」、「隔膜電極法」と3種類ありますが、現在は、ほとんどの事業所が「隔膜電極法」で測定しています。この方法から定量下限値「1ppm」がきているようです。しかし、これは機器の定量下限値なので、BODの定量下限値とするのは「誤り」ですが、実情は上記のような状況です。

回答に対するお礼・補足

筑波山麓さま
ご回答ありがとうございました。
「現在は、ほとんどの事業所が「隔膜電極法」で測定しています。この方法から定量下限値「1ppm」がきているようです。しかし、これは機器の定量下限値なので、BODの定量下限値とするのは「誤り」ですが、実情は上記のような状況です。」
隔膜電極法(一応JISでは定量下限は0.5となっているようです)を用いて試験した場合に、BODの定量下限が1ppmになるのはどうしてですか?希釈なしでDO消費が40パーセントに満たない場合は、その値から算出する(K0102 21 注20)とありますが、その場合の最低値(担保できる値)が隔膜電極で0.5なのでそこから1ppmが導き出されるのでしょうか?

No.21354 【A-1】

Re:全窒素などの下限値

2007-02-24 12:48:30 筑波山麓

「おしえてください!」さんへ。考えが短絡すぎます。

下限値の求め方は、方法、機器その他により種々あります。いずれもが「試料に含まれる分析対象物の定量が可能な最低の量又は濃度(定量限界の定義)」を求める理論から出ています。上限値も検量線の直線性と誤差から決定されます。

このJIS 0102 45.2 は以下のように決定されたと思われます。

吸光光度計は、開発されてから約30年以上経過しています。その後、2波長型の開発、アナログからデジタルに、と変化がありましたが、測定原理は変わらない機器です。当初の吸光光度計は、アナログであり、直線目盛りの透過パーセント(T)と、対数目盛りの−log(T)両方の目盛りが刻まれており、T=100%が−log(T)=100とイコール、T=10%が−log(T)=1.0とイコールでした。

この当時の考え方(私の講習会でのメモ)は、吸光光度計の読取誤差をT=95%、−log(T)≒0.03と置き、これを検量線に代入して求めた濃度が定量下限値という考えでした。この吸光度を示す全窒素(JIS K 0102 45.2 紫外吸光光度法)の濃度が約4μg/25ml、安全を見込んで、定量範囲(検量線の濃度範囲)を「5〜50μg/25ml」とするとなります。

また、Reileyによれば、透過率(T)に対する誤差係数(E)は、1/T×ln(T)、すなわち0.4343×{I/I0×(logI/I0)}^(−1)であらわされます。この計算式によれば、E=10%の位置の透過率(T)=90%、−log(T)≒0.05が定量下限値となる。この吸光度を示す全窒素の濃度が約6μg/25ml、これを計算式に代入して0.29mg/L、切り上げて0.3mg/Lが定量下限値となるという考えもあります。

以上の定量下限値はセル長=10mmの考えです。吸光光度計の感度はセル長に比例します。セル長を100mmにすれば、定量範囲を「0.5〜5μg/ml」にすることも可能です。このように、理論を理解して、原理・原則に立って考えるように自らを訓練して下さい。

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