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環境Q&A

ベンゼン汚染土壌について最適な浄化&埋め戻し方法を教えてください 

登録日: 2007年02月19日 最終回答日:2007年02月20日 水・土壌環境 地下水/土壌汚染

No.21259 2007-02-19 04:27:33 土壌環境

弊社工場敷地内で油漏洩があり、土壌および地下水がベンゼンにより汚染されていることが判明しました。敷地内は比較的長期を見込んで、現在土壌・地下水浄化を実施中です。
一方で敷地に隣接した公園の一部でもベンゼンが検出されたため、こちらも土壌浄化&埋め戻しを計画しています。敷地外ですので短期間での浄化が求められています。
業者に相談する前に当方で調査し、以下の条件からホットソイル工法がよいのではと考えておりますが、いかがでしょうか。
・ベンゼン汚染土壌の浄化・埋め戻しが目的であること。
・浄化対象の土地が比較的広く浅いこと
・工期が2ヶ月と短いこと。
・ベンゼン濃度が最高約10mg/L程度の中程度の汚染であること。

このケースでホットソイル工法は適しているのか、ホットソイル工法を実施した場合、何か問題点はあるのか、このほか実際はどのような浄化方法が最適なのか、専門の方々のご意見を伺いたくお願い申し上げます。
なお、公園敷地の汚染状況および浄化期間等は以下の通りです。
工事内容:土壌浄化、埋め戻し
工期: 2ヶ月
浄化対象:VOC汚染土壌(ベンゼンのみ)
 ベンゼン:〜10mg/L →基準値以下(<0.01mg/L)まで低下させる
 油汚染、地下水汚染は認められない。
浄化対象深度:地表面〜3.5m
浄化面積:〜5200u
浄化量: 〜20000㎥
土質:砂土

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No.21288 【A-3】

Re:ベンゼン汚染土壌について最適な浄化&埋め戻し方法を教えてください

2007-02-20 15:34:32 ゼネコン担当者S

検討される順序としては、まず土壌ガス吸引が第一候補と思います。おそらく工期を優先されて候補から除外されたと思いますが、井戸ヘッダー部と配管を地中に収めてしまえば地上は公園として使用可能です。工事期間は一ヶ月もあればできるでしょう。プラント部は御社工場敷地に設置して配管だけをひっぱってくることも可能です。
おそらく汚染土を全量掘削して、ホットソイルか搬出して熱処理(道路会社やセメント工場)してもこの土量であれば5億円以上といったところでしょうが、前出の方法であれば設置時に1ヶ月公園を閉鎖して、撤去時に2週間閉鎖する必要がありますが、その数分の1から十分の1ぐらいの費用で解決できると思います。専門業者は自社技術しか売り込みませんので、ゼネコン数社プラス専門業者で競争させるのがもっとも経済的と思います。処理期間は半年から1年といった具合でしょうか。

回答に対するお礼・補足

ご回答、ご助言をいただき、有難うございます。

今回の土壌浄化対策につきましては、当初の考えが少々甘かったため、工法、工期ともに改めて見直すつもりです。見直しに際しましては、今回ご推奨いただいた土壌ガス吸引も有望な選択肢のひとつと考えるとともに、このコーナーでいただいたご助言を活かして行きたいと思っています。

今回の質問に専門の方々から複数のご回答を頂き、大変参考になりました。同時に、企業の環境担当者としてまだまだ勉強が足りないと痛感致しました。
ご回答くださった方々、またEICネット担当の方々、本当に有難うございました。

No.21282 【A-2】

かなり無理のある計画です

2007-02-20 13:04:50 くろ

土日祝日を考慮すると2ヶ月の作業日数は50日程度になりますが、掘削以外の工事も必要なので1日400m3の処理では実際に20,000m3は処理できません。

まず、3.5m掘削するためには、側壁が崩れてこないように土留め壁が必要となり、この工期を差し引くこととなります。
土留め壁は工事終了後に撤去するための工期も必要です。
地盤条件や地下水の高さにもよりますが、途中に梁がないと強度がもたない場合もあり、仕様によって工期が変わりますが、ザックリ前後合わせて10日ほどでしょうか。

浄化した土の品質保証をどう考えていますか?
土壌汚染対策法に基づくなら100m3毎に公定法による分析確認が必要です。
処理した翌日にサンプリングしたとして数日間、仮置きしておくヤードが必要です。
分析結果がアウトになることもあるので、ロス分も見込む必要があります。
万が一、仮置きヤードの下に汚染が拡散しないとも限らないので、仮置きヤードにには舗装等を施しておく必要もあります。
対象範囲とは別に処理ヤード、仮置きヤードが確保できますか?

こんな風に考えていくと、1日600m3〜800m3程度は処理していかないと2ヶ月に収まりませんが、この土量を掘削、埋戻しするための重機の台数が5,000m2程度の敷地内では身動きがとれなくなると考えられます。

現実的に処理可能な1日あたりの土量を求めて全体工期を見直すのが妥当ではないでしょうか。

それから、東京、大阪、名古屋などでは条例に係る規模ですが、その辺は大丈夫ですか、これらの自治体では拡散防止計画書を提出して戻ってくるまで間は作業できません。

なお、石灰を混合することで土壌のpHが変化して、現在は基準を満たしている他の物質(鉛など)が溶出してくる場合も在ります。

回答に対するお礼・補足

ご回答と詳細なご指摘をいただき、有難うございます。

>土日祝日を考慮すると2ヶ月の作業日数は50日程度になりますが、掘削以外の工事も必要なので1日400m3の処理では足りません。
>まず、3.5m掘削するためには、側壁が崩れてこないように土留め壁が必要となり、この工期を差し引くこととなります。
土留め壁は工事終了後に撤去するための工期も必要です。地盤条件や地下水の高さにもよりますが、途中に梁がないと強度がもたない場合もあり、仕様によって工期が変わりますが、ザックリ前後合わせて10日ほどでしょうか。
>対象範囲とは別に処理ヤード、仮置きヤードが確保できますか?

浄化後の処理ヤードは対象区画周辺の敷地がかなり広く、また仮置きヤードは隣接の弊社敷地内に確保できます。

>東京、大阪、名古屋などでは条例に係る規模ですが、その辺は大丈夫ですか。

調べたところこの点は大丈夫でした。

>石灰を混合することで土壌のpHが変化して、現在は基準を満たしている他の物質(鉛など)が溶出してくる場合も在ります。

石灰の混合による土質変化については事前に実験室レベルの試験が必要でしょうか。
いずれにしても石灰混合の影響調査、土留め工事、浄化後の土壌分析、終了後の撤去工事などを含めると、ご指摘の通り全体工期の見直しを考えなければならないことがわかってきました。


★A-1のKさんのご指摘とA-2のくろさんのご指摘をもとに業者に相談したところ、ホットソイル工法は浄化後に石灰が残留するため、公園敷地の浄化には不適という意見でした。
ということで、工期だけでなく、考えていた浄化法も振り出しに戻ってしまいました。
改めて仕切りなおしですが、Kさん、くろさんのご指摘に学び、さまざまな条件・状況を想定して計画立案を進めます。本当に有難うございました。

No.21272 【A-1】

Re:ベンゼン汚染土壌について最適な浄化&埋め戻し方法を教えてください

2007-02-20 07:31:49 K

>工期: 2ヶ月
>浄化対象:VOC汚染土壌(ベンゼンのみ)
> ベンゼン:〜10mg/L →基準値以下(<0.01mg/L)まで低下させる
>浄化対象深度:地表面〜3.5m
>浄化量: 〜20000㎥
>土質:砂土

対象物質がベンゼンですので、ホットソイル工法の選定はあながち間違いでもないと思います。
ただ、ホットソイル工法の場合、VOCを揮発させるのが目的ですので、現場内に密閉空間(建屋)を作り、その中で行うことが求められます。
(揮発したVOCを吸引し、活性炭で捕集します)
2ヶ月で20000m3を行おうとすると1日400m3程度は処理していかないと話になりませんよね。
掘削や埋戻しだけでしたら可能でしょうが、土壌とホットソイル材の混合に要する時間や、揮発させる時間を考えると結構大変かもしれません。
おそらく密閉空間(建屋)等の仮設費用が相当かかるでしょう。

ちなみに、ホットソイル工法というのは有機塩素化合物に対してのものですので、ベンゼンだけでしたら、普通のCaOで行っても特許には引っかからないそうです。
(ホットソイル材として購入するとCaOの2倍程度の価格になるとか)

回答に対するお礼・補足

早速ご回答いただき、有難うございます。

>対象物質がベンゼンですので、ホットソイル工法の選定はあながち間違いでもないと思います。
>ちなみに、ホットソイル工法というのは有機塩素化合物に対してのものですので、ベンゼンだけでしたら、普通のCaOで行っても特許には引っかからないそうです。
>(ホットソイル材として購入するとCaOの2倍程度の価格になるとか)

自身で調査した結果、ホットソイル工法が適しているのでは、と考えていましたが、この工法に関する記述の多くが「有機塩素化合物を対象とする」という内容でしたので、ベンゼンのみが対象の場合、もっと簡単な方法があるのでは、と思っていました。CaOだけでできるならば助かります。

>ホットソイル工法の場合、VOCを揮発させるのが目的ですので、現場内に密閉空間(建屋)を作り、その中で行うことが求められます。
>2ヶ月で20000m3を行おうとすると1日400m3程度は処理していかないと話になりませんよね。
>掘削や埋戻しだけでしたら可能でしょうが、土壌とホットソイル材の混合に要する時間や、揮発させる時間を考えると結構大変かもしれません。

工期2ヶ月は結構大変なのですね。
スケジューリングの際に作業工程を理解・整理して考えて行くようにします。

いただいた情報をもとに計画立案し、業者と話を進めたいと思います。
有用なご指摘、有難うございました。

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