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環境Q&A

全リン測定におけるpH調整について 

登録日: 2007年02月01日 最終回答日:2007年02月04日 水・土壌環境 水質汚濁

No.20868 2007-02-01 10:01:04 勉強中

水質の全リンをペルオキソ二硫酸カリウム分解法で測定しています。規格には、「試料のpHが5〜9にない場合は、まず40g/l水酸化ナトリウムもしくは(1+35)硫酸で中和させてから分解する」とありますが、このpH調整をする主な理由は何なのでしょうか?
試しに同一の試料のpHを4付近、7付近、10付近に調整し、分解をかけて測定してみましたが、pH4では値が高くなる傾向にあり、pH7、10では同程度でした。試料にはいろいろあり、試験回数も少ないので、まだまだはっきりしたことは言えないのですが、そのような文献があったら教えてください。よろしくお願いします。

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No.20939 【A-2】

Re:全リン測定におけるpH調整について

2007-02-04 15:00:47 筑波山麓

「勉強中」さんへ。私もよくあなたと同様な検討を良く行いました。検討で重要なことは、最初に、試験の工程のフローを書いて各工程の関連、重要性及び反応原理を考えることです。迂遠なようですが、実際の行動を起こしてから、誤り・無駄な試験に気づくことを考えればその必要性が分かってもらえるでしょう。

工程のフローはできれば自分で書くことをすすめます。初めて書くとき、又は書き方が分からないときは、ネットで調べると掲載されていることが多いので、それを参考にしながら自分で書いてください。工程のフローと原理ができてから、各工程の重要性を考えます。

ほとんどの原理及び反応式はネット上に掲載されておりますので探してください。検索方法は、今回「レス」さんが検索方法を紹介してくださったので参考にして下さい。

これらが、できたら実験のアウトラインを考えます。詳細な計画をたて、そのままに行う方がありますが、それは必要ありません。その理由は、よほどの天才でなければ、すべての試験結果を予想して計画をたてることができないからです。アウトラインに従って、試験を行い、試験が一つ終わるごとに結果をまとめ、アウトラインにかえって結果を考え、アウトラインの修正又は続行を繰りかえします(フィードバック)。場合によっては、アウトラインが180度変わることもありえます。

以上は、「勉強中」さんの今後の試験のために書きました。さて、本題に入ります。

今回、水質の全リン測定ですから、JIS K 0102 46.3 と考えます(どのような分析でも多くの分析方法があるので、質問をするときは明確に書いた方が良いです)。工程は、大きく「ペルオキソ二硫酸カリウム分解」と「リン酸イオン測定(モリブデン青吸光光度法)」の2つに分けられます。

「試しに同一の試料のpHを4付近、7付近、10付近に調整し………」への着目は良いのですが、pHは、「リン酸イオン測定(モリブデン青吸光光度法)」に大きく影響しますので(詳細はJISを参照すること)、「ペルオキソ二硫酸カリウム分解」へのpHの影響をみたことになりません。

もし、影響をみたいのであれば、「ペルオキソ二硫酸カリウム分解」後、pHを調整してから「リン酸イオン測定(モリブデン青吸光光度法)」を実施しなければ、あなたの目的のデータは得られません。1000文字の制約からここまで。

No.20901 【A-1】

Re:全リン測定におけるpH調整について

2007-02-03 00:12:59 EMBRYO

前処理については、ペルオキソ二硫酸カリウムを加えたあとのpHがどうなっているかを考えていろいろなサンプルを試してみると良いと思います。なぜ全窒素の前処理であるアルカリペルオキソで分解した試料をリンの測定に使用できないのか、など。
それから、モリブデン青吸光光度法はオルトリン酸態リンとシリカの両方に用いられる試験方法ですので、それぞれについて詳しく調べてみると良いと思います。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。窒素の場合は、アルカリ性で分解しておいて、紫外で吸光度を測定する際に、pHを2〜3に下げていますよね。やはり窒素とリンの測定ではpHが大きくものをいうのでしょうね。頑張って考えてみます。
モリブデン青吸光光度法がシリカの測定に使われているのを初めて知りました。こちらも調べてみます。
幅が広がってきて楽しいです。ありがとうございました。

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