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環境Q&A

排水基準 約10倍程度には希釈 の想定について 

登録日: 2006年11月03日 最終回答日:2006年11月14日 環境行政 法令/条例/条約

No.19195 2006-11-03 07:38:25 Numlock6

私は、メーカーの環境管理部門に配属されて半年の者です。
水質汚濁防止法 健康項目に係わる排水基準について調べています。

排水基準は、環境基準のおおむね10倍が一般的になっておりますが、この理由として「そこを流れる河川水等によって、排水口から一定の距離を経た公共用水域においては通常少なくとも約10倍程度には希釈されるであろうと想定された結果である。(※)」とあります。

この希釈の想定がなぜ「(5倍または30倍ではなく)少なくとも10倍」なのか? どのような方法で想定を行ったのか?
を調べたいのですが、どのような文献、文書を調べればいいのか分かりません。
調査の糸口、または、ズバリその回答をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。


※ 環境省ホームページ 中央環境審議会水環境部会 水生生物保全排水規制等専門委員会(第1回)H17.2.3 資料10 より。

総件数 8 件  page 1/1   

No.19326 【A-8】

排水基準と環境基準の関係

2006-11-14 02:00:02 参考になるかな

公害国会の議事録より排水基準と環境基準をキーワードに検索してみました。
たくさん議論されていたようです。

水質汚濁防止法案
http://kokkai.ndl.go.jp/

64 - 参 - 公害対策特別委員会 - 3号
昭和45年12月14日
160 ○政府委員の答弁
「健康項目につきましては、現在とっておりますのは、
環境基準の十倍値を排水基準といたしております。十倍
といいますのは、いわゆる川の流量等で申します希釈と
いう考え方では実はございません。川の流量ではござい
ませんで、海あるいは湖沼のことを考えていただきます
と、わかるかと思いますが、海や何かにぼとっと一滴落
とした、その場合に、直ちに落としたものが、濃度とし
ては約十分の一に薄められるということを念頭に置きま
して、現在十倍というものをとっておるわけでございま
す。実際的には、有毒物質を含みます数量というのは、
一般的には非常に流量が少のうございまして、排水量が
少のうございます。それですから、川などで申します場
合には、とうてい十倍程度の川の流量ではございませ
ん。何百倍という流量がございますが、一応ぽとっと落
としたときに約十倍に希釈されるということを念頭に置
いて、十倍ということにいたしておるわけでございま
す。・・・・」

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
過去の委員会の議事録をインターネット上で見ることができるとは知りませんでした。
国会図書館、環境省図書館にでも行ってみようかなと思っていたのですが、手間が省けました。
ありがとうございます。

No.19223 【A-7】

Re:排水基準 約10倍程度には希釈 の想定について

2006-11-07 09:11:03 マッシー・ナナ

うろ覚えなのですが、10倍希釈の根拠は、欧米(アメリカだったと思う)の排水基準の設定方法を準用したものであったと思います。河川水と工場排水は、水温や濃度の関係で簡単には混合しませんので、「通常少なくとも約10倍程度には希釈されるであろうと想定された結果である。」は、日本の中小河川の中には当てはまらないものもありそうと個人的には思います。たとえば、同じ規制項目を排出する工場が延々と並んでいる河川ではいつまでも水質環境基準を達成できません。こうした河川の工場排水口のすぐ下に水道取り入れ口や親水公園がある場合を想定すると、10倍希釈仮説は?と思います。でも特別な例は、上乗せ排水基準で対応すれば良いという法解釈かもしれません。しかしながら、排水基準と環境基準とは法的には別個だからといっても、環境基準より厳しい上乗せ基準は考えにくいです。まだ環境管理部門で半年ということなので、あまり10倍希釈に拘らないで環境基準を含め幅広く勉強しておくことが大切と思います。たとえば、「逐条解説水質汚濁防止法」は難しいでしょうが、手元に置いて偶には紐解いても損はないと思います。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
「アメリカの設定方法を準用」。
有力な情報ですね。
逐条解説は(今回のような)疑問が出るたびに、ページをめくって見るようにします。

No.19215 【A-6】

Re:排水基準 約10倍程度には希釈 の想定について

2006-11-06 09:39:54 きら

 きらです。

 あまり、参考にならないかもしれませんが、以前、このQ&Aの1152に「排水基準で、アンモニアを0.4倍する理由」についての、ご質問がありました。

 そこで、紹介されている中央環境審議会の議事録
http://www.env.go.jp/council/former/yousi08/y084-008a.html
に「0.4にするとか、0.3がよいのではとか、0.5ではどうか」といったことが議論されています。

 また、「硝酸性窒素による地下水汚染対策事例集」
平成16年7月 環境省環境管理局水環境部
http://www.env.go.jp/water/chikasui/no3_taisaku/
のp.257にも「0.4」にした理由が記載されています。


 今回の、ご質問も、これと同様に、どこかの議会で「(とりあえあず)10倍にしましょう」となったのではないでしょうかと思います。
 ※時間をかけて、ていねいに、議事録等を検索していけば、わかるかもしれませんね。

回答に対するお礼・補足

時間をかけてていねいに。
環境省の図書館か、国会図書館か・・・?
ご回答ありがとうございます。

No.19213 【A-5】

Re:排水基準 約10倍程度には希釈 の想定について

2006-11-05 21:08:59 EMBRYO

 比較的大きな工場では、自工場の排水量の把握とともに放流先河川の流量観測を行なっているところもあります。その上で放流先河川について放流口の上流と下流の水質を定期的に調査しています。
 生活項目については、環境基準を達成するために上乗せ基準を設けている自治体は多いですが、健康項目についてはどうなのでしょうか、健康項目の環境基準達成率は高いので上乗せは必要ないのでしょうかね。
 私は排水の規制はあくまで環境基準を達成するために必要なことだと思っています。だから、環境基準が達成できるのなら排水基準はいくつでもいいし、達成できないのなら上乗せもありうると、あと、業種による暫定基準があることは知っていますよね、これは、基準ばかり厳しくしてもフッ素やホウ素などのように処理技術が未熟であったり、コスト的に見合わない等の理由で基準の達成が不可能(と業界が主張している)からです。
 正直なところ10倍だろうと何倍だろうと「どうでもいい」ということですかね。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
自主的に河川の流量を把握しているところもあるんですね。
たしかに、排水基準は環境基準を達成するための1手段ですね。

No.19201 【A-4】

Re:排水基準 約10倍程度には希釈 の想定について

2006-11-04 08:50:34 レス

>>この希釈の想定がなぜ「(5倍または30倍ではなく)少なくとも10倍」なのか? どのような方法で想定を行ったのか?を調べたいのですが、どのような文献、文書を調べればいいのか分かりません。>>
>>調査の糸口、または、ズバリその回答をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。>>
>(知らなくても済みますし、知っても何の得もありませんが・・・)仕事の拠り所となっている数字の決定根拠を知ることは無駄ではないと思います。>
>
 興味本位の知りたいと言う御要望なので、答えの内容もあやふやな物ですが、話のネタもとにはなるでしょう。(余り信じないでください、結構いい加減な話ですから)
 私が若いころ、『オーダーが異なれば別物だ』とか『BODはオーダーしか信用できない』などと言う検査の評価が言われていました。原語はなんだか分かりませんが『桁(けた)』つまり十進法のけたが異なるとの意味で使われていました。
 つまり桁違いの意味です。
 逆に1/10異なると十進法ではけたが違ってきますよね。
 繰り返します『桁違い』なのです。
 『二つのものの差が大きすぎて比較にならない』
ほど差が有るわけです。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
10進法なら、桁が変わるのが10倍。
ここでも10ですね。
排出水量と公共用水域の水量の差は大きすぎて比較できない(ということでしょうか?)。ゆえに10倍。
このような考え方もありえますね。この視点には、まったく気がつきませんでした。

No.19200 【A-3】

Re:排水基準 約10倍程度には希釈 の想定について

2006-11-04 08:19:12 火鼠

>基準のことは,ジャイアンさんが言われている通りかもしれません。 一つ思うのに、分析の定量下限は、基準の1/10まで測れる方法を取りなさいというものがあります。(最近は1/100とかも言いますが)この辺も判断材料になるかもしれません。環境基準の1/10で,定量下限なら、すでに計量は,無理となりますから。もちろん生物影響から、決まったこととは、思いますが、定量下限以下までは,測れませんから。興味をお持ちなら、昔のソ連時代の環境基準を見つけてみると面白いかもしれません。とても、当時の技術では,測れない低濃度が、環境基準になっていた記憶があります。 
あと、『公害防止の技術と法規』はお持ちですか?公害防止管理者試験用の本ですが、概論を読むと面白いですよ。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
測定の分野でも1/10。ここでも10ですね。
また、「公害防止の技術と法規」のご示唆、ありがとうございました。ページをめくってみたら、拡散に関する項目がありました。見落としておりました。
参考文献も記載されているので、この辺から何かわかるかもしれません。調べてみます。

No.19198 【A-2】

Re:排水基準 約10倍程度には希釈 の想定について

2006-11-03 21:17:30 ジャイアン

常識的に考えて、理由なんてあるはずがありません。
単純に計算しやすいという程度のことでしょう。
ルールというのはそういうものです。
3回空振りすれば三振でアウトっていうルールで、どうして3回なの?って尋ねてるようなものでしょう。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
10倍はかなり単純化された数字だと思いますが・・・、数字の根拠も知りたいのですが、「計算しやすいから10倍」になったのならその経緯を確かめたいです。
疫学調査の「安全係数10倍」みたいなところから来ているのかもしれませんね。

No.19196 【A-1】

なんのために?

2006-11-03 20:19:24 意味ってあるの?

>水質汚濁防止法 健康項目に係わる排水基準について調べています。
>排水基準は、環境基準のおおむね10倍が一般的になっておりますが・・・・・


何のために調査しているのですか?
個人的な興味ですか? それならば判りますが。

一介の民間企業の環境管理部門の一社員が排水基準決定の根拠など調べてどうするのでしょう?
そんな知識が貴方の会社に必要とされているのでしょうか?

お国の決めた基準を守る以上のことを
企業体の環境管理部門があれこれ悩んでも
時間の無駄としか思えないのですが・・・

回答に対するお礼・補足

水質汚濁防止法の勉強を始めたのは仕事がきっかけですが、この質問は自分の勉強のためです。排水基準に対する理解をより深めようと思ったのです。
排出後の水がどの程度希釈されるかは、排出後の水流などによると思います。
もし地点によって10倍に希釈されない場合があるかもしれないのであれば、水域の環境を守るためにはより厳しい自主基準を設定することも必要ではないか?という疑問が生じ、→本当に10倍に希釈されているのだろうか?→10倍ってどうやって想定した数字なのだろうか?→この質問 となりました。
(知らなくても済みますし、知っても何の得もありませんが・・・)仕事の拠り所となっている数字の決定根拠を知ることは無駄ではないと思います。

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