一般財団法人環境イノベーション情報機構
漁港と藻場
登録日: 2006年10月09日 最終回答日:2006年10月11日 環境行政 環境基準
No.18869 2006-10-09 10:04:19 あっちん
現在、拡張計画のある漁港があります。
その拡張予定の場所には藻場が存在します。
行政による環境調査の結果、その藻場はミティゲーションが
ほとんど出来ないという結果が出てました。
説明会では市民から疑問の声が上がってました。
現在、藻場を復活させようという動きがあると聞きます。
そこで疑問が起きたのですが、藻場を保護するための環境基準というのは法律ではないのでしょうか?
知っている方がいれば教えて頂ければと思います。
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No.18889 【A-2】
Re:漁港と藻場
2006-10-11 14:57:26 環くん (
質問のケースが環境影響評価法(いわゆるアセス法)の対象事業であるのか、
それとも都道府県の条例アセスの事業なのか、
そもそもアセス法・条例に引っかからない規模なのか分かりませんので、
まずはアセスが必要な事業かどうかをお教え下さい。
アセス法・条例にひっかかる事業と仮定した上で答えるとすると、
暁を覚えずさんの回答通り、
「法律上の環境基準(=数値基準)」は「ありません」ということになります。
水質などの項目は「人体への影響」を主眼としておりますので、
「環境基準(数値基準)」という考え方も馴染みますが、
植物・動物などが対象の場合は、あまりに多種多様で、
「○個体(○ha)あればいい」なんて基準は作れませんから、
「影響はできるだけ少なくするように」というような表現に留まっているはずです。
例えば、環境影響評価法に関しては、
1.できるだけ影響しないようにする(回避)
2.回避できないなら影響を最低限にする(低減)
3.それでも低減できない影響は代償する
(どうしても事業対象地内では措置が不可能な場合は、
最後の手段として、別の場所(港の外など)に代替となる藻場を造成するというケースもあります)
という三段階でミティゲーション(代償措置)を考えよ、とが定められています。
これがある意味での(数値ではありませんが)「環境基準」ということになりましょうか。
余談ですが、環境影響評価のそもそもの役割は、
事業の影響をできるだけ最小限にするよう計画した上で、
(環境に対する影響がゼロという事業は物理的にあり得ないですから)
その影響度合い(つまり事業のマイナス面)と、
経済・社会的利益(事業のプラス面)とを比べ、
計画を実行してよいかどうか判断する、という手続きです。
これだけの基準をクリアすれば、どんな事業でも実施していい、
というようなものではありません。
こちらのページに藻場の代償措置の事例もあるので、ご参考まで。
環境影響評価支援ネットワーク
http://assess.eic.or.jp/index.html
No.18881 【A-1】
Re:漁港と藻場
2006-10-11 03:35:02 暁を覚えず (
>その藻場はミティゲーションがほとんど出来ない。
>説明会では市民から疑問の声。
>現在、藻場を復活させようという動きが。
>藻場を保護するための環境基準というのは法律ではないのでしょうか?
>環境基準という(のは:×)法律(で:×)はないのでしょうか?
↑:この表現でいいですか
法律の有無の質問ですので、「ありません」
でも、ただその言葉だけで終わっては・・自身のコケンに関わるので・・。
現在の藻場の生育状況、優占種の性質や生育環境、つまり海流や水質、水深などの変動状況、周辺の環境の調査および漁港拡張による経済効果を踏まえて、計画が定まったと思います。
ミティゲーションを行う場合は、前述を踏まえ事例などを参考に、水生植物などの専門家の意見を聞きながら、その地域環境にあった回避・低減・代償などが検討され、必要であれば、その場にあった保全対策が実施されますので、一律な“基準”は当然ながらありません。
質問地区や状況が不明ですので、これ以上コメントできません。
行政に対し、不明点・疑問点をまとめ、(テレビなどみられる行政ー市民の説明会での互い結論ありきは避け)感情的にならず すなおな質問をされたら教えてくれると思います。
大学の水生植物などの先生に事前に相談(お金がかかるかも?)するのもひとつの手段ですが、最初に藻場の生育条件や保全事例などの本やネットで調べることが・・・。
なお、環境基準という表現は、一度ご自身で検索してみてください。
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