一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

河川油流出事故での油処理剤の使用 

登録日: 2006年08月10日 最終回答日:2006年08月19日 水・土壌環境 水質汚濁

No.17895 2006-08-10 06:15:29 EMS担当者

河川への油流出事故において、油処理剤、油ゲル化剤の使用については、「水質事故対策技術2001年度版(国土交通省水質連絡会編)」によれば、その使用にあたっては、水域の生物等環境条件に十分配慮して使用するとなっています。
一方、メーカ−等のHPでは、処理剤は使用しない方がいいというような扱いすらしています。
「環境条件に十分配慮」という条件は非常に曖昧で、緊急 時のような場合には判断が困難になります。また、直接回収後に残ってしまうような薄い油膜等の処置では、逆に使わざるを得ないはずです。

教えていただきたいのは次の2点です。
@型式承認がされている、油処理剤、ゲル化剤の使用を何故 限定するのか?
A実際に実例として使った実績があれば教えていただきた  い。
              
                

総件数 2 件  page 1/1   

No.18002 【A-2】

Re:河川油流出事故での油処理剤の使用

2006-08-19 14:10:41 ロビーノ

他の回答者も居ないし、興味があったので少し調べました。

油処理剤が型式承認される契機となったのは、過去に油処理剤の毒性が問題となり
「流出油処理剤の使用基準について」(昭和48年2月2日運輸省官房長通達)
により、その使用基準について通達され、後に海防法により型式承認の仕組みが始まったようです。
https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1996/00573/contents/048.htm
https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1996/00573/contents/009.htm
この型式承認ついては、海防法上の枠内であり、工場等陸上での使用のお墨付きを
与えるものでは無いと解します。

一方、水濁法第十四条の二で、油について排出防止の応急措置云々・・とあり、
要するに「とにかく流すな!」です。
排出したものを薬剤で薄め、自然浄化に頼るのは水濁法の精神からして有りえません。
また、油処理剤が先行するとオイルマット等による直接回収が困難になり、
安易に頼ってほしくない事も推奨されない理由だと思います。

周辺住民から突き上げがあれば現場が使いたくなるのは当然だと思いますが、
使用については十分慎重になり、油膜の苦情については回収の努力をした後、
地元自治体の協力を得て説明を尽くすほうが良いと思います。

回答に対するお礼・補足

再度の回答、ありがとうございました。

No.17899 【A-1】

Re:河川油流出事故での油処理剤の使用

2006-08-10 22:57:51 ロビーノ

ほとんどの油処理剤やゲル化剤は、原理的に油分を乳化して水中に拡散しているものです。
油の流出事故ではオイルマット・オイルフェンスでトラップして、全量直接回収がベストの対応で、
直接回収を超える環境にやさしい油汚染対応はありません。
処理剤はそういう対応が出来ないほどの甚大な状況下でこそ有効であり、決して薄い油膜を
誤魔化すために使用するものではありません。
マットで吸着できないくらいの薄い油膜ならば放っておいても自然の力で分解されます。
環境配慮はもちろんですが、費用対効果を考えた利用が望ましいです。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
少し感想と補足をさせていただきますが、本来は誤魔化すという趣旨ではありません。油膜を第三者の目から見た場合に、何とかしてやりたいと考えるのが現場判断になり、処理剤の使用により外観上も違和感がなくなり、自然浄化が促進できるならば、使いたいと思うのではないでしょうか。でも、型式承認を受けた処理剤でも、「環境に十分配慮して使用する」というような条件になると、使えなくなるし、回答にあるような誤魔化して(公表しないで)使用するというようなことになりかねないのではないでしょうか。

総件数 2 件  page 1/1