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環境Q&A

溶存酸素の過飽和状態とは? 

登録日: 2006年07月27日 最終回答日:2006年07月28日 水・土壌環境 水質汚濁

No.17654 2006-07-27 10:11:20 まくら

水に溶解する酸素は、飽和酸素濃度が温度や圧力により決まっていますが、環境水等はしばしば、「過飽和状態」になることがあります。その「過飽和状態」とはいったいどのようなメカニズムで起こっているのでしょうか?
植物プランクトン等が光合成により二酸化炭素同化作用で酸素が発生する事は理解できます。その、発生した酸素は気中にすぐには放出されないのでしょうか?そもそも、「これ以上解けることができない」から「飽和状態」だと思うのですが、じゃあ、どうやって「過飽和状態」まで酸素が溶解するのでしょうか?
教えてください。

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No.17702 【A-2】

Re:溶存酸素の過飽和状態とは?

2006-07-28 21:04:18 化学専攻

>水に溶解する酸素は、飽和酸素濃度が温度や圧力により決まっています
↑これだけ知識があるなら答は簡単です。
大気の主成分は窒素で酸素は約1/5しか含まれておりません。従って普通にいわれている飽和酸素濃度とは酸素分圧が大気圧の約1/5である状態での飽和濃度です。
植物プランクトンは水中の植物ですから、プランクトンから光合成で生成するガス組成が大気と同じなら、水中でもいわゆる過飽和濃度となることはなかなかむつかしいと思いますが、光合成では窒素ガスを生成しませんので光合成により発生する酸素分圧は、湖沼の表層水中ではほぼ大気圧と同じと考えてよいと思います。したがって、大気中の飽和濃度の5倍程度までは水中溶存酸素濃度があってもその状態では過飽和とは言えません。過飽和とお考えになっているのはあくまでも大気組成を前提としています。
経験上は、ミクロキスティスによる水の華状態では水温30℃でDO25mg/l程度の湖沼水があったと記憶しています。
いわゆる飽和酸素濃度の4倍程度でした。
何らかの原因によって非平衡の状態が発生したのではなく、大気中と水中の気体組成が異なることによるみかけの非平衡状態であると理解しています。
経験上の考察なので間違っているかもしれませんが、ほかに説明のできる方がおられましたらレスお願いします。

回答に対するお礼・補足

お礼が遅くなり大変失礼いたしました。
勉強になりました。ありがとうございます。

No.17676 【A-1】

Re:溶存酸素の過飽和状態とは?

2006-07-27 18:32:25 にゃー

気体の液体に対する溶解度は、圧力が高いほど、温度が低いほど高くなります。おっしゃっておられるように「水温が低い状態で飽和状態まで酸素が溶解した水を温めると、その温度の溶解度まで酸素が放出され飽和溶解度以上になることはない」はずです。しかし、こういった平衡状態の移動は必ずしも単純ではありません。溶存酸素が気泡となって水から出るためには気泡という界面を作り出すための表面エネルギーを乗り越える必要があります。このエネルギーが加えられない状態で温度や圧力を変えると過飽和状態になることがあります。良く似た例として「過冷却」というのがあります。真水の凝固点は0℃ですが、ゆっくりと振動等の刺激を与えずに冷やすと−1℃になっても凍りません。

回答に対するお礼・補足

なるほど。なんとなく、そう簡単には、気化しないような気はしたのですが、よくわからなかったのです。
ありがとうございました。

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