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環境Q&A

硝化促進運転について 

登録日: 2006年06月07日 最終回答日:2006年06月10日 水・土壌環境 水質汚濁

No.16834 2006-06-07 11:58:12 いわこー

はじめまして、水処理新人のいわこーと申します。
初めて質問させていただきます。毎年春から夏にかけて硝化抑制から促進への切替に苦労します。硝化抑制と促進の切替時期を見極めるポイント、また上手く移行させる運転方法のコツなどありましたら教えて下さい。回答、宜しくお願いします。

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No.16906 【A-4】

Re:硝化促進運転について

2006-06-10 10:00:20 papa

マッシー・ナナさん早速のフォローありがとうございます。
ご指摘のポイントには全く同感です。ついでに少しだけつけ加えます。
1亜硝酸蓄積をクリアーする点ですが、1mg/l程度でも障害になる場合と10mg/l程度でも障害がない場合がありました。理由はわかりません。
2二沈でのりんの吐き出しは、二沈汚泥保持量過大あるは好気ゾーンの機能障害の大切な指標です。反応タンクのSV上澄水を濾過して酸化態窒素や溶解性りんのチェックをすることで池の機能をかなり正確に把握できます。酸化態窒素のチェックは下水試にある簡易法で十分です。(ICあればなお可)
揚水量が減少トレンドとなる時間帯では、返送量が比率制御で少なくなりますが、減少トレンド前にに流入した汚泥が二沈に残っていて界面を形成しやすくなります。減少トレンドとなる時間帯は返送率を上げるという操作が必要かもしれません。返送濃度計でチェックできます。
3電力費は上司の認識を水質優先に切り替えてもらうよう努力しましょう
4混合培養なので特定の指標生物をマークするより相変化と認識することは重要です。硝化細菌は独立栄養なので、溶解性BODがないことが増殖に有利となります。流入側の嫌気ゾーンで従属栄養細菌により有機物の摂取が十分行われ、りんの吐き出しが行われるような運転設定が必要です。二沈でりんを吐き出してしまうような運転設定では嫌気ゾーンの機能を十分に発揮させることができません。
硝化細菌は増殖が遅いので、解体でフロックが十分に形成されないと選択的に流失してしまいます。
土砂の流入は硝化細菌の担体を提供し、流失しにくい密度の大きいフロック形成ができます。規模の小さい処理場なら、流動焼却灰、パーライト、ベントナイトなどの無機質土砂類似物の添加もできますが、分流でも梅雨時期の土砂混入を期待する方法もあります。
マッシー・ナナさんになかったことを1点だけ
この時期は水温上昇により返流水のS-BODが上昇傾向になります。負荷が増えて硝化が進まないケースもあるので返流水のチェックもお忘れなく。

No.16892 【A-3】

Re:硝化促進運転について

2006-06-09 22:23:40 マッシー・ナナ

硝化抑制と促進の切替時期を見極めるポイントは、処理場ごとに異なります。が、紙面の許す範囲で硝化促進運転切り替え時に生じやすい現象を記載して、考え付く判定法を略記します。初期の現象1−亜硝酸等の蓄積による処理水質の低下、活性汚泥の解体現象、次の障害は、2ー脱窒による第二沈殿池での汚泥浮上、と、3ー曝気空気量の増加による消費電力量の増加です。さらに4-硝化細菌によるBOD値の上昇、5−活性汚泥中に障害微生物が優先する、などです。見極めのポイントです。1ーは日常管理で、一日に最も低負荷となる時間帯のエアタン各回路、及び処理水の亜硝酸イオン、硝酸イオンをチェックする。活性汚泥中には、亜硝酸数mg/Lでも活性が下がる細菌がいます。エアタン平均濃度7mg/L以上で活性汚泥全体が解体する場合もあります。また、処理施設によっては各回路の硝酸濃度を知ることで、硝酸化が可能か見極めが付く場合があります。2ーは、酸素消費速度Rrと処理水の亜硝酸、硝酸濃度、第二沈殿池の汚泥の滞留時間(SRTではありません)の実測値(一日に最も高負荷となる時間帯の)、SVなどで推定します。この延長線上で、処理水の燐濃度の上昇現象(第二沈殿池での燐の吐き出し)も場合により推定可能です。緊急対応として、汚泥が浮上したら空気量を変えず最終回路の空気弁を手動で閉めて最終回路のみDOを思い切って下げます。これを繰り返せばそのうち浮かなくなります。(繰り返しによる学習・・・ではなく、繰り返すうちに夏場になり、水温が上がり細菌が活性化する。フェーズが変わり脱窒能が下がる。)3の対策は管理者が絡むので、最も厄介です。4-BOD値の上昇は処理水中の硝化細菌数(場合によりSSで代用可)とアンモニアイオン濃度の関係やRrとATU-Rrから見極め、処理水の滅菌で対応します。5ーへの対応は微生物の知識が要ります。日常観察から生物データを積み上げてください。手前勝手ですが、以下のURLがお役に立てば幸いです。HPでは、硝化を硝化細菌単独でなく、活性汚泥細菌群全体の相(フェーズ)変化という観点から記載したつもりです。(捉え方が足りないかもしれません)。ただ、作り始めたのが33Kで通信していた頃のHPです。今となっては至らない点が多いです。機会があれば、内容とともに大幅改正したいと思います(本音は逆で、面倒なのでしません。)→http://www.geocities.jp/seibutu7/

No.16863 【A-2】

Re:硝化促進運転について

2006-06-08 19:00:23 ぶらり旅互助会

当方も築10年ほどでHRTも同じくらい、冬期の水温15℃前後ですが、年間通して硝化運転してます。
時々アンモニアが残ってN-BODで苦労してますが、よりよい水質目指して担当職員はがんばってます。
「ぶらり処理場の旅」道案内は下水道事業団研修センタ-の先生方にお尋ねください。

回答に対するお礼・補足

ご回答有難うございます。時間が許せば「遠くへ行きたい」です。あれ?目的が・・・

No.16843 【A-1】

Re:硝化促進運転について

2006-06-07 16:55:59 papa

設備内容が分からないので維持管理指針に書いてあるレベル以上の回答はむつかしいです。
負荷率の高い標準活性汚泥法の処理場でしたら年中行事みたいなもので、あちこちでやってますから、お近くの処理場へ直接お問い合わせいただくのが一番の近道です。
ここ10年くらいに供用開始した処理場や、改築更新が済んだ処理場では、反応タンクHRTが12時間程度確保できれば年間を通して硝化運転が可能ですから、切替えの必要がなくなります。
こういったネット上では細かい操作の回答はできないので、全国津々浦々の処理場の皆さんと機会ある毎に情報交換して、予算の許す限り直接訪ねてあるくことをお勧めします。経験上は、日処理量数万m3以上の処理場なら水処理の神様みたいな親切な人にめぐり会えることが多かったです。




回答に対するお礼・補足

早速のご回答有難うございました。そうですね、漠然とした質問で申し訳ありませんでした。当処理場の処理量は1日平均40000m3、反応タンクの容量は最大18300m3ですので、HRTは最長で約11時間とれる計算になります。ただ供用開始が12年前で、硝化に向かない構造だそうです。でも硝化させたい・・・。「ぶらり処理場の旅」に出て水処理の神様を探したいと思います。また質問の際は宜しくお願いします。

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