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環境Q&A

土壌汚染地域について 

登録日: 2006年05月23日 最終回答日:2006年05月24日 水・土壌環境 地下水/土壌汚染

No.16637 2006-05-23 09:23:33

土壌汚染地域に指定され、発がん性物質環境基準の5800倍がでたところの近所に家を建てる事になりました。うちが建てるところの検査の結果、基準内でのヒ素などが検出されました。基準内であるので土壌改良などは行わず、ベタ基礎で建てます。発がん性物質トリクロロエチレンは、揮発性有機化合物で土壌深部に浸透し、地下水脈で広範囲に通水・汚染の可能性も否定できないとされていますので、これから先水道水などは大丈夫なのでしょうか?
子供が通う学校も近隣にはありますが、地下水調査では基準を超える汚染物質が検出されていないとの事です。基準内でしたら健康に被害はないという事なのでしょうか?
よろしくお願い致します。

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No.16645 【A-2】

Re:土壌汚染地域について

2006-05-24 13:12:23 nino

>土壌汚染地域に指定され、発がん性物質環境基準の5800倍がでたところの近所に家を建てる事になりました。


指定区域として指定された後に、どのように措置を行ったかでリスクは変わってきます。
対象物質であるトリクロロエチレン(TCE)を分解もしくは除去することによって措置済みとなっているかどうかが重要です。
さらに、TCEの分解生成物であるジクロロメタンや、cis-1.2-ジクロロエチレン等の濃度も確認する必要があります。
また、措置後のモニタリングを複数個所の井戸で、3ヶ月以下の頻度で2年以上(計8回以上)実施しており、
その間環境基準を満足していたとなれば、措置は完了したと考えて良いかと思います。

>うちが建てるところの検査の結果、基準内でのヒ素などが検出されました。

第2種特定有害物質(重金属等)である砒素が基準を満足する値で確認されたとのこと。
重金属等の特徴として
・第一種特定有害物質と違い、表層から地下に拡散しにくい
・揮発しない
ということが挙げられます。
以前に建っていた事業場(?)が何を取り扱っていたかを確認する必要があります。
法律・条例に基づく調査を実施した場合は結果を自治体で保管されているはずなので、確認されてはいかがでしょうか?

>基準内であるので土壌改良などは行わず、ベタ基礎で建てます。発がん性物質トリクロロエチレンは、揮発性有機化合物で土壌深部に浸透し、地下水脈で広範囲に通水・汚染の可能性も否定できないとされていますので、これから先水道水などは大丈夫なのでしょうか?

水道水は井戸水を直接汲上げて蛇口に繋いでいる訳でないので大丈夫です。
自治体の水道局が水道基準(環境基準と別)の基準を守って配水しているはずなので大丈夫です。

>子供が通う学校も近隣にはありますが、地下水調査では基準を超える汚染物質が検出されていないとの事です。基準内でしたら健康に被害はないという事なのでしょうか?

近隣で有害物質を取り扱っている事業場がなければ、問題ないと思います。
事業場が存在していたとしても、適正な処理を行っていれば、問題ないと思います。

ちなみに環境基準のリスクの目安は、環境基準を超過した水を毎日2リットル70年間飲み続けた場合、それが原因で10万人に一人がガンになるリスクのことです。
濃度が高くなると、それだけ確率は上がります。

回答に対するお礼・補足

アドバイスを頂きありがとうございました。以前に建っていた事業場は薬品会社です。環境基準のリスクの目安は大変参考になりました。この度は本当にありがとうございました。

No.16640 【A-1】

Re:土壌汚染地域について

2006-05-24 08:05:05 K

基本的なことですが、基準には2種類あります。
「溶出量基準」と「含有量基準」です。
前者は有害物質が地下水に溶け出した後、その地下水を飲用することにより害を生じることを想定したものです。
後者は有害物質を含んだ土を直接体内に取り込むことにより害を生じることを想定したものです。(第二種特定有害物質のみの基準)
そのため、どの基準が超過しているかで対応の仕方も異なります。

さて、「地下水脈で広範囲に通水・汚染の可能性も否定できないとされていますので、これから先水道水などは大丈夫なのでしょうか?」ということですが、水道水は浄水場から水道管により供給されており、井戸水とは異なります。
そのため、汚染土壌から溶け出した有害物質が混入する可能性は非常に低いものと考えられます。

また、「基準内でしたら健康に被害はないという事なのでしょうか?」ということですが、まったくないかどうかは誰も断言できません。
あくまで健康被害の可能性は限りなく低いという表現しかできません。

喩えが不適切かもしれませんが、交通事故で被害に遭う確率やタバコによってガンになる確率の方が高いと思います。

回答に対するお礼・補足

大変参考になりました。わかりやすい喩えで回答頂き、少し安心しました。この度は本当にありがとうございました。

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