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環境Q&A

硝化抑制運転とは何か??? 

登録日: 2006年04月24日 最終回答日:2006年04月26日 水・土壌環境 水質汚濁

No.16251 2006-04-24 07:47:08 きびちゃん

 硝化抑制運転とはどういった運転方法であるのか教えてください。

 具体的にアンモニア性窒素をどの程度まで硝化を進めることでしょうか??

 エアレーションタンク出口にてアンモニア性窒素を半分ぐらい硝酸性窒素に硝化させることでしょうか?それとも、まったく硝化を抑えてしまって、大部分をアンモニア性窒素のまま放流させることでしょうか?

 また、硝化抑制運転を導入する際の注意点、また、硝化抑制運転を行うメリットなども教えてください。また、参考になるサイトなども教えていただけましたら幸いです。

 よろしくお願いします。

総件数 5 件  page 1/1   

No.16287 【A-5】

Re:硝化抑制運転とは何か???

2006-04-26 20:28:59 papa

>硝化抑制運転ではアンモニア性窒素のまま放流ということ。
お見込みのとうりです。

>硝化抑制運転とは、硝化を抑制するための運転≠ニ、いうことでは無く、硝化を抑制するような運転を行ったら得られるメリットなどのための運転≠ナ、あり、また、硝化自体は、進ませることにこしたことはない………という解釈でよろしいのでしょうか?
 そのように常識的に考えておりますが、考えの違う人もいます。運転思想といったものでしょうか。

>また、例えばアンモニア性窒素を、アンモニア性窒素と硝酸性窒素半々で硝化させるような運転は硝化を制御する運転ってことになるのですね。
そうではありません。それは中途半端運転というべきでしょう。既回答のとうりその状態を継続するとほぼ間違いなく処理障害となります。硝化の制御とは、抑制時には確実に抑制し、促進時には確実に促進することです。これを運転操作で切り替えられるようになると水質管理処理場勤務者のスキルとしては一応の水準に達していると職場で認められると思います。一歩一歩ですが、がんばってください。

回答に対するお礼・補足

 昨日今日と親身な回答を頂きホントにありがとうございます!

 大変よく理解できました。是非、回答を参考にさせていただき仕事に役立てます!ホントに感謝、感謝です。

No.16280 【A-4】

Re:硝化抑制運転とは何か???

2006-04-26 12:39:17 papa

>ほとんどアンモニア性窒素のまま放流してしまうという事になるのでしょうか?
汚泥として系外に除去されるものを除きそういうことになります。汚泥として除去されたり、なりゆきで脱窒する分を考慮すると硝化抑制では20〜40%程度の窒素除去率になると思います。
>明確な硝化抑制運転の指針というものは存在するのでしょうか?。
水質管理担当処理場勤務者の常識ですから、そういうものはないとおもいます。反応タンクのDO制御値で硝化を操作できると誤解されていることが多いのですが、基本はSRTと水温です。
同じ処理場でも水温の高い夏期には硝化促進、水温の低い冬期には硝化抑制を切り変えて運転しているところがけっこうあります。
>これは、処理水中の全窒素量の事でしょうか?
水処理では物質収支が非常に重要なので、窒素やりんのように溶存形態がかわるものはすべて元素換算とするのが普通です。モル表示と同趣旨と考えてください。

硝化の制御は標準活性汚泥法で設計された処理場運転では基本的な手法です。
浄化槽や小規模処理場のODなどでは硝化運転が基本ですので、こういった処理場で硝化の制御はできませんし、試みることも無駄です。

回答に対するお礼・補足

 papaさん、お世話になっております。

 では、硝化抑制運転ではアンモニア性窒素のまま放流ということになるのですね。

 硝化抑制運転とは、硝化を抑制するための運転≠ニ、いうことでは無く、硝化を抑制するような運転を行ったら得られるメリットなどのための運転≠ナ、あり、また、硝化自体は、進ませることにこしたことはない………という解釈でよろしいのでしょうか?

 また、例えばアンモニア性窒素を、アンモニア性窒素と硝酸性窒素半々で硝化させるような運転は硝化を制御する運転ってことになるのですね。

No.16274 【A-3】

Re:硝化抑制運転とは何か???

2006-04-25 22:31:32 papa

硝化促進運転についても回答したほうがわかりやすいので追加回答します。
硝化促進運転とは放流水のアンモニア性窒素をほぼゼロにするまで生物酸化を進める運転です。硝化によるpH低下を補うために脱窒を併用します。放流水中の窒素形態はほとんどが硝酸イオンであり、通常の場合は窒素含有量が10mg/lを超えることはまずありません。
この運転のメリットは
@放流水の窒素濃度が低く、窒素規制のあるところでは有利です。
A長いSRT、高い活性汚泥濃度で運転ができ、負荷変動対応が容易で、安定した処理性能が期待できます。
Bアンモニア酸化によるN-BOD対策が不要です。
C結合残留塩素生成が少ないので塩素注入量が減少します。
D水道水源が放流近傍にあっても、浄水の消毒副生物への影響が軽減されます。
デメリットは
@送気量が硝化抑制運転の2倍程度になります。
最初沈殿地と超微細気泡散気装置が設備されていれば、送気倍率4倍程度での運転が可能です。
A滞留時間12時間以上の反応タンクと返送率50%以上の返送汚泥ポンプが必要です。間欠ばっき、回分式にすれば返送汚泥ポンプの制約は小さくなりますが、反応タンクの容量はさらに大きな容量が必要になります。
B意図に反して硝化が中途半端に停止すると、汚泥解体や脱窒浮上などの処理障害が起こりやすくなります。
>参考になるサイトなど
「下水道維持管理指針」(社)日本下水道協会
http://www.jswa.jp/04_publication/01_tosho/gaiyou.html#iji
水処理担当としては、設備能力に余裕があれば環境負荷を低減するために硝化促進運転を行うべきであると考えています。

回答に対するお礼・補足

 続けての回答ありがとうございます!しかも前の回答を打っている間にこんなに詳しく…(>_<)

>放流水中の窒素形態はほとんどが硝酸イオンであり、

 なるほど、硝化促進運転では、ほとんど硝酸の形で放流するのですね。

>通常の場合は窒素含有量が10mg/lを超えることはまずありません。

 これは、処理水中の全窒素量の事でしょうか?

 維持管理指針は会社にあるのでもう一度熟読してみます。また、サイトも見てみたいと思います。

 ありがとうございました!

No.16273 【A-2】

Re:硝化抑制運転とは何か???

2006-04-25 22:05:14 papa

> 硝化抑制運転とはどういった運転方法
一般下水を対象に解説します。
流入水の窒素濃度はN換算30〜60mg/l程度で、ほとんどが有機性又はアンモニア性窒素です。処理水には有機性のものは少ないので、流入水の窒素成分をアンモニア性窒素のまま放流するような運転方法を硝化抑制運転といっています。しかし、厳密な制御はなかなかむつかしいのでわずかですが亜硝酸・硝酸イオンが含まれます。
> また、硝化抑制運転を導入する際の注意点、また、硝化抑制運転を行うメリットなども教えてください。
この運転のメリットは
@送気量が硝化促進運転の半分程度で運転できます。
最初沈殿地と超微細気泡散気装置が設備されていれば、送気倍率2倍以内での運転が可能です。極めて省エネです。
A容量の小さな反応タンクと返送汚泥ポンプでも運転が可能です。
B短いSRT、低い活性汚泥濃度で運転ができます。
デメリットは
@放流水の窒素規制のあるところでは残存窒素濃度が高く基準適合がむつかしいケースがあります。
Aアンモニア酸化によるN-BOD対策が必要です。
B結合残留塩素生成により塩素注入量が増加します。
C水道水源が放流近傍にあると、浄水の消毒副生物が多くなります。
D意図に反して硝化が中途半端に進行すると、汚泥解体や脱窒浮上などの処理障害が起こりやすくなります。

回答に対するお礼・補足

 回答ありがとうございます!

> 流入水の窒素成分をアンモニア性窒素のまま放流するような運転方法を硝化抑制運転といっています。しかし、厳密な制御はなかなかむつかしいのでわずかですが亜硝酸・硝酸イオンが含まれます。

 ということは、ほとんどアンモニア性窒素のまま放流してしまうという事になるのでしょうか?また、明確な硝化抑制運転の指針というものは存在するのでしょうか?(このように回答のお礼の中で2重に質問するのはNGでしたっけ?^^;)

 メリット、デメリットについてよく理解できました。ありがとうございました。

 

No.16270 【A-1】

Re:硝化抑制運転とは何か???

2006-04-25 19:15:42 aqua-play

> 硝化抑制運転とはどういった運転方法であるのか教>えてください。

硝化抑制運転と言った用語は特に無いと思います
単語の組み合わせかな

> 具体的にアンモニア性窒素をどの程度まで硝化を進>めることでしょうか??

その様な細かいことでなくて、ブロワーの省エネ運転
とか、pHが下がり過ぎない様に運転するといった意味で硝化抑制運転と言っているのだと思います

窒素の除去を目的とするなら「硝化脱窒運転」が普通
だと思います

詳しく知りたい場合はこのサイトの検索機能で
「硝化抑制運転」「硝化脱窒運転」などのキーワード
で探してみてください、サイトに無い場合は WWWでも検索できます。

回答に対するお礼・補足

 回答ありがとうございます!

 具体的に、どの程度までアンモニアを硝化させるかということでなく、まず、最初にブロワの省エネやpHを下がり過ぎないようにすると言った目的があるのですね。

 ありがとうございました。

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