一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

塩化物イオンによる影響 

登録日: 2006年04月21日 最終回答日:2006年04月22日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.16203 2006-04-21 11:30:34 ccc

塩化物イオンによるSUS304配管の腐食の影響について
教えていただけないでしょうか。

塩化物イオンの濃度と温度について腐食はどのような関係があるのか知りたいです。
また水と蒸気とでは影響はちがうのでしょうか。

よろしくお願いいたします。

総件数 2 件  page 1/1   

No.16225 【A-2】

Re:塩化物イオンによる影響

2006-04-22 19:14:10 筑波山麓

特定の会社の宣伝をするように受け取られると困るので、前置きが長くなります。昔、排水処理方法と排水測定値の関係を調査するために、多くの文献を収集したとき、栗田工業鰍フ「薬品ハンドブック」を直接交渉して入手しました。この本は大変分かりやすく、両者の関係だけでなく、その他の調査でも大変重宝しております。以下に説明しますが、腐食の詳細についてもっと知りたければ、この本を入手されることをお勧めします。
腐食の原理を冷却水中に浸漬している炭素鋼で説明すると、炭素鋼の表面状態とそれに接触している溶液の状態が不均一なことが原因となって、その表面に無数の微小面積の電位の低い部分(局部アノード)と電位の高い部分(局部カソード)が形成される。この局部電池のアノードではFe → Fe2++2e-の反応が、カソードでは、1/2O2+H2O+2e- → 2OH-(酸素還元反応)、2H++2e-→H2が進行する。冷却水は中性あるいは弱アルカリ性であり、H+イオン濃度が低いために、カソードで起こる主反応は上記の酸素還元反応となる。さらに、これらの反応に引き続いて次の反応が起こる。Fe2++2OH-→Fe(OH)2、2Fe(OH)2+1/2O2+H2O→2Fe(OH)2 or Fe2O3・3H2O、炭素鋼表面が酸素の溶存している水に接触している限り上記の一連の反応が進行します。
ステンレス鋼では、溶存酸素の存在で活性態から不動態に移行して、10〜30Å程度の安定な酸化皮膜が生成し、耐食性を示す。酸素の鋼表面への拡散を妨害する場所や環境に塩化物イオンのような皮膜を破壊するイオンが存在すると、局部的な腐食が発生します。
高温になるほど、ステンレス鋼表面にスケールなどの汚れが付着し、汚れの付着した下部やすき間部分では溶存酸素が十分に供給されないために、電位が下がり活性態に移行し、その部分がアノード、汚れの周辺部やすき間の下部がカソードとなって、孔食やすき間腐食が発生する。このような局部腐食の内部には、炭素鋼の場合と同様の機構で塩化物イオンが濃縮される。腐食生成物として塩化物などが生成すると、これらが加水分解して周辺のpHが1〜3程度に低下する。したがって、温度が高いほど、塩化物イオン濃度が高いほど腐食が進行しやすい。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございました。参考になりました。

No.16223 【A-1】

Re:塩化物イオンによる影響

2006-04-22 18:44:13 匿名

回答ではないですが
http://www.bekkoame.ne.jp/%7Efujiict/index.html

回答に対するお礼・補足

ありがとうございました。参考になりました。

総件数 2 件  page 1/1