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環境Q&A

アスベスト含有率測定の前処理について 

登録日: 2006年04月15日 最終回答日:2006年04月28日 大気環境 大気汚染

No.16119 2006-04-15 09:22:10 サプリ

最近建材製品中のアスベスト含有率測定方法ということでJIS A 1481が制定されましたが、ギ酸処理前後の残渣率が0.15以下のものについて適用、と書かれており、0.15以上あるものは0.15以下になるように溶解条件等を検討する、とあります。いくつか条件を変えてやっていますがなかなかうまくいきません。実際に試料が効率よく溶解する処理をされている方がいましたら、ご教示ください。

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No.16306 【A-2】

Re:アスベスト含有率測定の前処理について

2006-04-28 14:24:54 アミアントス

>最近建材製品中のアスベスト含有率測定方法ということでJIS A 1481が制定されましたが、ギ酸処理前後の残渣率が0.15以下のものについて適用、と書かれており、0.15以上あるものは0.15以下になるように溶解条件等を検討する、とあります。いくつか条件を変えてやっていますがなかなかうまくいきません。実際に試料が効率よく溶解する処理をされている方がいましたら、ご教示ください。

基本的に溶けないものは、とけませんよ。特に珪藻土や、タルクは、溶けないと思います。X線回折の場合、採取量を減らさないと出来ないと思います。JISでは、40mgまで直線性があると記載されておりますが、実際には10mg程度までしか直線性は無いと思います。実際にJISの参考文献のところの検量線も10mgがMaXになってると思います。多量に載った場合、Znの補正は効かないと思います。計算されてみると、多量に載せると補正係数がめちゃくちゃになるのがわかると思います。
10mg程度の捕集で、やられてみたらいかがですか。
あとは、標準添加の粉末法
量があり、石綿の位置にピークがあるのなら、粉末法で最初ピークをとり、もうひとつを1000度で加熱してから
ピークをとって差し引きをしたらいかがでしょうか?
クリソタイルなら700度程度でピークが消えますし、アモ、クロシドも1000度ならピークが消えます。

No.16151 【A-1】

Re:アスベスト含有率測定の前処理について

2006-04-17 22:59:17 筑波山麓

勉強の一環で、最新のホットな時事ニュースについて、このEICネットの質問をいつも見させていただき、知っていることがあれば回答しています。

今回のこのホットなアスベストの質問に関して、どなたか知っている方が回答してくださるのを楽しみに待っておりましたが、いまだに回答がないので、回答のきっかけとして、X線回析分析法の門外漢である私が、勉強を兼ねて回答させていただきます。誤っていましたら、および、追加することがありましたら、以前に石綿に関して回答していらっしゃる方々や石綿に詳しい方がご指摘してくだされば幸いです。

JIS A 1481「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」の1.適用範囲には、4行目「対象アスベストは、主にクリソタイル、アモサイト及びクロシドライトとする。主として、アスベストの含有率は5質量%以下に適用するものとし、…………」の「5質量%以下」は、アスベスト標準試料の検量線が0.1〜5.0mg、つまり100mgのM1試料に対して「0.1〜5%」の検量線の「5%」に対応します。

一方、9.3測定結果の算出に、「一つの分析試料中のアスベスト含有率Ci(%)含有率は、式(1)によって、アスベスト含有率C(%)は、式(2)により算出する。ただし、残渣率(M2/M1)が0.15以下について適用する」とあります。この残渣率での蟻酸による処理は、アスベストは強酸に溶解されるが、アルカリおよび弱酸には耐性があるので、弱酸である蟻酸によりアスベストを溶解することなく(多少変質する可能性がある)、妨害物質である炭酸カルシウムなどを取り除く操作です。

M1/M2が0.15以上ということは、「石綿+蟻酸で溶解されない物質」が15%以上あるということになります。ただし、これには、450±10℃×1時間以上電気炉で加熱しているので有機物は含まれません。

一方、対象アスベストは、主にクリソタイル、アモサイト及びクロシドライトの3物質ですから、各アスベストの回析角ピーク位置が相違しますから、各ピークごとに「0.1〜5%」の検量線をあて、これを合算すると15%、つまり0.15になるというわけです。

このように考えれば、「効率よく溶解する処理」=「アスベストそのものを溶解する危険性がある」と考えられますから、残渣率が0.15を大きく超えるものに対しては、ほかの方法を考えられた方が良いと愚考しますがどうでしょうか。

回答に対するお礼・補足

詳細なご回答ありがとうございます。

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