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環境Q&A

サルモネラ菌とチオ硫酸ナトリウムの関係について 

登録日: 2006年03月02日 最終回答日:2006年03月03日 自然環境 その他(自然環境)

No.15375 2006-03-02 08:39:57 たん

『サルモネラ菌の選択培地にはチオ硫酸ナトリウムが入っていて,サルモネラ菌はチオ硫酸ナトリウムを分解して硫化水素を発生し,硫化水素と培地中の鉄が反応してコロニ−が黒くなる』ということを読んだのですが,なぜサルモネラ菌はチオ硫酸ナトリウムを分解するのでしょうか?栄養にはならなそうだし,硫酸呼吸の一種なのでしょうか?調べてみたのですがみつけられませんでした.基本的質問で申し訳ありませんが,どなたか教えてください.

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No.15378 【A-1】

Re:サルモネラ菌とチオ硫酸ナトリウムの関係について

2006-03-03 01:05:47 みっちゃん

『サルモネラ菌』で検索すると約 95,100 件(まねしました)出てきますので幾つか読まれるともっと詳しい説明が探せます。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の解説に:サルモネラ属は、腸内細菌科(ブドウ糖を嫌気的に発酵する、芽胞を持たない、通性嫌気性のグラム陰性桿菌)に属する細菌であり、大きさは0.5×2µmぐらいの棒状で周毛性鞭毛を持ち運動性がある。サルモネラ属の細菌は乳糖を分解せず、またほとんどの菌株は『硫化水素を産生し』、リジンを脱炭酸し、クエン酸を炭素源として利用できる。・・・良くできた判りやすい解説ですので引用しておきます。

硫化水素を産生の部分がわかりにくいのだと思います。チオ硫酸ナトリウムだけでは硫化水素を産生しません。

含硫アミノ酸を利用して硫化水素を産生します。この産生された硫化水素は、クエン酸鉄アンモニウムと反応すると黒色の硫化鉄となります。培地にこの2つの化学物質を添加しておきますと、サルモネラ菌は黒色のコロニーを形成します。
シトロバクター等も硫化水素を産生しますが、酸を産生しますからPhが酸性になり、反応は進行しないので無色のままです。

又、リジンを培地に添加しておきますと、サルモネラ菌は脱炭酸し、アルカリ性のアミンを産生します。他の増殖可能なエンテロバクターやシトロバクター等は、乳糖および白糖の両者あるいはいずれかを分解して酸を産生しますからPhで変色する菌増殖に影響を与えない指示薬を入れておけば分離できます。

私の学生時代と比べると分類方法も変わり、遺伝子検出やエンテロトキシン遺伝子検出で菌種や病原性の強さを直接検出する方法もありますが、検便の一次スクリーニングや選択培養に現在も広く使われております。

回答に対するお礼・補足

詳しい回答ありがとうございます。少しヒントがつかめたきがします。

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