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環境Q&A

堆肥化過程でのメタンガス発生量 

登録日: 2003年01月12日 最終回答日:2003年01月15日 ごみ・リサイクル ごみ処理

No.1522 2003-01-12 16:50:06 肉まん

堆肥化過程で発生するCO2量については、君山銀針さんの回答等で
わかったのですが、温室効果ガスとされるメタンガスの排出量については、どうなのでしょうか?ここ十年で企業や家庭から出る食品廃棄物(生ゴミ)の堆肥化が増えてきているように思われます。堆肥化により発生されるメタンガスの割合は少なくても、絶対量でみると、無視できないのではないかと思ってしまうのですが・・・。どなたか教えていただけませんでしょうか?

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No.1540 【A-2】

Re:堆肥化過程でのメタンガス発生量

2003-01-15 13:18:23 ちしゃ

近いデータとしては
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/santeiho/index.html
温室効果ガス排出量算定方法に関する検討結果

平成14年度温室効果ガス排出量算定方法検討会廃棄物分科会報告書
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/santeiho/h1408/haikibutsu.pdf

(1) 管理処分場からの排出(食物くず)(6.A.1.)CH4
    焼却されずに埋め立てられた食物くずの分解に伴い排出されるメタンの量。
    平成12年度の排出係数は142.1(kgCH4/t)

(2) 管理処分場からの排出(紙くず又は繊維くず)(6.A.1.)CH4
   焼却されずに埋め立てられた紙くず又は繊維くずの分解に伴い排出されるメタンの量。
   平成12年度の排出係数は、140(kgCH4/t)

(3) 管理処分場からの排出(木くず)(6.A.1.)CH4
   焼却されずに埋め立てられた木くずの分解に伴い排出されるメタンの量。
   平成12年度の排出係数は、140(kgCH4/t)
があります。

参考までに、一般廃棄物に含まれるプラスチック類の焼却に伴い排出される二酸化炭素の平成12年度排出係数は、2,680(kgCO2/t)ですが、メタンの温暖化係数(温室効果)が二酸化炭素の21倍
http://www.jvia.gr.jp/kankyou/law/ondanka.html
http://www.city.yokohama.jp/me/cplan/epb/kanshi/worda/ch4.htm ですので、140×21=2940と考えると温室効果は同じ程度ということになりますね。


なお
http://www.eic.or.jp/QA/bbs02.php3?serial=386&sch_serial=399#399
http://www.eic.or.jp/QA/bbs02.php3?serial=1211&sch_serial=1231#1231
で書いた回答にありますように、

「一般廃棄物・産業廃棄物での焼却分のうち、生ごみや紙くず等のバイオマス起源の廃棄物の焼却に伴う二酸化炭素の排出は、植物により大気中から吸収され除去された二酸化炭素が再び大気中に排出されるものであるため、1996年改訂IPCCガイドラインに基づき、排出量には含めないとされており、排出係数がない(排出係数0扱い)」ということになっています。

回答に対するお礼・補足

詳しく確かな情報をご提供いただきありがとうございました。とても役に立ちます!それにしても、食物くず、紙くず、木くずともに埋め立ての排出係数がほとんど同じということには少しびっくりです(食物くずが圧倒的に高いと思っていたので・・・)。プラスチック焼却による温室効果とバイオマス起源の埋め立てにより発生するメタンの温室効果がほぼ同じということにも驚かされました。ありがとうございました。

No.1538 【A-1】

Re:堆肥化過程でのメタンガス発生量

2003-01-15 10:44:51 LP

文献等によりますと温室効果ガスに分類されるもののうち,炭酸ガスが6割,メタンが2割です。

メタンは炭酸ガスの約10倍の温室効果があるとされています。

人間の活動によってメタンが自然界で増加する理由は,水田耕作と畜産業によるもので,水田は湖沼と同じように有機物が腐敗分解するためメタンが発生し,畜産では腸内ガスや糞尿の分解によって発生します。
メタン増加の原因はこの2点が大きく,生ごみ処理以前の問題と言われています。
更に,メタンは通常大気に放出されると大気中に存在する水酸基と結合して温室効果のないものへと変化しますが,炭酸ガスの増加による一酸化炭素の増加により,より結合力の高い一酸化炭素が水酸基と結合してしまうため,このメタン減少が阻害され,大気中への蓄積に拍車がかかっています。

生ごみの処理方法による炭酸ガス放出は炭素換算でコンポスト化が焼却処理の10%程度に収まります。(ダイオキシン発生を抑えるためのガス化溶融炉や二次燃焼させる方式だと焼却方式はもっと多くの炭酸ガスを排出するのかもしれません。)
メタンも発生させますが,コンポスト処理施設でのメタン回収がうまくなされるのであれば,コンポスト処理にアドバンテージがあります。

以上,様々な要因が輻輳しておりますが,生ごみを焼却してメタン発生を抑えたとしても,耕作や畜産によって大量のメタンが発生し,化石燃料の消費によって発生する一酸化炭素がメタン吸収を阻害されているのであれば,(地球温暖化防止目的でコンポスト化生ごみ処理を回避することに)あまり意味はないのかなと思います。

回答に対するお礼・補足

コンポスト化による発生源よりも水田耕作と畜産業の発生源の抑制対策が大事だということ。また一酸化炭素の減少が地球温暖化に貢献することを知ることができました。ありがとうございました。

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