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環境Q&A

融雪剤として尿素を散布した時の環境中の挙動 

登録日: 2006年02月24日 最終回答日:2006年03月01日 水・土壌環境 水質汚濁

No.15160 2006-02-24 05:02:51 釈迦

融雪剤として尿素を多量に散布した時の、尿素の挙動について教えてください。

尿素が水環境に排出される際、それ自体に規制はありませんが、雪が溶け出したり、雨によって水に溶けて流れ出すと窒素濃度が高くなると想像できます。その時、窒素における尿素(NH2)2COの形態はどのようになっているのでしょうか?

尿素が溶けた水の全窒素の定量分析を総和法でおこなった場合、尿素の濃度はどこに反映されるのでしょう。有機態窒素?アンモニア態窒素?亜硝酸・硝酸態窒素?(排水基準がキーになると思って列挙しました)
水に溶けてすぐにアンモニア性窒素あるいはアンモニアになるものなのでしょうか。それとも、水に溶けただけでは分解はしないのでしょうか。あるいは、揮発してなくなったりするんですかね?
当然、酸素の供給状態や温度が絡んでくるとは思うのですが・・・。

具体的な案件としましては、冬期間に100トン以上の尿素を散布し、散布した場所の雨水排水等は全て調整池に流れ込む構造になっています。その調整池からの水は周辺の環境にどのような影響を与えるのかが問題になります。しかも、調整池から農業用水路に流しているのです。
いろいろ書きましたが、最終的には、「融雪のために必要だから尿素を散布するけど、それをそのままにしていいの?(理由含めて)」ということと、「散布した尿素はどんなカタチで、どこへ行くの?」ということを知りたいのです。
ご存知の方がおりましたらよろしくお願いいたします。

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No.15347 【A-4】

Re:融雪剤として尿素を散布した時の環境中の挙動

2006-03-01 19:47:00 匿名

釈迦さんどうもすみません。ご質問があることに気がつきませんでご返事が遅れました。(^_^;)
>有機態窒素:50
アンモニア態窒素:31
亜硝酸・硝酸態窒素:19
【尿素:195】【(NH2)2CO-N:91】>

に関してですが実験誤差に関してはいかがお考えでしょうか?
他の検体に関してケルダール分解全窒素と尿素換算の窒素の相関係数はいかがでしょう?
又、尿素投入前の水の窒素分は常に一定と考えて良いのでしょうか?
棄却検定での判断はいかがでしょうか?
過去の検査数値(何れの窒素でも良い)と比較して通常観測されている変動の範囲の中に入っていますか?
尿素195は他の尿素量と比較してどの当のクラスですか?
尿素だけをケルダール分解して窒素を計量した場合の数値と計算上の窒素量の繰り返し試験を行った場合の相関係数及び繰り返し誤差はどうなると思いますか?
系外からの混入は考えられませんか?

とまあ、思うままあげましたが単純に検討すべき内容だけでも相当あります。
一つ一つ地道につぶしていくしか方法はありません。
一度手をつけたからには頑張らないよう、腐らずに地道に前へ進むしかありません。
又判らないことありましたら目に止まるようQ新規に興してください。

回答に対するお礼・補足

たくさんの疑問点ありがとうございます。
私だけでは考えつかないような多くの要素がありますね。ひとつひとつ探ってみようと思います。
取り急ぎお礼申し上げます。
また何かありましたら、改めて質問させていただきます。

No.15268 【A-3】

Re:融雪剤として尿素を散布した時の環境中の挙動

2006-02-27 08:42:48 ちん

とある自治体の者ですが、管内で尿素による地下水の硝酸性(亜硝酸性)窒素の汚染が深刻化しています。

使用する以上、地下浸透しないように、なんていうことは無理だと思いますので、対策のしようがないと思いますが、そのことも考えて使用する必要があります。
汚染が起きてしまえば、必ず使用制限が入ります。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
尿素による地下水汚染は十分考えられますね。今は眠っていてもいずれ目を覚ます問題であると認識しています。
やはり、酢酸系の融雪剤が有効なんですかね。しかし、尿素と比較すると高価だと言う声が・・・。

No.15171 【A-2】

Re:融雪剤として尿素を散布した時の環境中の挙動

2006-02-24 22:33:15 匿名

>アンモニア態窒素への分解速度はどの程度でしょう。微生物の存在によるとは思いますが、結構早く分解されるものなのか、それともゆっくり時間がかかるものなのか。>
>窒素の定量と同時に尿素の定量(衛生試験法 日本薬学会編)もやってみようと思うのですが、効果はあるものでしょうか?>

 尿素の定量是非行ってください。(データ量少ないです)
 土壌中、水圏内、アンモニア態・硝酸態・亜硝酸態窒素の挙動はそれこそ腐るほど論文が出ております。
 決して無意味というわけでなく条件により変わるのと栄養塩類として重要な構成要素なので当然研究する人も多いからです。
 一般的に分解速度に影響を与えるのは、濃度、菌種、共存物質、温度です。あまり濃度が高くてもだめですし、生産されるアンモニア以下の物質の濃度があまり高くなるとそれらの生物毒性が影響を与える場合もあります。
 菌種はその持っている酵素により分解できる物質の選択に大きな影響が有ります。
 又、リン酸や微量元素が影響を与える場合もありますので出来たらそのあたりも確認しておく方がよいと思います。
 何れにせよ、フィールドであっても、実験系の模擬的系でも尿素の挙動に関して十分に検討された物質収支モデルを示すことが出来たら博論にも十分な良いものが出来ると思いますので是非がんばってください。

回答に対するお礼・補足

返事が遅くなり申し訳ありません。
回答ありがとうございます。分解に与える影響は様々あるので、難しいですね。1つ1つ探ってみるのもテではありますが、いかんせん時間が・・・。しかし、貴重な御意見ありがとうございます。
実は、全窒素と尿素の定量をやってみました。
その結果、どうも納得いかないというか、説明し難い結果になったものがありました。重ねて御意見頂いてもよろしいでしょうか?
いくつかの実験データの1つです。生データを載せられないので、便宜上、全窒素濃度を100としてその他を全窒素に対する割合で記載します。
結果@ 
全窒素:100
有機態窒素:50
アンモニア態窒素:31
亜硝酸・硝酸態窒素:19
【尿素:195】
【(NH2)2CO-N:91】←尿素態窒素(この言葉は都合上)
窒素は総和法で行いました。結果@の尿素の値が納得いかないのです。尿素の窒素分は約90になります。しかし、その値はたとえ分解が進んでも、有機態とアンモニア態の合計値より高くなることはないのではないかと思うのです。間違ってますかね。
ちなみに、他のデータはこのように逆転する結果にはなりませんでした。このひとつだけです。
不足なことがありましたら、追って付け加えます。
よろしくお願いします。

No.15165 【A-1】

Re:融雪剤として尿素を散布した時の環境中の挙動

2006-02-24 18:07:27 匿名

>尿素が溶けた水の全窒素の定量分析を総和法でおこなった場合、尿素の濃度はどこに反映されるのでしょう。>

 尿素はケルダール分解を受けるので有機態窒素に反映されます。但し総和法による全窒素の計量は古い考え方でニトロ、ニトロソ、アゾ複素環式化合物等の難分解性の窒素が多い場合には差が大きいです。

>水に溶けてすぐにアンモニア性窒素あるいはアンモニアになるものなのでしょうか。それとも、水に溶けただけでは分解はしないのでしょうか。あるいは、揮発してなくなったりするんですかね?>

 物質は揮発してもなくなったりしません。移動するだけです。
 尿素は常識的な範囲では揮発しません(0ではありませんが)尿素は殆どが微生物の働きによりアンモニア態窒素になります。
 アンモニア態窒素は揮発したり、微生物の硝化作用により硝酸態窒素になります。
 硝酸態窒素は植物に吸収利用されタンパクになったり、揮発したり、微生物の脱窒作用により亜硝酸態窒素を経て窒素になります。
 逆に窒素が微生物により固定され硝酸態窒素になる場合もあります。
 当然水中、地中、大気中、温度、等によりその系は変動します。

>融雪のために必要だから尿素を散布するけど、それをそのままにしていいの?(理由含めて)」ということと、「散布した尿素はどんなカタチで、どこへ行くの?」ということを知りたいのです。>

 富栄養化の原因の一つであることは間違い有りませんが、1000字以内で説明できる内容ではありません。
細かい挙動を含めると優に百科事典を超える量の論文が有ります。以下に参考になる一部をあげておきますが『窒素 挙動』等のキーワードにより検索されると読み切れないほどヒットします。
http://www.affrc.go.jp/seika/data_inada/h06/inada94010.html
http://www.geo.ris.ac.jp/~orc/happyou/pdf/P2-04.pdf
http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BA30/labo/report/no5/2004_66.pdf
http://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/OpenHouse/2/2-2.html

回答に対するお礼・補足

早速の回答ありがとうございます。
微生物による分解がなければ、有機態窒素になるのですね。ちなみに、アンモニア態窒素への分解速度はどの程度でしょう。微生物の存在によるとは思いますが、結構早く分解されるものなのか、それともゆっくり時間がかかるものなのか。
窒素の定量と同時に尿素の定量(衛生試験法 日本薬学会編)もやってみようと思うのですが、効果はあるものでしょうか?
次から次へと質問ばかりでスミマセン。

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