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環境Q&A

放流水質の分析について 

登録日: 2006年02月01日 最終回答日:2006年05月03日 ごみ・リサイクル ごみ処理

No.14480 2006-02-01 09:19:08 tomo

廃棄物処理施設での放流水質の分析についてお聞きします。
 重金属等の分析で、シアンやアルキル水銀など、基準が「検出されないこと」となっているものもありますが、これは「定められた測定方法により測定した場合において、その結果が当該方法の定量限界を下回ること。」と理解しています。
 分析結果を外部に情報提供する場合、「検出されないこと」を0、全く含まれていないと解釈され、もめることがあります。
「検出されないこと」と言う表現はとても紛らわしいと思うのですが、なぜこういう表現にしているか、また、外部に対して実際どう説明しているか、どういう説明が適当か教えてください。よろしくお願いします。

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No.16360 【A-7】

Re:放流水質の分析について

2006-05-03 22:34:18 とるえん

私の会社では、アルキル水銀等の場合は、0.0005未満=「検出されないこと」というのが暗黙の了解となっており顧客から要求されたときのみ「検出されないこと」と表記して証明書を発行しております。

ちなみに環境省監修の産業廃棄物分析の本には総水銀0.0005未満の場合は測定しなくてよいという表記があったはずです。

> 重金属等の分析で、シアンやアルキル水銀など、基準が「検出されないこと」となっているものもありますが、これは「定められた測定方法により測定した場合において、その結果が当該方法の定量限界を下回ること。」と理解しています。

アルキル水銀に関しては由来は少々特殊なようです。
日本環境測定分析協会の古い本ではアルキル水銀はECD法と薄層クロマト原子吸光法の両方とも検出された以外は「検出されないこと」とするという考え方があったそうです。
例えばECD法でアルキル水銀が検出されたとしても薄層法で検出されなければ不検出となるそうです。
(うろ覚えですみません。昔に教えてもらったものなので。)

その話しをきいたときに、産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法の法律では2種類ある化合物には「・・・又は・・・」となっているのにも関わらずアルキル水銀だけ「環告59号付表2及び環告64号付表3」と「及び」という一見変な表記になっているのはその時の名残なのかも知れませんね。
(その話しを聞くまで誤字だと思ってましたが)

環境省や日環協に問い合わせてみたら面白い答えが聞けるかも知れませんね。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございました。参考になりました。

No.14552 【A-6】

Re:放流水質の分析について

2006-02-04 08:20:38 岐阜県 / なびす

<Aー2.の追記>
1.先の回答時、関連する記述がどこにあったか忘れていましたが、思い出しました。少々旧いものですが、下記文献を参考にしてください。
@ぶんせき、1993年、10号(P833)
Aぶんせき、1995年、11号(P928)
後者には”「検出されないこと」は、分析化学の定義と行政の定義が異なっており、定義の統一や整合性をとる必要があると思います。”という記述があります。
2.先の回答で「定量下限以下であること」は「定量下限未満であること」に訂正します。

回答に対するお礼・補足

さらに詳しく調べていただきありがとうございます。
紹介いただいた文献調べてみます。

No.14547 【A-5】

Re:放流水質の分析について

2006-02-04 00:05:24 きら

きらです。

1.過去に、このQ&Aで同様の質問がありました。
「No.560 不検出(定量限界)について」

 ・ご指摘の「定量下限値未満であるのに検出されていない」という紛らわしい表現についても説明があります。


2.外部に対しての説明でもめるとのことですが、当社では土木業者から依頼されたセメントの溶出試験(六価クロム)の結果報告で、同様のことが多々ありました。
 電話でいくら説明しても理解してもらえない場合が多く、相手先まで出向いて話をしたこともあります。
 このような経緯から、 一般の方向けに「検出限界・定量下限・有効桁数・測定誤差」についてA4版2枚にまとめたものを用意し、問い合わせがあるとFAX・メールで送るようにしています。

以上、ご参考までに

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
さっそくNo.560で確認しました。今後は過去のQ&Aを十分検索するようにします。
また、一般の方向けの説明書、分析依頼先で準備してもらえるか頼んでみます。

No.14538 【A-4】

Re:放流水質の分析について

2006-02-03 17:07:23 なんちゃって計量士

少々表現として気になることが前回の回答にあったので補足しておきます。

水質汚濁防止法、下水道法とか水道法における分析は公定法と呼ばれる手順に従った場合の話です。公定法の場合には手法による分析結果がある意味で評価されており標準的に行った場合の再現可能(統計的に評価可能)な最低値が定量限界です。
公定法によらない微量分析は色々有りますが手技により精度が安定しなかったり、機器が余りにも特殊すぎて比較できないことが多々有ります。そのような方法による検査結果を法令の取り締まり基準に使用すると訴訟に耐えられない場合も生起して判断する基準がなくなってしまうので公定法を採用するわけです。
ですから、分析方法が改良されたり、分析機器が改良されると定量下限が下がってくるのです。
大体、『存在すると思いますけどはっきりとは断言できません』等という報告書を提出したらどうなると思います。

回答に対するお礼・補足

さらに詳しく説明していただきありがとうございました。

No.14518 【A-3】

Re:放流水質の分析について

2006-02-02 17:12:08 ぴかちゃん

具体的な説明方法や言葉の意味などについては先のお二方か詳しく述べておられるので、私の会社の報告書の記述方法を参考までに。

私の会社では、定量下限未満の場合は、「検出せず」と計量証明書に表記しています。
(これは、アルキル水銀などの基準値が「検出されないこと」となっているためです。その方がお客さんが安心することが多いので)
その上で、特記事項の欄に「検出せずとは定量下限未満の値のことです」と注意書きを入れています。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
おっしゃる通り、「検出されないこと」に対しては「検出せず」がわかりやすいし、トラブルにもならないと思います。

No.14506 【A-2】

Re:放流水質の分析について

2006-02-02 09:57:22 岐阜県 / なびす

>「検出されないこと」と言う表現はとても紛らわしいと思うのですが・・・

ご質問に対し、多少的外れなところがありますが、私も「検出されないこと」という表現はおかしい、「定量されないこと」又は「定量下限以下であること」とすべきだと考えて、調べたことがあります。即ち、分析化学では「検出」と「定量」を分けて考え、「定量下限」>「検出下限」と記憶しています。このような概念から言うと、「検出されないこと」を説明するには、「検出」を「定量」に置き換えて説明をすべきであり、私はそのようにしております。
このサイトでも、「定量下限」又は「検出下限」という言葉が多くでてきますが、「定量下限」=「検出下限」と読み取れる表現があるように思います。

>なぜこういう表現にしているか・・・
分かりません。法律を定めるには多くの識者が絡んでいるはずですが。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
「検出」と「定量」の概念わかりました。
同じように疑問に思っている方がいてうれしいです。

No.14486 【A-1】

Re:放流水質の分析について

2006-02-01 14:07:25 なんちゃって計量士

ND又は検出限界以下(検出されず)と表記しています。
環境省の統計では検出限界値を使用して平均値等の算出をしています。
実際は含まれていても測定方法の精度が悪いので判らないだけですと説明しています。
現に測定法が開発されて私が計量士になった当初と比べると相当精度も検出限界も下がっております。今後精度が上がればより小さい値になっていくと思いますし、公定法でなければ現在でも相当な微量を計測する手段が有りますので計ろうと思えば計れると思います。
比喩でいえば『一番小さい目盛りより小さいので計れないだけ』がお勧めと思います。

回答に対するお礼・補足

さっそくご回答いただきありがとうございます。
参考になりました。

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