濁度試験法〜検量線の作成頻度について
登録日: 2005年08月17日 最終回答日:2005年09月12日 水・土壌環境 水質汚濁
No.11984 2005-08-17 10:47:08 みっちー
環境関係は初心者なのですが、
このたび特定施設の排水試験立ち上げを担当することになりました。
濁度はJIS K0101に基づき積分球を用いて測定する方法を
導入しようとテスト分析を行っております。
標準品はカオリン(濁度;1000度)を用い、希釈して検量線を作成しました。
(ポリスチレンは高価なので…)
そこで質問なのですが、濁度の検量線はどのくらいの頻度で
作成すべきものなのでしょうか?
また、濁度の標準原液を希釈した溶液(検量線の点数あります)は
どのくらいの期間使用できるものでしょう?
(⇒冷蔵保存で1ヶ月とか)
分光光度計のランプがそれほど急激に劣化するとも考え難いので、
例えば『月に1度』くらいで運用できればいいなと考えているのですが、
これは危険な考えでしょうか?
検量線用の希釈液が長期間保存可能なのであれば都度分析も可能ですが、
分析のたびに濁度標準液を作成することは運用上難しいので
(毎日分析を行う考えです)悩んでいます。
一般的にはどのように運用されているのか
よろしければ教えて下さい。
総件数 7 件 page 1/1
No.12314 【A-7】
Re:濁度試験法〜検量線の作成頻度について
2005-09-12 13:38:43 ちびた (
回答に対するお礼・補足
ご回答有難うございます。
カオリン標準液のばらつきが大きいことは知っていましたが、
データの比較ができなくなるほどなのですか…。
吸光光度計(HITA○HI)点検時にこられたサービスマンに濁度計測について聞いてみたところ、
「標準液はカオリンを使ってるところが多い」ということだったのでカオリンを採用したのですが。
「ホルマジンとかポリスチレンのがいいのでしょうか?」と
具体的に聞いてみたのですけれどね。
No.12076 【A-6】
Re:濁度試験法〜検量線の作成頻度について
2005-08-24 20:08:04 きら (
このところカミナリが多く、パソコンをコンセントから抜いていたので、連絡が遅れてしまいました。
「精度管理の書籍」についてですが、まず始めに高校レベルの統計の基礎が必要となります。
正規分布・平均値・偏差・標準偏差・変動係数は重用です。
とくに、正規分布・標準偏差が何を意味するのか?
それと、σ、2σ、3σを正規分布図に示せることができれば十分です。
精度管理のことは、一般的な公定法(JIS、上水試験方法、河川水質試験方法、下水道水質試験方法等)にも記載されています。
初心者向けとしては、社団法人 日本環境測定分析協会から「環境分析における不確かさの評価に関する報告書(平成17年5月)」というものが出されています。
実例も記載されていて、わかりやすいです。
最近、出された物なので、まだ在庫があるかもしれません。
また、使用している分光光度計のメーカーに問い合わせてみるという方法もあります。
メーカーによっては、技術レポート等を無料で送ってくれたり、ホームページからダウンロードできるものもあります。
以上、ご参考までに。
回答に対するお礼・補足
お返事が遅くなりましたが、親切なご回答をいつも有難うございます。
古いものですが事業所に上水試験法があるので精度管理について勉強することにします。
報告書についてもHPから調べてみることにします。
様々な情報をありがとうございます。
No.12064 【A-5】
Re:濁度試験法〜検量線の作成頻度について
2005-08-24 09:51:58 水質分析初心者 (
お礼欄から投稿ができないのでこちらから失礼します。
その後検索語を変えて再検索した結果、No.6196のQ&Aに行き着きました。
こちらで詳解されていた書籍をあたってみたいと思います。
検出限界以外のことについても載っていそうですので。
しかし『計量証明事業所』の方とは驚きました。
まさに専門職ですね。
No.12010 【A-4】
Re:濁度試験法〜検量線の作成頻度について
2005-08-18 22:03:07 きら (
すでに、「どの程度、精度管理したいのかが重要」と結論が出されていますが、次の点も留意した方が良いと思います。
1,標準品の保管方法に注意してください。
カオリンに限らず、分析に使用する試薬類は、開封すると徐々に劣化していきます。
空気(酸素・窒素)との接触、水分の蒸発、光(紫外線等)、気温、湿度、気圧・・・・・。
特に、カオリンは経日変化によって沈殿・固形化することがあります。
※試薬類は購入日、開封日、作成(調整日)をビンまたはノート類への記入を忘れずに。
2,分光光度計の管理
もし、リアルタイムで吸光度をチェック・記録できるのであれば、測定時間帯を想定し、ノイズをチェックしてください。
・昔の分光光度計は、スイッチをONにした後、ランプが暖まり、装置が安定するまで○○分というのがありました。
・他の装置(電気機器類)とコンセントを供用していると、電圧が変化することがあります。
電圧が変化 → ランプの明るさが変化
3,検量線
測定サンプルは、測定誤差を考慮して2〜3回測定(n=2)または5回程度測定し、平均値、変動係数、標準偏差等を求めるのが一般的です。
同様に、検量線用の標準にも測定誤差があります。
検量線用の標準を複数回測定してみてください。
追記
精度管理の書籍については、このQ&Aで過去に何回か話題になっています。
分析精度、測定精度、定量下限、検出限界等で検索してみてください。
基本的には、統計の3σ(シグマ)を理解することです。
以上、ご参考までに。
回答に対するお礼・補足
親切なご回答有難うございます。
「どの程度精度管理したいのかが重要」とのことですが、
正直私には「どの程度求められるのか」を考えるだけの知識がありません。
こちらに相談する以前のレベルだと分かりました。
過去のQ&Aについて検索してみましたが、皆さん大変高いレベルで精度管理されていることが分かりました。
ウチでは、濁度くらいならよいのですが、CODなどになってくると
n=2〜5で分析するのは否現実的です。(還流が一度に4つしかできないので)
色々と考えて見ます。
それと、こちらのQ&Aを見てみましたが、精度管理の書籍については見つけられませんでした。
もしよろしければもう少しヒントを頂けませんでしょうか?
No.12000 【A-3】
Re:濁度試験法〜検量線の作成頻度について
2005-08-18 11:04:29 環境 (
回答に対するお礼・補足
ご返答有難うございます。
精度管理に関しては全く不勉強でお恥ずかしい限りです。
私どもの事業所でも、一応『JIS○○に準じて分析を行った』と結果報告していますが、
その“やり方”は個人個人で異なります。
こういう部分が『ノウハウ』だとして、抱え込んでいるような方もいらっしゃいます。
勿論、傍で見ていて「あの人の分析値は信用ならない」と内心思うような方もいらっしゃいますし。
このあたりの『JIS等の文面にはない、個人差(ばらつき)が出る操作』を
規定するものが「SOP」なのですね。
この『行間』を埋めることを考えると暗澹たる気分になります。
精度については個人的には気をつけてやっている’つもり’
ではありますが、この根拠となりますと…。
一から検証していく他にはなさそうです。
お聞きしたいことはまだまだ沢山ありますが、
ISO9001について少し勉強してから出直してきます。
【追記】
精度管理に関しては種種の書籍が出版されていますが、
もし初歩向けでお勧めの本などありましたら教えていただけますか?
我ながらずうずうしいお願いだとは思いますが、
とっつきにくい本が多くて…。
No.11993 【A-2】
Re:濁度試験法〜検量線の作成頻度について
2005-08-17 18:51:26 BATA (
ただ、みっちーさんがどの程度精度で濁度の試験をされるかで「何もそこまで言わなくても」という判断もありだと思います。
排水の日常管理であって、計量証明が必要でないものであれば、1ヵ月に1度の検量線作成でも問題ないかと思います。
ただし、「排水基準を超過している」といった問題のある状況のときは、改めて検量線(標準液)を作り直すのは当然、必要です。
その他に、毎回同じ濁度のもの(たとえば、検量線の中央付近の標準液)を調製して、その指示値や分析結果の変動で精度を管理するなど、自社内の日常管理レベルであれば、可能ではないでしょうか?
回答に対するお礼・補足
優しいお言葉ありがとうございます。
私の質問の仕方が悪く伝えられていませんでしたが、
分析目的はBATAさんが仰るように「排水の日常管理」です。
このたび事業所の排水の水質を定期的に検査することになりました。
水質汚濁防止法で規定されている項目は「COD 20以下」と「大腸菌 1000個/mL以下」のみなのですが、
自主規格として色度,濁度を分析しようと考えています。
BATAさんに教えていただいた「精度確認用標準液の日常分析」も検討してみたいと思います。
こちらの掲示板へ書き込んで自分の至らなさを痛感いたしました。
精度管理や試験法についてまたご質問させていただく事もあろうかと思いますが、
その際は宜しくお願い致します。
No.11989 【A-1】
Re:濁度試験法〜検量線の作成頻度について
2005-08-17 15:46:08 環境 (
誰がやっても期待した同じ答えを得るための基本となる考え方を成文化することです。もう一つ、「バリデーション」と言う言葉はご存知でしょうか?このバリデーションの時系列的にDQ→IQ→OQ→PQ→MQと順序を追って試験をして何時でも、誰でも、正しい値を得るための手法です。要は、こんなことは知らないとしても御社の分析精度や信頼性を社外にアピールするのなら面倒、複雑、頻度を少なくしたいなどと泣き言は言わないことです。JISの分析手法通りに実施し、その得られる値の信頼性を維持あるいは、高めるためにはそれなりの努力が必要であると私は考えています。
回答に対するお礼・補足
ご回答有難うございます。
仰ることは至極ごもっともで反省することしきりです。
『月に1度』は言い過ぎでした。
何故このようなことを言ったかというと、最近導入したGC解析ソフトの説明会でそういう話(検量線は月1作成であとはそれを用いて自動解析という運用例)を聞いたからです。
GCで可能なら分光光度計でも或いは、と。
ご回答いただいた内容について加えて1点質問なのですが、
「SOP」(標準操作手順書)には『作成した標準溶液の使用期限』等も記載するものなのですか?
ご指摘の通り私はISOには縁がありませんが、JISを参照にお話をさせて下さい。
例えばJISでは【試薬】【装置】【器具】や【操作】の項がありますね。
K0101濁度試験法では【試薬】で濁度標準原液(1000度)の調製法が定められ、
【操作】でそれを希釈して検量線を作成する とあります。
【試薬】の項、濁度標準原液はどの程度の期間使用できるかや保存方法についての記述はありません。
特に記述がなければ『使い切るまで』使用できると考えていいものでしょうか?
今回質問した濁度分析に関わらず、こういった「調製した試薬(標準液を含む)の使用期限」
については悩むことが多く、追加質問させていただきました。
分析に従事されている方に一度聞いてみたいと思っていました。
長文失礼致しましたが、よろしくお願いします。
総件数 7 件 page 1/1