一般財団法人環境イノベーション情報機構
寒天平板法とMPN法の違いについて
登録日: 2005年07月21日 最終回答日:2005年07月27日 自然環境 その他(自然環境)
No.11591 2005-07-21 01:26:40 大学3年生
実験で食品中の生菌数を寒天平板法とMPN法で求めました。平板の方はコロニーの数×10^希釈倍数×摂取量の計算法で求め、MPN法では表を見て算出しました。この結果、同じ食品から測定したにもかかわらず平板法とMPN法で得られた数値に差が見られました。平板の方がやや多めに出たのですが、これはなぜですか?
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No.11670 【A-3】
Re:寒天平板法とMPN法の違いについて
2005-07-27 10:38:35 かずのり (
1)培地成分の違い。菌によって栄養要求性に違いがあるので、特定の成分の有無により発育状態が変わります。また、低栄養の培地のほうが発育がよい菌もあります。
2) 酸素要求性による違い。平板法は当然、好気性菌および通性嫌気性菌が発育しますが、液体培養では培地底部で好気性菌が発育しずらかったり、嫌気性菌が発育したりします。
3) 試料からの成分の持ち込み。かなり高倍率に希釈した場合には影響しませんが、低倍率の希釈では試料自体の成分の影響により、発育が阻害/促進されることがあります。平板法の場合、接種量:培地量が1:15〜20位、MPN法の場合1:9のことが多いでしょう。
4) 混釈固化での平板法では、溶融した寒天培地の熱により、菌が活性化される場合があります。勿論熱すぎる培地を用いると、菌が死んでしまうこともありますが(^_^;)
No.11647 【A-2】
Re:寒天平板法とMPN法の違いについて
2005-07-26 11:04:19 オフィス (
最も言いたい事は、「平板法とMPNは、測定方法も測定の対象も全く違うものなので、同じ値にならなくて当然、比べること自体あまり意味がないです。」ということです。
過去にこんなのもありました。
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=922
他にも「大腸菌」で過去のQ&Aを検索するだけでもいろいろでてきます。
参考になると思います。
No.11617 【A-1】
Re:寒天平板法とMPN法の違いについて
2005-07-23 10:54:51 オフィス (
排水や環境水等の大腸菌の測定をしている者です。
食品は専門外なので、静観していたのですが・・。
少し前のQ&Aで、
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=10847
この時のきらさんの回答を勝手に拝借して、
「それは、一般細菌・大腸菌は、正確な測定結果がだしにくい(極論すると出せない、出す意味がない)ということです。
なぜかというと、菌類は、有害物質の様に水中で均一に分散していないことにあります。
水溶液の場合は、原則として濃度はどこも一定で変化しないとされています。
1000mL中に1000個の菌が存在していると仮定します。
均一に分散していれば、1mLをペトリ皿に取ると1個の菌が存在することになりますが、均一に分散していないため、1mLのペトリ皿に0個の時もあれば、数個や数十個、数百個となる事も予想されます。
従って、2個のペトリ皿で、どちらも0個/mLであっても、結果は100%、0個/mLとはいいきれないということも憶えておいて下さい。」
これを理解してないと、MPN法の意味もわかりにくいですよね。イオンのように均一なら、5本のうち何本かだけ検出なんて考えられませんし。
>MPN法では表を見て算出しました。
平板が試料中の菌を直接数えるのに対して、MPN法は、結果から元の試料中の大腸菌を統計的に推測する・・・と解釈しています。
やや多め、が、どのくらいの差なのかわかりませんが、上の2点を考慮して、再考されてみては・・。
>平板の方がやや多めに出たのですが、
・・・・たまたま・・・でしょうか?
回答に対するお礼・補足
返事が遅くなってしまいました。
確かに菌は水中では均一ではないですよね。菌を培養する際にきちんと菌の入っていた液を混ぜなかったのが原因かもしれません。
参考になりました。ありがとうございます!
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