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環境Q&A

海水と淡水の境界線 

登録日: 2005年06月08日 最終回答日:2005年06月13日 水・土壌環境 水質汚濁

No.10866 2005-06-08 11:21:43 環境初心者

法規や資料に載っているかもしれませんが、海水と淡水の境界線は、どのように定められているのでしょうか?
これから土木の基礎工事を行う予定なのですが、地下水の塩化物イオン濃度が高い値(4000ppm程度)を示しています。そのため、この地下水を希釈した上で近くの河川に放流する予定です。排水に関する法律としては、水質汚濁防止法が存在しますが、この法律には塩化物イオン濃度に関する規定が無いように思えます。しかし、土木工事による排水ということから、周辺の環境影響を考慮した排水基準が必要と考えています。
現在河川管理者と協議中ですが、その中で表記境界値を把握する上で、話を進めていきたいと考えていますので、どうかよろしくお願いいたします。

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No.10944 【A-2】

Re:海水と淡水の境界線

2005-06-13 10:34:24 東京都 / ちしゃ

過去に似た質問があります

Q.漬物工場の排水について
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=3791

Q.河川に放流する塩濃度について
http://www.eic.or.jp/QA/bbs02.php3?serial=1084 

なお上記の情報では
海水の流入と区別がつけにくいなどの理由で、
塩濃度については特に基準が設定されていないようですが、
上記からリンクされている
横浜市のFAQ「下水処理に影響を与える塩分濃度は?」
(URLが
http://www.city.yokohama.jp/me/kankyou/faq/mizu/syori/005.html
変更になっているようです)
の回答では塩化物イオン濃度で1000mg/リットル以上になると
下水に流した場合でも下水処理場の活性汚泥に影響があるとの情報があります。

ご質問にもありますが、実際には一定の影響があると考えられそうですので
河川担当部署にご相談した上で方針を決定されたほうがよいのではないかと
思います。

ところで、塩分濃度が高い場所では工事完成後にもいろいろと問題がありそうですね。

塩害による鉄筋腐食 についての情報をみつけました。
http://www.con-pro.net/readings/mystory/

回答に対するお礼・補足

過去に類似の質問がありありましたね。ありがとうございました。
しかし、仰るとおり排水が塩水系であるのはかなり厄介です。河川管理者さんもナカナカ“うん”とは言ってくれませんし・・・捨てる場所は他にないだろうか?という感じです。
鉄筋腐食については、コンクリートがしっかりしていれば問題ないでしょう。防波堤等の海洋構造物もありますし。それよりも、建設重機や配水管等の方が心配です。

No.10921 【A-1】

Re:海水と淡水の境界線

2005-06-11 01:58:05 無鉄砲

http://www2.arajo.ktr.mlit.go.jp/yogo/aiueo/e.html
塩分遡上 (えんぶんそじょう)
 河川の河口付近での現象で、一般に海水は河川水(淡水)よりも比重が大きいために河川水の下に入り込むが、潮が満ちてくると海水がくさび状に遡上してくる。(このくさびを「塩水くさび」という)塩分遡上現象は、塩水と淡水との混合の状態により、強混合、緩混合、弱混合の3つの混合形態に分類される。実際の河川では、河床勾配、河床形態、河川流量、潮汐の状態等により混合の特性が大きく変わってくる。
強混合…淡水、塩水が完全に混合した状態であり、移流・拡散によって塩水の遡上、後退が行われる。
弱混合…いわゆる「塩水くさび」の生起する状態であり、濃度の違いから塩水は淡水の下に潜り込むようにして遡上する。
緩混合…強混合と弱混合との中間的な遡上形態のこと。

http://www.asahi-net.or.jp/~xa8m-adc/sinpou2002.02.27.6sjis.html
水塊の動き平易に解説
高安克己編・「汽水域の科学」講師グループ著
「汽水域の科学-中海・宍道湖を例として」
 中海・宍道湖は、網走湖、小川原湖あるいは浜名湖などと同じように海水と淡水とが混じり合う湖で、汽水湖と呼ばれている。汽水湖では毎日、潮の干満により水が出入りしているが、海水は密度が大きいため河川水の下に潜り込むように流れ込み、2層構造となっている。汽水湖の塩分濃度、すなわち河川水と海水の混じり具合は、大潮・小潮などの潮位変化のもと、河川からの流入水量、湖の地形・水深、あるいは水温などにより左右される。………………汽水湖では、表層の河川水と下層の海水は、密度の相違から強固な2層構造となっており、容易には混合しない。しかし、強い風が一方向から吹き続けると、水面下でも大きな水塊の動きが生じ、表面近くの水が風下に流され、下層にあった塩分濃度の高い水塊が風上側に流れて水面近くに押し上げられる。………(江角比出郎・環境省環境カウンセラー、島根県大社町中荒木)たたら書房、2500円。2002年2月27日(水)山陰中央新報P11より

お勧め文献:http://www.mlit.go.jp/river/kankyou/kisuiiki/pdf/print.pdf

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。参考文献を拝読させていただきます。チョット文量がありますので、時間を要してしまいそうですが・・・
塩水くさび等については既知でした。排水が塩水と受け取られてしまい、それが環境に影響を与える、という判断をされてしまうと、脱塩装置を設けなければなりません。放流予定箇所は、河口付近で塩分遡上が生じている箇所ではありますが、河川は河川ですので排水の塩分濃度をどの程度まで落とせば、河川管理者はYESと言うか、アタリを押さえておきたいということからの質問でした。本文献を参考にさせていただきます。ありがとうございました。

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