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環境Q&A

ハワイのごみ処理 

登録日: 2002年07月13日 最終回答日:2002年07月15日 ごみ・リサイクル ごみ処理

No.936 2002-07-13 18:43:30 ハワイ好き

ただ今ごみの処理問題に興味があります。
ハワイを例にとると、処理せず埋めている現状です。
外国で現在日本で行っているような技術を導入し、ごみ処理工場をつくることは可能でしょうか?
技術導入以前に、対外的に処理しなくてはいけない問題などあるのでしょうか?素人的な質問ですが、ご存知のかたはお知らせ下さい。

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No.938 【A-1】

Re:ハワイのごみ処理

2002-07-14 17:52:08 新潟県 / やまねこ

やまねこと申します。私もほぼ素人ですが、
他の方が補足して下さる前に、基本的なことをお話ししなす。

>技術導入以前に、対外的に処理しなくてはいけない問題などあるのでしょうか?

まず、ハワイは日本国内ではありません。ごみ処理を含めて、あらゆる政策を決定するのは、アメリカ合衆国のハワイ州政府か、州内の自治体になると思います。
ハワイから見て外国に当たる日本人がどう思ったとしても、先方の決定なくして技術供与を行うことはできません。これは政府機関でも同じです。

>ハワイを例にとると、処理せず埋めている現状です。
>外国で現在日本で行っているような技術を導入し、ごみ処理工場をつくることは可能でしょうか?

私の住んでいる地域では、可燃性のごみは焼却処理となっています。地方ではほとんどがそうだと思いますが、逆に大都市圏では、焼却施設が建設できない等の理由で、埋め立て処分をしていると聞いております。

焼却炉は、確かに日本メーカーの技術力は高いと言えます。しかし、最近では排出ガスに含まれる有害物質に対する世論も年々厳しくなっており、法令に準じたメーカーの基準でもまだ不十分だという声も一部にあります。
環境保護団体『グリーンピース・ジャパン』では、ごみの焼却処理そのものに反対しており、焼却炉メーカーに対しても、外国への焼却炉製品の輸出を止めるよう意見を出しています。
(グリーンピース・ジャパンHP 有害物質)
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/toxics

あと、ハワイ(アメリカ)で普及率が高いのが、ディスポーザー(生ゴミ粉砕機)です。これはキッチンで出る生ゴミを、排水口に入れると、ミキサーのように粉々にして、水と一緒に下水処理場まで流れていくもので、快適で生ゴミを出さずにすむのでごみの減量ができますが、下水処理場の負担はかなり増えます。日本の処理場はディスポーザーの使用を考慮に入れていないので、現時点では、ご自宅で装置をつけられることはお勧めしません。

ハワイ好きさんが、ハワイの自然環境を心配しておられるのは良く分かりますが、今のところ、ごみ処理技術で、これが決定打というものはないように感じます。その中で、どれがより良い選択なのか、それはハワイの人々が決めることでしょう。

No.940 【A-2】

Re:ハワイのごみ処理

2002-07-15 17:35:56 LP

やまねこさんのご意見に補足して・・。

ごみ処理=焼却というのはグローバルスタンダードではなく,日本人のごみ処理の歴史と深くかかわりがあります。

開国前までは,廃棄物は糞尿からかまどの灰まで有価物であり徹底的にリサイクルされていたといっても過言ではありません。
それが明治以降の近代化によって大量生産大量消費へと突き進み,高エネルギー生活をすれば廃棄物もおのずと多くでるようになり,廃棄物の再商品化という作業は費用対効果が高くないので次第にごみはごみとしてのみ扱われるようになり,そのごみの処理がうまくなされないために明治40年には伝染病であるコレラが大流行し,ごみ処理を自治体におこなわなければ衛生面の確保ができないところまできてしまいました。

ごみが伝染病の汚染源でしたので,手っ取り早くて確実な処理方法として「焼却」が登場するのですが,明治43年頃から「野焼き」により焼却処理されて,とりあえず伝染病防止の衛生面は確保できたわけです。

しかし,増え続けるごみを焼却する煙の害がすさまじく,次の手段として焼却施設を持つのですが,大正13年〜昭和初期にかけて数箇所の焼却施設が東京にできてきました。

その後は焼却施設の建設計画-反対-東京ごみ戦争へと続いて,東京湾の埋め立て処理,焼却場からのダイオキシン発生問題〜高度処理焼却施設へと至るわけです。

ですので,そうした時代背景をもった日本であるから,ごみ処理=焼却施設というように連想するのも容易ですが,ハワイでは伝染病防止のためにごみを焼却する必要がなかったので焼却しない歴史を築いたのかもしれませんし,高度焼却処理とはいってもダイオキシンの発生の度合いが少ないだけで危険な焼却スラッグはでるわけですし,その処理と今の埋め立てを天秤にかけて住民がどちらを選ぶか・・・というところなんじゃないかと思います。

ハワイに限らず,そこのごみ処理の歴史を紐解いてみて,焼却処理がその地域に本当に必要だったらごみ焼却技術は日本が(多分)世界一ですので,より安全な施設にするための技術導入として歓迎されるのではないでしょうか。

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