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環境Q&A

大気中の酸素はなくならないの? 

登録日: 2002年07月07日 最終回答日:2002年07月13日 地球環境 森林の減少

No.912 2002-07-07 06:34:54 とまと

大気中の酸素の大部分は植物が作ったもの、ということは現在のように森林消失が進行する状況では、酸素は減少している?
大気中の酸素の再生産は大丈夫なのでしょうか?

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No.913 【A-1】

Re:大気中の酸素はなくならないの?

2002-07-08 11:20:06 LP

森林消失が進んで酸素供給源が減少し,酸素絶対量の低下がなぜいけないかというと二酸化炭素濃度が相対的にあがるのが一番の理由です。

酸素は大気中に21%程度含まれており,これが15%程度になると息苦しいなどの異常がみられるようになり,5%未満では死に至ります。

二酸化炭素は大気中に0.03%しか含まれておらず,これが0.05%くらいになると生物的に(代謝が阻害されることなどにより)何らかの異常が生ずるようになり,数%の環境下に常時生物がおかれた場合には,子孫を残すことはできないのだろうと思われます。

ですので,呼吸に必要な酸素がなくなるという状態の前に,二酸化炭素による障害で生物が生命を維持できなくなるほうが先のようです。

ということで,酸素の再生産も大事ですが,二酸化炭素の濃度をどうあげないようにするかのほうが危急の問題だと思います。(二酸化炭素=炭酸ガス排出による地球温暖化の弊害もありますし。)

具体的には化石燃料の消費を抑えるとか,海洋は二酸化炭素の良質な吸収体ですのでその海洋汚染を防ぐとか,そういうことに注意を向けたほうが良いのかもしれません。

地球上に生命を維持するのに十分な酸素が残っていたとしても,肝心の生物が絶滅した後では意味がありませんので。

質問主旨とズレましたが,ご参考になれば幸い。

No.935 【A-2】

Re:大気中の酸素はなくならないの?

2002-07-13 15:21:47 やまねこ

初めまして。やまねこと申します。
最近動物愛護の方面が忙しくてすっかりご無沙汰しております。(私的な話ですみません)
私はLPさんほどの知識も持たない者ですが、ご質問の中身が非常に基本的ですので、もっと簡単にまとめてみます。

まず、地球上の酸素は、植物の光合成によって作られます。葉緑体を持っている植物が、二酸化炭素をもとにして酸素を作るわけですが、光合成ができる植物は、陸上の木や草だけではなく、海や湖の中の海藻、植物性プランクトンも酸素を作ります。
地球の表面積は陸地より海面のほうが大きいですから、実はこの植物性プランクトンが、最も多く酸素を作り出すのに役立っているのです。
 つまり、森林だけで酸素が生まれているわけではない、ということですが、最近百年ぐらいの間に、人間が観測できるほど二酸化炭素が増えている、ということは、地球の長い歴史からすれば、ものすごいスピードだと言えます。
単純に考えれば、植物にとって二酸化炭素が増えるのはいいように見えますが、すさまじい早さで環境が変化してしまうと、気候の変化に植物がついていけなくなり、現在の場所で同じ植物が育ちにくくなるかもしれません。
人間を含めた他の生物も、生息があやうくなるおそれがあります。それが「地球温暖化」を防がなければならない理由です。
 あと、海洋の植物は(根っこで養分を取っていないので)陸地の植物よりは移動しやすいですが、海の水が汚染されると数が減ったり、または異常に増えすぎて、他の水中生物が生きられなくなったりします。
 こんなわけで、二酸化炭素の増加を防ぐには、森林伐採はもちろん、海洋・河川の汚染、そしてエネルギーの転換なども同時に考えていく必要があると思います。

けっこう長くなってしまいました。何か思い違いがありましたら、どなたか補足をお願いいたします。 

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