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環境Q&A

家庭・事業所からのPCB含有物の処分は? 

登録日: 2002年06月27日 最終回答日:2002年07月03日 健康・化学物質 有害物質/PRTR

No.889 2002-06-27 23:43:01 やまねこ

PCB(ポリ塩化ビフェニール)が製造中止になってから、そろそろ30年近くになります。PCBは耐熱・絶縁性に優れた物質として、様々な方面に使用されたと聞いておりますが、身の回りでまだ残存している用途として、蛍光灯器具(安定器内のコンデンサ)が上げられると思います。
(1974年?)規制以前に製造された蛍光灯器具は、四半世紀を過ぎて、そろそろ寿命を迎える時期で、このまま使用を続けるとコンデンサが破裂事故を起こす例もあり、公共施設等では交換を実施・検討しているところもあるそうですが、
一般家庭や店舗、事務所等の場合、PCB使用製品を特に分別して廃棄することはできるのでしょうか。
もし保管しなければならない場合、どのような点に注意すべきでしょうか?
よろしくご教授のほどをお願い申し上げます。

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No.904 【A-1】

Re:家庭・事業所からのPCB含有物の処分は?

2002-07-03 16:33:32 LP

規制以前に製造されたものすべての蛍光灯類の安定器にはもれなくポリ塩化ビフェニルが使用されているとは限りませんが,その使用と保管については

 環境省
  http://www.env.go.jp/recycle/poly/pcb-pamph/

 京都府
  http://www.city.kyoto.jp/kankyo/sanpai/index.html

のページが参考になると思います。

尚,環境省の資料のQ&Aにあるように,S47以前に製造されたラピッドスタート方式の安定器にPCBが含有されているものがある・・・ということですので,その頃の家庭用蛍光灯器具はほぼ100%グロー方式ですので,PCB含有製品が古い家庭用器具からでてくることはないそうです。

事業所から廃棄されるものでPCB含有の安定器があれば,それは法定の方法により保管し,その保管状況を毎年届け出なくてはなりません。この保管や処理を他の事業者に委託することは法律で固く禁じられております。
科学的に安定しているものですから,今のところ処理方法が限られているようで,その処理の受け入れも需要にはおいつかないようですので,ここ当面,保管せざるを得ないのが現状のようです。

また,私の回答の前段「PCBが含有されている製品の型番」は,メーカーのホームページに公開されている例は少ないようです。私の知るところでは事業所の担当者がメーカーの本社に問い合わせてようやく見づらいFaxの一覧表を(しぶしぶ)送ってきたとのことでした。
国民の健康に直接関係した情報は努めて公表すべきなのが今の時流なのですが,そうしたメーカーの姿勢がいまだあるというのが甚だ疑問であります。(というか,このメーカーの製品は買いたくありません。=どことは言えませんが(^^;。)

回答に対するお礼・補足

ご紹介いただいた資料で、かなり具体的な方法が掴めました。化学的に安定した物質であり、届出手続きを除けば保管自体はそう負担にならないと感じました。
適正に管理し環境中に漏出させなければ、PCB自体の危険度は他の劇毒物と較べてさほど高くはないと思います。
焼却以外の処理方法も幾つか開発されていますので、なるべくなら早期に適正な方法で最終処理(分解)が行われるよう期待しています。
ありがとうございました。

No.907 【A-2】

Re:家庭・事業所からのPCB含有物の処分は?

2002-07-03 17:02:10 東京都 / 君山銀針

LPさんの書かれた情報以外のものをちょっと補足します。

◆環境省ホームページの中に、LPさんが紹介されたパンフレット以外に、業務用・施設用蛍光灯等のPCB使用安定器の事故に関する対策について
http://www.env.go.jp/chemi/pcb2/index.html
という情報があります。

PCB使用安定器の安全対策(交換等)について
http://www.env.go.jp/chemi/pcb2/03.html

PCB使用安定器の保管、管理について(法的に決められている内容)
http://www.env.go.jp/chemi/pcb2/04.html

PCB安定器(コンデンサ)を使用した照明器具の見分け方
http://www.env.go.jp/chemi/pcb2/02-1.html

使用済みPCB安定器の保管方法
http://www.env.go.jp/chemi/pcb2/04-1.html

また保管、管理についてのお問い合わせは、最寄りの都道府県・保健所設置市の産業廃棄物担当部局もしくは
(社)日本照明器具工業会
電 話  (03)3833−5747  FAX  (03)3833−8455
〒110-0005 東京都台東区上野3-2-1 フジオビル7F http://www.jlassn.or.jp/
してくださいという案内が出ています。

◆この(社)日本照明器具工業会のホームページにも 「PCB使用照明器具の点検・判別、取扱及び保管につい て」
http://www.jlassn.or.jp/pcb/index.html という情報があります。
 
◆これ以外には個人の方によるホームページ「ポリ塩化ビフェニル−PCBをなくすために」 http://www.pcb.jp/ も情報が充実しており、参考になります。

ポリ塩化ビフェニル−PCBをなくすために 
PCB関連の連絡先 http://www.pcb.jp/inquiry.html
PCB使用製品の見分け方 
http://www.pcb.jp/distinction.html
製品・メーカー別PCB使用電気機器表示記号情報などが掲載されています。

回答に対するお礼・補足

LPさんのお話ですと、個々のメーカーは非協力的なところが多いようですが、日本照明器具工業会としては交換と保管処置について一通りの情報提供をされているようです。また個人の方がより詳細な情報を挙げておられることも、心強いことかと存じます。
カネミ油症の患者認定基準の改定にもありましたが、危険性としてはPCBそのものより、コプラナーPCBに注目すべきかと思います。これはむしろダイオキシン問題と関連づけるほうが適切な感じがします。
しかし生体に残留・蓄積する物質でもあることを考えると、残存する絶縁油等のPCBも管理されているうちに分解処分を進めるのが賢明なのではないかと思います。
なお、過去のPCB使用例を見ますと、工業製品一般に広く使用されており、塗料など回収不能な用途もあれば、既に埋め立て処分されてしまった製品も相当あるものと思います。長期的には汚染の拡大が懸念されると思います。
いずれ機会を改めてフォーラムで取り上げられればと存じます。ありがとうございました。

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