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環境Q&A

コジェネのCO2削減??? 

登録日: 2002年06月27日 最終回答日:2002年07月02日 地球環境 地球温暖化

No.887 2002-06-27 20:09:40 気になる人

コジェネレーション(熱電供給発電機)のパンフレットにはCO2削減効果が大々的に唱われているのですが、その効果が疑問です。どなたかこの素朴な疑問を消して頂けませんか?
【質問】
パンフには、電力会社の火力発電平均(670g-CO2/kWh)とコジェネの重油ベース発電(630g-CO2/kWh)を比較して削減効果を挙げているのですが、買電平均(370g-CO2/kWh:公式な原単位)と比較するとCO2が増加する計算になります。
この火力発電との比較が間違っているとすれば、CO2削減に努力している企業が(モノジェネ:発電のみ:が駆逐されたように)本当は地球のためにならないことを進めているのかと思うと心配です。
今後CO2削減義務が企業に課せられた場合、コジェネによる削減は国際社会から認められるのかは疑問を残すところです。
どちらと比較するのが正しいのでしょうか?

【蛇足(私の調査した範囲)】
水力・原子力発電がベース電力として昼夜通して使われており、昼間ピーク時の電力は火力発電を中心に賄われているのは事実です。
コジェネによる発電はピークカットをするのが大きな役割だからということで、火力平均と比較しているとのことです。
(長くてすいません…)

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No.903 【A-1】

Re:コジェネのCO2削減???

2002-07-02 21:21:55 東京都 / 君山銀針

東京ガスのホームページには
http://www.tokyo-gas.co.jp/env/ecorep/j_text/result_ea/co2.html
「電力使用による年間CO2排出総量の計算と、省電力によるCO2排出抑制量の計算には、それぞれ「全電源平均」「火力平均」という2つの排出原単位(係数)を使い分けて算定しています。」「ガスコージェネレーションシステムなどの導入によるCO2排出抑制効果の計算には、火力平均CO2排出原単位を用いることが妥当であると考えます。」という説明(主張)があります。

説明によれば、

◆電力会社から供給される電力を使ったことによるCO2排出量は、発電データをもとに毎年政令で定められる全電源平均のCO2排出原単位を用いて計算することになっている。(全電源平均CO2排出原単位=火力発電所でのCO2排出量/全発電所での発電量)」

◆一方、省電力で、どれだけのCO2排出量が抑制されたかを見る場合、全電源平均を用いたのでは、過小評価になる。原子力発電と一般水力発電は電力需要の変化に関わらず、常にほぼ100%の負荷で稼動しており、需要変動に対しては火力発電で対応している。全電源平均CO2排出原単位を用いて省エネによるCO2削減効果を評価するのは、一見客観的な評価に見えるが、実際は行われていない原子力発電や水力発電までを抑制していることになり、実態とはかけ離れた評価になってしまう。(火力平均CO2排出原単位=火力発電所でのCO2排出量/火力発電所での発電量)

ということだそうです。

なお、東京ガスのホームページのほかには
住環境計画研究所 ○鶴崎敬大さん、中上英俊さんによる論文「地球温暖化対策評価におけるCO2 排出原単位に関する考察」 http://www.jyuri.co.jp/main_Frame/05_Thesis/pdf/029.PDF も詳細な式で説明されており、参考になります。

また省エネルギーセンターホームページのQ&A http://www.eccj.or.jp/factory/ask/faq/s.html
「(5)コージェネと二酸化炭素」は、コジェネ導入によりCO2は削減されるのかという問いに、上記以外にも多角的な要因を考慮する必要があるとの指摘をしています。

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