一般財団法人環境イノベーション情報機構
電気での二酸化炭素の排出量算出式について
登録日: 2002年06月07日 最終回答日:2002年06月08日 地球環境 地球温暖化
No.822 2002-06-07 18:54:16 miho
二酸化炭素排出量の単位について詳しく教えていただきたいのですが、
電気を作ることによって生じるCO2の量を出す係数が、
出版物によっていろいろあるので、よくわかりません。
例えば、0.41kg-CO2/kWhとか、0.12-C/kWhとかっていうのを見た
ことがあるのです。
単位がCO2とかCという違いは、炭素の存在の形が違うためで、
国際的にはC、環境省はCO2を使用している、と聞きました。
これはあってますか?
しかし、単位が同じでも0.36-CO2/kWhというのもあるのですが、
係数が変わるのはどうしてなんでしょうか。
何を参照したら、最新の係数を知ることができますでしょうか。
あまり理数系のことに関しては知識がないので、初心者にも
わかりやすく教えていただけるとうれしいです。
お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
また、電気によってCO2が発生するメカニズムも説明していただけるとうれしいです。
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No.823 【A-1】
Re:電気での二酸化炭素の排出量算出式について
2002-06-08 02:16:50 平井 (
電気を作る方法には、
火力発電
原子力発電
水力発電
風力発電
などがあります。
このうち、二酸化炭素を排出するのは火力発電のみで、他の発電方式では排出しません。
(細かく見れば、発電所を作るときにも出しているのですが、ここでは省略します。)
火力発電で二酸化炭素が排出されるのは、燃料として石炭・石油・ガス(LNG)などを燃やすためです。燃料を燃やしたときの二酸化炭素の計算については、Q789に回答があります。
http://www.eic.or.jp/QA/bbs02.php3?serial=789
各種発電方式の二酸化炭素排出係数は以下の通り。
石炭火力 0.887kg-CO2/kWh 0.242kg-C/kWh
石油火力 0.704kg-CO2/kWh 0.192kg-C/kWh
LNG火力 0.478kg-CO2/kWh 0.130kg-C/kWh
原子力 0 kg-CO2/kWh 0 kg-C/kWh
水力 0 kg-CO2/kWh 0 kg-C/kWh
電力の二酸化炭素排出係数という場合は、これらの排出係数の平均値を使います。平均の計算では、それぞれの発電方式の比率(電源構成)を考慮します。したがって、電源構成が変われば、電力の二酸化炭素排出係数も変わります。出版物によっていろいろな値があるのは、計算の前提となる電源構成が違うためです。(この他、発電効率の違いや、ここで省略した発電所建設由来を含めるかどうかなどでも差が出る。)
電気事業連合会のホームページに、二酸化炭素排出係数の推移や国別比較があります。
http://www.fepc.or.jp/news/kankyou2001/kankyou01.html
kg-Cとkg-CO2の違いについては、同様な質問への回答が以下にあります。
http://www.eic.or.jp/QA/bbs02.php3?serial=295
http://www.eic.or.jp/QA/bbs02.php3?serial=789
なお、国際的にはC、環境省はCO2とのことですが、私の印象は少し異なります。
・国際的にもCO2は用いられている。たとえば気候変動防止条約事務局への提出文書ではCO2表記が使われている。
・環境省(環境庁)の報告書でも、過去にはkg-C表記が用いられていた。
・CO2, CH4, N2Oなど何種類もの温室効果ガスを同時に扱う場合には、CO2表記が多く用いられる。
・自然界での炭素の循環を扱うような研究者はC表記を使っている。また、古くから二酸化炭素排出量のデータを提供しているような研究機関もCを使い続けている。
回答に対するお礼・補足
丁寧なご回答、ありがとうございました。出典によっていろいろあって、困っていたのですが、難しいなりにも何となく理解でき、助かりました!
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