ケルダール窒素の測定意義
登録日: 2004年01月13日 最終回答日:2004年01月16日 水・土壌環境 水質汚濁
No.4601 2004-01-13 02:52:09 Maeda
お世話になります。二度目の質問になります。
基本的な質問かも知れませんが、ケルダール窒素を測定することの意義は何なのでしょうか?
個人的に、河川等の水質モニタリングにおいては、全(総)窒素と無機態窒素を測定すればかなり有意義なデータを得られると思うのですが、種々の報告を見ていますと、ケルダール窒素を測定していたりします。
ケルダール窒素が多いと何が問題になるとか、何か有意義な情報がありましたらお教えください。 その際、ケルダール窒素でないと解らないのか、全窒素から得られる情報で十分なのかもお教え頂けると幸いです。
よろしくお願いします。
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No.4610 【A-1】
Re:ケルダール窒素の測定意義
2004-01-13 12:45:27 元水質測定者 (
>基本的な質問かも知れませんが、ケルダール窒素を測定することの意義は何なのでしょうか?
>
>個人的に、河川等の水質モニタリングにおいては、全(総)窒素と無機態窒素を測定すればかなり有意義なデータを得られると思うのですが、種々の報告を見ていますと、ケルダール窒素を測定していたりします。
ケルダール窒素は(有機態窒素+アンモニア態窒素)です。
総窒素 = 有機態窒素+無機態窒素(アンモニア態窒素+亜硝酸態窒素+硝酸態窒素)
代表的な総窒素の求め方である総和法では
総窒素=ケルダール窒素+亜硝酸態窒素+硝酸態窒素 で求めます。
No.4622 【A-3】
Re:ケルダール窒素の測定意義
2004-01-13 22:37:08 きた (
底質調査方法ではケルダール法を全窒素としていますので、底質については全窒素を測定したということになるようです。(底質は一般に還元的雰囲気)
環境基準等と比較するために河川水を測定するのだとしたら「意義」といえるほどの利用価値はないと思います。全窒素の測定は紫外線吸収法が公定法とされる場合もありますし、また、多くは紫外線吸収法で全窒素を測定しています。
http://www.seidokanri.jp/pdf/present.pdf
平成13年度環境測定分析統一精度管理調査結果
「元水質測定者」さんがおっしゃるように一般には全窒素でないので、河川などの比較的きれいな水の測定には多用されていないようです。
回答に対するお礼・補足
元水質測定者さん、きた さん、ご回答ありがとうございました。
やはり、「ケルダール窒素でないといけない。」という意味はなさそうな感じですね。 ひょっとすると、「過去に多用された測定法でデータの蓄積があり、データの比較検討が容易である。」等の理由があるのかと思っていました。
「他の人がその項目を測定しているから、何となくケルダール窒素を測定する。」という雰囲気がなきにしもあらずではないかと思っています。
河川水等の富栄養化を考えるのでしたら、全窒素を測定することで十分有意義なデータを得られると思いますし、測定も容易だと思います。 汚水処理場でしたら、無機態窒素をあわせて測定することで、微生物がキチンと働いているか解ると思います。
私の疑問は、ケルダール窒素の測定は、そのデータを使うというしっかりした計画がないかぎり、お金の無駄使いではないかと思うのです。 また、測定に必要な人的・物理的エネルギーは馬鹿にならないと思います。
いずれにしろ、ありがとうございました。
以後は、測定者に「なぜその(ケルダール窒素を含め)項目を測定しているのか。」を尋ねてみて、明確な返事が返ってこないときは、「測定をやめてはどうか」提言していきたいと思います。 環境問題に携わる私たちこそ、自分たちの足元を確認すべきだと思います。
No.4634 【A-4】
Re:ケルダール窒素の測定意義
2004-01-14 12:54:25 papa (
専門家には特定の分析方法などにこだわりのある方が多いので、それはそれとして現代的な評価方法でデータをご利用される方がご自分で再評価すれば十分と思います。
回答に対するお礼・補足
papa さん、ご回答ありがとうございました。
お蔭様で、私の”持論(みんな思っている?)”に自信が持てました。
しかしながら、きた さんから紹介がありましたように、「底質調査方法」に分析法が残っているのも問題であると思います。 たしか、当該方法は、うん十年前に作られた方法だと記憶にあるのですが・・・。 個人的には、referenceあるいはattachmentなどに記録として残すべきだとは思います。 あるいは、ケルダール窒素の分析は、底質の分析にむいているのかも知れません。 いずれにしろ、なぜケルダール窒素なのかを、試験計画を立てるときに良く考えるべきたと思います。
追記
このwebページは、アドバイス頂いたり意見交換ができたりしていいですね。 もう少し柔軟なシステムであるといいと思いすが。 例えば、第3者がこの「お礼」に対してコメント・反論出来ればいいと思います。 私のイメージする”柔軟なシステム”の参考としては、次のwebページを訪ねて見てください。 環境関係のページではありません。
http://www.bgai.com/C-i-A/forum/gen.html
No.4664 【A-5】
Re:ケルダール窒素の測定意義
2004-01-15 22:43:11 きた (
たしかにそうですが、平成13年版らしきものが国立環境研究所HPにあります。
真偽はともかく、当該方法を採用していますので、底質については意義があるのかもしれません。
http://w-chemdb.nies.go.jp/bunseki-asp/ManualView.asp?manualID=87
底質調査方法 所管:環境省環境管理局水環境部 公表年月日:2001/03/01
U 4.5.1 全窒素
4.5 窒素
4.5.1 全窒素
4.5.1.1 中和滴定法
(1) 測定方法の概要
試料に硫酸、硫酸カリウム及び硫酸銅(U)五水和物を添加し、ケルダール分解法で前処理し、全窒素をアンモニウムイオンにし、蒸留分離した後、中和滴定法でアンモニウムイオンを定量し、全窒素を求める。
回答に対するお礼・補足
きた さん 再度回答頂きありがとうございました。
紹介頂いたホームページで、ケルダール窒素の測定法を探しましたが、見当たりませんでした。 それどころか、窒素の分析法自体がないようです。 底質調査方法をただ電子化しただけでなく、改定のうえ電子化したのであれば、削除されたということでしょうか。 それとも、電子化に含まれなかっただけか、私の検索の仕方が悪いのかもしれません。 ただ、分析法一覧の全てに目を通しました。
何れにしましても、紹介頂いたホームページは非常に有用です。 今後活用させていてだいます。
No.4668 【A-6】
Re:ケルダール窒素の測定意義
2004-01-16 02:04:27 Maeda (
きた さん から紹介のありましたホームページについて、
分析法一覧には、窒素関係の分析法は上がってきませんでしたが、全文をダウンロードして「底質調査方法」を見たところ、全窒素の項目がありました。
底質は、還元雰囲気下であると考えられるので、NO2及びNO3が存在しないと考えられます(奇麗な海域、湖沼の底質については疑問)。 従いましてケルダール窒素nearly=全窒素ということになります。 底質については、ケルダール法を用いた方が、分析が容易なのかもしれませんが、定かではありません。 いずれにしろ、何故その項目を測定しているのかを良く考えないと、労力・お金・エネルギー等の無駄遣いになると思います。
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