一般財団法人環境イノベーション情報機構
乾電池の行き着く先
登録日: 2001年11月01日 最終回答日:2001年11月07日 ごみ・リサイクル リサイクル
No.438 2001-11-01 11:12:08 千晶
乾電池をよく自治体とかで回収していますが,ただ、ドラム缶につめて埋めているだけと聞きました。本当ですか?てっきりリサイクルしていると信じていたので、ちょっとショックです。リサイクルの可能性は?あんなに大量に店頭に並んでいて、あんなに躊躇なく使っては捨てていた乾電池が、ひたすら埋められているのですか?
さらに、回収BOXに集めるのすら任意で、普通のお店や家庭では他の不燃ごみと一緒にすててOKらしいのですが(東京)、「電池」は特別じゃないのですか?
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No.458 【A-1】
Re:乾電池の行き着く先
2001-11-07 22:30:04 平井 (
乾電池を分別回収する自治体の多くは、回収した乾電池を北海道にある野村興産(株)イトムカ鉱業所に送り、資源化・リサイクルを行っているものと思われます。ただし、千晶さんがご指摘のように、集めた後はドラム缶につめて埋めているだけという自治体もあるのかもしれません。(法律で乾電池のリサイクルが義務づけられているわけではない。)
野村興産(株)イトムカ鉱業所は国内で唯一水銀を含有する廃棄物の資源化・処分を行っている施設で、廃乾電池や廃蛍光管などを扱っています。以下に紹介されています。
http://homepage1.nifty.com/yswww/customer/Itomuka.html
http://faculty.web.waseda.ac.jp/nakashin/waste/itomuka_process.html
乾電池の処理先として野村興産(株)が選ばれているのは、過去に作られた乾電池には水銀が含有されていたからです。1980年代に乾電池の水銀問題が大きくとりあげられ、これを受けて多くの自治体で電池の分別回収が始まったようです。一方、乾電池中の水銀を減らす技術開発も進められ、1990年代はじめ頃からアルカリ乾電池やマンガン乾電池などでは無水銀化が達成されました。ただし、過去に製造された乾電池や輸入された乾電池などには水銀が含まれているものもあり、水銀の問題がまったくなくなったというわけでもないようです。
今後は、廃乾電池に含まれる水銀の量は減少していくでしょうから、乾電池をそのまま埋めて問題ないかどうかを考える場合、水銀以外の成分について考えることが重要になります。乾電池にはさまざまな金属が使われているため、それら金属の資源としての希少性や埋立時の金属類の溶出による水系汚染の可能性などを考えることが必要と思います。
乾電池に含まれる水銀以外の金属成分をどのように資源化・適正処理するかについては、
(財)クリーン・ジャパン・センターが報告書を出しているようです。
乾電池再資源化研究会報告書(1993年) CJC-9307
http://www.cjc.or.jp/sub_3/index_3.html
(読んだことないので、はずしているかもしれませんが)
ニッカド電池などの充電できる電池(二次電池)や、ボタン型電池などについては、店頭での回収が行われているようです。(社)電池工業会のホームページに情報があります。
社団法人 電池工業会
http://www.baj.or.jp/
回答に対するお礼・補足
どうもありがとうございました。なるほど、はるばる北海道まで行ったりするのですね。紹介していただいたホームページで、もうちょっと勉強します。
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