原子力発電と地球温暖化

No.433 2001-10-31 13:50:41 yotch

地球温暖化の対策のひとつとして原子力発電が挙げられていますが、石油火力から原子力へ転換した時の二酸化炭素削減による温暖化抑制効果と、石油火力と原子力の熱効率の差に起因する排熱増加によって直接的に地球を暖める影響を比較するとどちらが有効なんでしょうか？

No.457 【A-1】

Re:原子力発電と地球温暖化

2001-11-07 21:27:29 君山銀針 （

中部電力のホームページ　日本の電源別CO2排出量
http://www.chuden.co.jp/torikumi/atom/library/hitsu06.html

電気事業連合会　環境のページ
http://www.fepc.or.jp/kankyou/index.html

原子力発電所は地球温暖化の防止策として効果的か？
http://www.ne.jp/asahi/ma/ru/energy/co2.html

などに電力中央研究所試算による日本の電源別CO2排出量の比較表が出ています。

これを見ると発電システムの差よりも、化石燃料を燃焼させることから発生する二酸化炭素排出量が大きいようです。

なお、原子力発電所は地球温暖化の防止策として効果的か？
http://www.ne.jp/asahi/ma/ru/energy/co2.html
では、電力中央研究所の表の他に
ＷＷＦ（世界自然保護基金）が2000年4月に発表した報告書「気候変動と原子力」にもとづく試算を掲載しています。

ＷＷＦは、ＣＯ２排出量だけではなく、
原子力発電所は一度動かすと、一定の出力でできるだけ長い時間、定常運転するようになっており、止めたり動かしたりすることが難しいため、夜間－日中間の需要の差に対応できず、変動に対応しやすい火力発電所がセットで必要であり、結局は二酸化炭素の排出量削減にはつながらず、効率も悪いと結論づけているようです。

ＷＷＦ　報告書本文は　↓　にありますので読んでみてください。
http://www.wwf.or.jp/scripts/download/dlfile/climate/rc2.pdf

なお、原子力は安全性、廃棄物処分問題、核拡散などについての課題があり、７月のＣＯＰ６再開会合での合意では
「先進国は原子力施設をホスト国に対して使用することを控える」との規定が入りました。
（途上国で大規模プロジェクトである原子力が認められると、
　それ以外の対策が実施されないとの懸念もあります）

ＣＤＭや共同実施での先進国の資金供与による途上国での原子力発電所の建設を先進国のカウントにすることには制限がついています。

参考　
全国地球温暖化防止活動推進センター
ネゴシエーション・アップデートvol.40
http://www.jccca.org/cop6/cop6/cop6010722.html