LCAは必要か?(止められるか?)どんなことをしているのか?
登録日: 2016年12月01日 最終回答日:2017年01月30日 エコビジネス 環境マネジメント
No.40625 2016-12-01 18:03:16 ZWla940 悩める事務局
弊社ではISO14001の認証取得をしています。取得後、ある時からLCAの取り組みを実施しています。おそらく、外部監査人から言われて始めたと思いますが、著しい側面として、毎年EMPで取り組んでいます。この中でCO2換算はしますが、エネルギーの使用としては、圧倒的に製品の使用段階が多く、材料〜製造では僅かとなります。また、ISO14001:2015年版の規格「付属書A.6.1.2 環境側面」では、「環境側面決定時にライフサイクルの視点を考慮する」と謳っています。現在LCAをEMPで取り組んでいますが、結果的にその効果(成果)が判らなくなっています。製品の小型化であっても、能力が違うためシリーズがことなり、比較にならない状態です。前段長くなりましたが設問は以下となります。
@LCAの取り組みは必要か AこれまでEMPでLCAを取り上げていましたが、無くすことができるのか B皆さんの会社ではLCAをどのように取扱い、どのような計画、活動をしているのか。 弊社は設計、製造、販売をおこなう会社です。 以上宜しくお願い致します。
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No.40628 【A-1】
Re:LCAは必要か?(止められるか?)どんなことをしているのか?
2016-12-02 10:03:59 たる吉 (ZWl47e
例えばですがそのLCAの結果はユーザーが御社の製品を購入する際の判断基準等で活用されているのですか?
もしもそうであるのならば、多少なりやっている意味はあるでしょう。
しかし、LCAを行うことで、御社の販売が伸びたり、社外評価(格付け等)があがったりしない限りはやる必要性は無いでしょう。
また、環境問題は二酸化炭素だけではないと思います。
以下はそもそも論です。(質問ではありません)
@あなたの会社の製品がもたらす恩恵は、人類にとって有益なものですか?
A@がYESであるのならば、その製品を世に広めること自体が環境改善ではありませんか?(ちなみに私自身の「環境改善」の定義は、「人類の存続、幸福、発展に寄与するもの」と理解しています)
Bその製品を、より多く世に広める為にLCAは必要ですか?
従いましてご質問に関しては、
>@LCAの取り組みは必要か
活動が有益だと認識されているなら必要。
>AこれまでEMPでLCAを取り上げていましたが、無くすことができるのか
御社の勝手だと思います。
>B皆さんの会社ではLCAをどのように取扱い、どのような計画、活動をしているのか。
ある特定の製品についてはLCAを算出することで当該製品の社外評価があがるような見込みがあり、必要に応じた導入を行った方が良いものがありそう、と判断しています。
回答に対するお礼・補足
たる吉 様
早速の回答ありがとうございます。以前にもたる吉様から、適切な回答を頂いたことがあり、今回同様大変感謝しています。
おっしゃるとおり、ISOの形式に捕らわれすぎて、本来の目的から離れてしまっているかもしれません。自分はISOに関わったのが途中からでしたので、当然やるものとの認識もありました。今一度、本来の目的に立ち返ろうと思います。また、詳細なコメントを頂きありがとうございます。また、何かのさいには宜しくお願い致します。
No.40650 【A-2】
間に合いました!
2017-01-07 20:14:26 todoroki (ZWl7727
ほとんどの場合不要です。
よろしければ、このあと会話形式で進めていきましょう。
もし疑問,ご不明な点があれば、
下の返信欄にお書きください。
回答に対するお礼・補足
todoroki 様
ありがとうございます。連絡が大変遅くなり申し訳ありません。
以前(ISO14001:2004)の規格ではLCAの要求(文言)は明確には無かったと思いますが、LCAの規格があったために、EMPで今日まで取り組んでいます。しかし、先にも書いたようにCO2換算するも、圧倒的に使用段階(ユーザー)での数値が大きく、部品調達や製造段階では僅かとなっています。例えば、加工時間が短縮されたとしても、ライフサイクルの全体から見ると、誤差程度にしか見えません。よって、効果把握が困難な状況です。止めても良いような気もしますがISO認証を取っている手前、社外(利害関係者や審査機関)の印象を考えると如何なものかと思います。良いアドバイスがあれば宜しくお願い致します。
No.40653 【A-3】
悩める事務局さんの会社で作っている製品は…
2017-01-17 23:03:21 todoroki (ZWl7727
差し支えない範囲で教えてください。
ちなみに弊社は自動車部品会社です。
つまり自社の作った製品が直接消費者に届くわけではなく、
他社の工場で「自動車」という製品に組み立てられてからでないと
消費者には届きません。
この「自社製品が直接消費者に届くかどうか」が、
実はLCAを実効性のあるものにするか否かの分かれ道の一つと
個人的には考えています。
回答に対するお礼・補足
todoroki 様 こんにちわ。返信ありがとうございます。
弊社では工場の生産ラインで使用される空圧のバルブやシリンダ等の部品を製造販売をしています。一部大学などの教材で使用されることはありますが、殆どが自動機などの装置に組み込まれる物となります。この内容でご理解頂けるでしょうか。宜しくお願い致します。よって民生品とそてでることはありません。この内容でご理解頂けるでしょうか。宜しくお願い致します。
No.40660 【A-4】
了解しました
2017-01-18 22:12:51 todoroki (ZWl7727
いわゆる産業機械・装置のたぐいですか。
私は環境コンサルタントというわけではないのですが、
社内でいくつか事例研究をやったりしていますので、
少しお時間をください。
ただ御社のISO14000の一環として製品のLCAをやるというのは…、
個人的にはどうかと思います。
次回はそれも含めてお答えできればと思います。
回答に対するお礼・補足
todoroki 様
ありがとうございます。
LCAについては、EMSで取組み始めたころより疑問を感じてはいました。規格にも付属書にはありましたが、本文には記載が無く、但し、解説書やWeb等では必要そうなことも書いてありました。また、今回の2015年版では「ライフサイクルの視点で」と本文に記載されており、EMPの様なものは必要なさそうですが、求められるような気もします。長くなりましたが、ご意見を聞かせて頂くとありがたいです。宜しくお願い致します。
No.40666 【A-5】
ISO14001でLCAをやる是非 (1)
2017-01-22 18:09:37 todoroki (ZWl7727
御社の業務内容が“部品の設計・製造。・販売”ということで、
参考になるかごどうかわかりませんが、まず弊社の例をご紹介します。
お伝えした通り、弊社は自動車部品会社です。
自動車の燃費を左右する部品であることは、自動車会社の方々も認めていただいていますが、
弊社製品が、一般消費者に直接届かないことは御社と似ています。
弊社も昔ISO14001でLCAを実施してみようと検討したことはありました。しかし結局断念しました。
理由@ 弊社部品の燃費低減に寄与する分をCO2削減量として精度よく定量化するためには、
各自動車会社の燃費計算システム,データなど自動車会社の機密に抵触しなければならず、
それは到底許されない。
A自動車という製品の燃費の良しあしは、当然弊社の部品だけで決まるほど単純ではない。
B(Aとは逆に)自動車(乗用車だけでなく、バス,トラックなど商用車も、二輪車も)各社の成果として、
LCAの一部に含まれてしまう。
(自動車会社としては、環境報告書なので一番対外的に主張したいところですから)
ということです。
回答に対するお礼・補足
todoroki 様
回答ありがとうございます。todoroki様がA、Bに書かれているように、弊社も部品であるため、それを利用して制作された製品(装置)がお客様で使用されるため、それらの装置の制作及び使用段階でのエネルギー使用量は測り知ることができません。よって、EMPで活動はするものの、その効果が見えにくいのが現状です。環境負荷としては著しいものが少なく、電力や廃棄物などの削減も限界の状況です。教育啓蒙などもおこなっていますが、こちらも変化はありません。当初の主旨と変わってしまいますが、因みに御社ではどのような計画でどんな活動をされているのでしょうか。差し支えない範囲でお教え願えればと思います。宜しくお願い致します。
No.40675 【A-6】
ISO14001とLCAをつなぐもの(1)
2017-01-30 20:31:11 todoroki (ZWl7727
御社の業務内容を弊社の業務内容に置き換えて考えていただければ、よろしいかと思います。
違っているところは相手で、御社の場合「製造業の工場およびその生産ライン」、
弊社の場合「一般市民(乗用車、商用車、二輪車などの運転者,使用者)」です。
似ているところは、ライフサイクルの大部分を占める使用時のエネルギー使用量
(≒CO2排出量)の負担者は、上記の「相手」だということです。
比較対象は、『御社の製品を使用する製造ラインの設備(A)』および
『御社の製品を使用していない製造ラインの設備(B)』としましょう。
(A)1製品当たりが、そのライフサイクル(寿命10年と仮定)で削減できるエネルギー使用量を、
削減できるCO2排出量に換算し、それを僊(=B-A)としましょう。
Aの月間出荷量を10,000個とすれば、
1年目は這僊=僊/(10×12){12×10,000+11×10,000+…1×10,000}です。
Aの寿命は10年ですから、10年間の出荷製品数と使用年数などからその総量を積算し、
11年目〜からは寿命で廃棄される製品の減数分と新たに出荷する製品の増分を換算していけば、
連続的に這僊が計算可能です。(続きます)
No.40676 【A-7】
ISO14001とLCAをつなぐもの(2)
2017-01-30 20:38:49 todoroki (ZWl7727
直接ならびに間接的にCO2を排出しています。それを這僞とした時、
月間でも、年間でも、10年間でも、這僞<這僊なら、
御社自らの「著しい環境側面」は、御社製品利用者(=他社)のエネルギー削減
(≒CO2排出量削減)に寄与しておつりがくる、即ち御社製品利用者(=他社)に代わって
地球規模のCO2排出量削減に寄与しているといえるわけです。
弊社もだいたいこれと同じやり方と、公知のデータ(たとえば乗用車の燃費ならJC08モードなど)で
計算してみて、どう弊社側に不利に計算しても、
地球規模のCO2排出量削減に寄与していると結論付けられました。(また続きます)
No.40677 【A-8】
結論としてISO14001でLCAをやる是非 (2)
2017-01-30 20:44:29 todoroki (ZWl7727
(LCAでいうInterpretation:結果の解釈の一部)にしかなりません。
それを見越して、最初に書いたA-2には「この場合、LCAは必要な場合もありますが、
ほとんどの場合不要です。」と書きました。
これが私なりの結論です。
ちょっとクドく書きすぎましたが、ご理解いただけたでしょうか。
回答に対するお礼・補足
todoroki 様 お世話様です。 丁寧なご説明感謝致します。弊社は多品種であるため、LCAをおこなう場合、製品を限定しておこなっています。(同一シリーズであっても稼働時に使用するエネルギ−にかなりの差があるため)また、製品寿命も使用環境や頻度によりかなりのバラツキがあります。これに合わせ、エネルギーの消費は90数パーセント以上が使用段階であり、実寿命(当然ライフテストはおこなっています)は判りません。よって言われるように不必要に思われます。今一度、社内で検討し、更に外部監査の際に聞いてみようと思ういます。色々ご教授頂きありがとうございました。
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