ダイオキシン類測定結果の解釈
登録日: 2015年11月19日 最終回答日:2015年12月08日 大気環境 大気汚染
No.40227 2015-11-19 14:47:42 ZWl3e4f Bali
電力自由化の話題から焼却工場の余剰電力の売却単価の推移の情報などに行き着き、さらに各地の清掃工場がダイオキシン測定値を公表しているのを見つけ、そうこうしているうちに思い至った疑問です。
例えば東京二十三区の清掃工場の排ガス中のダイオキシン類濃度は
0.00000XX から 0.0000XX ng-TEQ/m3 といったレベルです。
これに対し、東京都環境局が出しているダイオキシン類の環境濃度は
最小値 0.024 最大値 0.038 pg-TEQ/m3 (平成26年度)とのことです。
ということは、排ガス中のダイオキシン類は大気環境と同程度もしくはむしろそれよりも低いくらいで、清掃工場から大気へのダイオキシン類の排出はない、といえるレベルであるということなのでしょうか?
測定方法などのことから、これらのデータを見るのに気をつける点があるのではないかという気がします。正しい解釈について教えていただけますと幸いです。
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No.40228 【A-1】
Re:ダイオキシン類測定結果の解釈
2015-11-20 14:43:12 Bali (ZWl3e4f
次のような解釈になるのではと考えました。
1. 排ガスの濃度基準値のほうが大気の濃度基準値よりも大きいので、サンプルの量は排ガスを測定するときのほうが少ない。
2. そのことと、バグフィルターなどの対策が功を奏して、排ガスサンプルにおける毒性の高いダイオキシンはなかなか検出されない。検出されるものは毒性の低いもので、TEQ換算すると小数点のあと0がいくつも続く値となる。
3. 大気の場合は、サンプル量が多いので、毒性の高いダイオキシンも少し検出される場合があり、TEQ値が2.より高くなることもある。
どうでしょうか?ご意見を頂戴できれば幸いです。
No.40229 【A-2】
Re:ダイオキシン類測定結果の解釈
2015-11-20 22:47:55 Dr.ゴミスキー (ZWl651d
ドイツの都市(生活系)廃棄物の焼却施設でのダイオキシン類の測定結果と大気の測定結果が、東京と同じ傾向を示しているとの話を知人から伺っています。
質問者のBaliさんから自らの一つの考え方が披露されているが、私も知りたいところです。
回答に対するお礼・補足
情報をありがとうございます。
ドイツでも同じ傾向があるのですね。
興味深いです。
No.40230 【A-3】
Re:ダイオキシン類測定結果の解釈
2015-11-22 21:11:47 火鼠 (ZWlf20
今の焼却炉煙突からはダイオキシンの排出は無い。そのとうりではないのでしょうか?2次燃焼もしっかりやっているでしょうし、くすぶりの地下式焼却炉はなくなりましたから。環境的なダイオキシンが高い?
そりゃあるのでは?未だに、野焼きはあるし、ダイオキシンの生成方法として、600℃程度の金属を含んだハロゲン族がある酸欠状態の燃焼ならいっぱいできるのではないでしょうか?まだ、巷では、野焼き的なものあるから、環境値高いのではないでしょうか?また、分析技術もよくなったから、昔より、本当のダイオキシン類を分析しているのではないでしょうか?
回答に対するお礼・補足
書き込みありがとうございました。
「とんでもない」とは思っておりません。燃焼管理と汚染物質除去を適切に行えば、大気環境よりもきれいな排ガスになりうることは実際にあるのでしょう。
排ガスと大気と、同じ測定条件(採集ガス量など)で測定してみたり、また、測定結果をTEQではなく各同位体ごとのデータを見比べたりすると、真相に近づけるのかなと思います。
No.40234 【A-4】
測定手法ではなくバクフィルターの理解
2015-11-26 16:17:02 Dr.ゴミスキー (ZWl651d
多少の疑問点もあるが、1つの教材として紹介します。
資料5の内容説明と質疑応答は議事録を参照願います。
放射性物質汚染廃棄物に関する安全対策検討会
http://www.env.go.jp/jishin/rmp/conf/waste_safety.html
第2回(15年1月26日(月))
http://www.env.go.jp/jishin/rmp/conf/waste_safety02.html
資料5(関連→資料4&資料6)
議事録(第2回)の14ページ〜
回答に対するお礼・補足
更なる情報をありがとうございました。
バグフィルターの除去の仕組み、勉強になりました。
No.40240 【A-5】
Re:ダイオキシン類測定結果の解釈
2015-12-07 19:15:50 松竹梅 (ZWlf41f
回答に対するお礼・補足
松竹梅様
書き込みありがとうございます。はい、まさにお書きくださったような「私のデータの見方に誤りがあるのではないだろうか」ということを教えていただきたくて、この質問を書きました。やはり、単純に比較考察してはならないのですね。非常に貴重なご指摘感謝いたします。
もしよろしければ、「毒性等量を算出する際の定量下限未満の数値の取扱いが異なる」について、もう少し詳しく教えていただけませんでしょうか。
No.40241 【A-6】
Re:ダイオキシン類測定結果の解釈
2015-12-08 11:57:35 Bali (ZWl3e4f
松竹梅様が書かれていた取り扱いの違いとは、次のようなことでしょうか。
大気の場合はダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル(平成20年3月)、排ガスの場合はJISK0311-2008 を参照しました。
濃度の考え方
大気の場合 排ガスの場合
定量下限以上の値 測定値 測定値
検出下限以上・定量下限未満 測定値 ゼロ
検出下限未満 検出下限値の1/2 ゼロ
原則としては3つの方法があるが、特に指定のない場合は大気の場合と排ガスの場合それぞれ、上記の方法を取るということですね。
上の方法によれば、排ガスの場合、若干ながら低い値がでる可能性があるということでしょうか。
No.40244 【A-7】
Re:ダイオキシン類測定結果の解釈
2015-12-08 19:59:23 松竹梅 (ZWlf41f
さて、定量下限値未満の数値の取り扱いについては、私もBali様と同じ解釈ですが、
>上の方法によれば、排ガスの場合、若干ながら低い値がでる可能性があるということでしょうか。
なんのその、この定量下限未満の取り扱いの違いによって、実測濃度から毒性等量濃度を算出した結果、3桁のオーダーを超える事例がわんさか存在したと記憶しております。
補足ではありますが、私の個人的な解釈ではありますが、その法的根拠は次のとおりと理解しております。
ダイオキシン類の大気及び水質に係る環境中濃度及び排出濃度の算出につきまして、中央環境審議会大気部会と水質部会で検討され、環境中濃度は「毒性等量の算出にあたっての定量下限値未満の数値の取り扱いについては、定量下限値未満検出下限値以上の数値はそのままとし、検出下限値未満の数値は検出下限値の1/2として扱うことが適当である。」、排出濃度では「排出基準は、それにより罰則を伴う規制を行うものであり、十分な精度が確保できない定量下限未満の値を前提とすることはできない。このため、排水濃度の検定に当たっては、定量下限以上の値はそのままその値を用い、定量下限未満のものは0(ゼロ)として算出することが適当である。」と結論付けられ、それぞれ平成11年12月10日付中環審第169号「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第五次答申)」及び平成11年12月10日付中環審第171号「ダイオキシン類対策特別措置法に基づく水質の汚濁に係る環境基準の設定、特定施設の指定及び水質排出基準の設定等について(答申)」で示されました。
そして、環境中濃度については、平成12年1月12日付環企企11号・環保安6号・環大企11号・環大規5号・環水企14号・環水管1号・環水規5号・環水土7号「ダイオキシン類対策特別措置法の施行について」中の第3耐容一日摂取量及び環境基準2.環境基準(2) 運用上の取扱いで通知されております。
排水濃度は、ダイオキシン類対策特別措置法施行規則第三条ただし書きで規定されています。
以上、どうもお粗末さまでした。
回答に対するお礼・補足
松竹梅様
大変重要な情報を教えてくださり、ありがとうございました。
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