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環境Q&A

溶出量と含有量いについて 

登録日: 2003年10月31日 最終回答日:2003年11月04日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.3848 2003-10-31 11:03:00 勉強中

土壌汚染法を個人的に勉強しているのですが、重金属による土壌汚染について教えてください。
法では、別表で環境基準が定められていますが、溶出量と含有量の二種類の検査が必要となっていますが、検査の結果、溶出量がオーバーしているが、含有量が基準値内であった。若しくはその逆の場合もあると思うのですが、これは、どちらかが基準値を超えていればその土壌は汚染されていると解釈でよろしいでしょうか?
溶出量が基準値内であっても、含有量が基準値を超えている場合は、今後年月がたてば、土壌に溶出されてくるという考えでよろしいのでしょうか?
すいません、後もう一点、平成11年に環境庁から対策の指針がありましたが、土壌汚染対策法が施行されたので、この指針の基準値は参考に成らないと考えていいんですか?
よろしくお願いします。

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No.3864 【A-1】

Re:溶出量と含有量いについて

2003-11-04 16:24:57 kura

>溶出量と含有量の二種類の検査が必要となっていますが、>溶出量がオーバーしているが、含有量が基準値内であった。若しくはその逆の場合もあると思うのですが、これは、どちらかが基準値を超えていればその土壌は汚染されていると解釈でよろしいでしょうか?
→溶出量は、土壌が水(ほぼ中性)と混合した際に水に溶出してくる重金属量を測定します。つまり、土壌が雨水や地下水と接触した際にどの程度溶出するかを基準としたもので、人体には間接的に摂取される(地下水を通じて)リスクについて基準を定めたものです。これに対して、含有量は、土壌を直接摂取、土を食べる人はいないと思いますが、風などで土が舞ったときに呼気等と一緒に人体に摂取される場合のリスク、いわゆる直接的なリスクについて基準を定めたものです。この測定方法は、土を酸溶液の中で溶出させるもので、含有とは実は名ばかりのものですが、一般には含有量調査と呼ばれているます。
予断ですが、土壌の含有量は、基準の制定が先行し、分析方法が後からできました。その際に完全な含有量では、守れないものも出てくる可能性が強かったために、産業界が強く反発し、酸溶出、いわゆる人が摂取した際に胃酸のpHに近いもので溶出したものを含有量調査と呼ぶことになりました。

>溶出量が基準値内であっても、含有量が基準値を超えている場合は、今後年月がたてば、土壌に溶出されてくるという考えでよろしいのでしょうか?
→特にそうとは言い切れません。地下の環境で現在溶出していないものは、大きく地下環境が変化しない限り溶出しないと考えられます。

>すいません、後もう一点、平成11年に環境庁から対策の指針がありましたが、土壌汚染対策法が施行されたので、この指針の基準値は参考に成らないと考えていいんですか?
→土対法の施行により、この指針は廃止されています。

回答に対するお礼・補足

kura様ご丁寧な回答ありがとうございました。
今後の世の中は環境リスクとどう向き合っていくかってのが大切になりそうですね。

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