水含有有機溶媒水溶液(5%以上の水を含む)はなぜ消防法の危険物に該当しないのですか?
登録日: 2012年03月05日 最終回答日:2012年03月09日 環境行政 法令/条例/条約
No.38144 2012-03-05 10:05:30 ZWle550 ぐっちょん
実験廃液の整理を行っております。
実験廃液の消防法の指定数量を積算しておりまして
多くの大学などの実験廃液区分のHPを見てみますと
5%以上の水を含む有機溶媒水溶液は危険物に該当しないということで
取り扱っているところが多くありますが
5%という根拠をなかなか、探し出すことができません。
何をもとに5%以上の水を含む有機溶媒水溶液が危険物に該当しないのか法令、資料等ご存知の方、ご教示をお願いしたします。
また、実験廃液をどれぐらい希釈すれば危険物に
該当しないのかご教示願います。
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No.38145 【A-1】
Re:水含有有機溶媒水溶液(5%以上の水を含む)はなぜ消防法の危険物に該当しないのですか?
2012-03-05 13:47:34 妹背の滝 (ZWlaf1a
>何をもとに5%以上の水を含む有機溶媒水溶液が危険物に該当しないのか
>法令、資料等ご存知の方、ご教示をお願いしたします。
>
消防法危険物_引火性液体に該当するものがどんなものかは
まず、消防法_別表第9及びその備考の第10項から17項を
ご確認下さい。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO186.html
その後、総務省令である「危険物の規制に関する規則」の
第1条の3の第4項から第7項を、ご確認下さい。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S34/S34F03101000055.html
回答に対するお礼・補足
早速の回答、大変ありがとうございました。
4類のアルコール、第2〜第5石油類はおおむね有機溶媒60%の水溶液で
非危険物となると読む事ができそうです。
しかし、第一石油類に関しては『第一石油類とは、アセトン、ガソリンその他一気圧において引火点が二一度未満のものをいう。』とのみの記載ですので、水溶液になると21度以上になると考えられるので、数%の水溶液でも非危険物となると考えることができるのでしょうか??
No.38158 【A-2】
Re:水含有有機溶媒水溶液(5%以上の水を含む)はなぜ消防法の危険物に該当しないのですか?
2012-03-08 10:07:05 妹背の滝 (ZWlaf1a
>その他一気圧において引火点が二一度未満のものをいう。』とのみの記載ですので、
>水溶液になると21度以上になると考えられるので、
>数%の水溶液でも非危険物となると考えることができるのでしょうか??
こうした誤解をされる方が、やはりいらっしゃるのですね。
消防法危険物第4類_引火性液体の指定基準は、
法令を見れば分かるように「引火点」を基準にしています。
引火点21℃未満であれば、第1石油類に、
引火点21℃以上、70℃未満(アルコール類を除く)であれば、
第2石油類に該当することになります。
どの引火性液体にも該当しなくなる引火点は、250℃以上です。
アセトンは水と相溶性ですので例にとると
引火点が250℃を超えるレベルまで水で希釈すれば
危険物の範疇からは外れることになりますが、
多分、数%アセトンを含む水溶液であっても
引火点は250℃以下になるのではないかと推測します。
ガソリンは非水溶性ですので、説明は不要かと思います。
No.38159 【A-3】
Re:水含有有機溶媒水溶液(5%以上の水を含む)はなぜ消防法の危険物に該当しないのですか?
2012-03-09 07:36:01 あきほ (ZWlb163
妹背の滝さんが概ね回答されておりますが、少しだけ補足を。
消防法では、定義された試験方法で、引火点が測定されるか否か、
また、規定された可燃性液体量の含有率であるか等によってのみ
第4類の危険物にあたるかどうかが判断されます。
引火点があっても、濃度によって危険物から除外されるのは
第3、第4石油類の引火温度帯からですので、
引火点:70℃以上で可燃性液体量(ご質問の場合概ね有機溶剤の量)
が40%以下という、2条件を満たせば危険物から外れます。
引火点が21℃〜70℃の第2石油類の温度帯の場合は
もう少し条件が厳しく、
・可燃性液体量:40%以下
・引火点:40℃以上
・燃焼点:60℃以上
の3条件を満たす必要があります。
第1石油類の引火点温度帯である、21℃以下では、
濃度による除外はありません。
> 多分、数%アセトンを含む水溶液であっても
> 引火点は250℃以下になるのではないかと推測します。
引火する前に沸騰(水溶液であれば約100℃前後)するものについては、
引火点がないものと見なされる規定(通達)がありますので、
危険物から外れうることになります。
注意点ですが、第2〜4石油類からの除外要件は
そのまま指定可燃物の定義に当てはまりますので、
危険物ではなくなった瞬間に指定可燃物に該当することをお忘れなく。
※アルコール類の除外要件から外れたものは指定可燃物になりません。
※引火前に沸騰するものは、引火点がないものと見なされるので、
指定可燃物にはなりません。
もう一つ念の為に付け加えておきますが、引火点は当該対象物の
もので、元の溶剤等引火点ではありません。
ある種の物質では、水と加水分解して、アルコールを生じるため
水溶液になった方が引火点が大幅に下がるということもありますので、
くれぐれもご注意下さい
No.38160 【A-4】
Re:水含有有機溶媒水溶液(5%以上の水を含む)はなぜ消防法の危険物に該当しないのですか?
2012-03-09 11:10:53 妹背の滝 (ZWlaf1a
補足ありがとうございます。
私も非常に勉強になりました。
なお、回答中にある「通達」の文書コード(○○発××号のような)が分かれば
教えてください。
No.38161 【A-5】
Re:水含有有機溶媒水溶液(5%以上の水を含む)はなぜ消防法の危険物に該当しないのですか?
2012-03-09 18:16:20 あきほ (ZWlb163
>(○○発××号のような)が分かれば教えてください。
平成元年7月4日 消防危第64号
各都道府県消防主管部長あて 危険物規制課長通知 です。
【内容】
○水溶液の引火点(平成元年7月4日 消防危第64号各都道府県
消防主管部長あて 危険物規制課長通知)
【照会】 引火点が100℃以上の物品の水溶液の引火点を
クリーブランド開放式引火点測定器により測定すると、水が沸騰し、
気化した後、引火する場合があるが、
この場合、当該水溶液は引火点がないものと解してよいか。
【回答】 お見込みのとおり。
この手の通達はネット上には公開されておらず、
原則として各消防署とか書籍でしか入手が出来ないのですが、
事実上の基準として用いられています。
消防の内部文書で法令を運用されても困るんですが、
これが現状です。
ちなみに、この類の事実上の運用通達をネット上に
公開している省庁もあります。
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