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環境Q&A

環境負荷物質の非含有保証について 

登録日: 2011年02月11日 最終回答日:2011年02月15日 エコビジネス 環境報告書

No.36507 2011-02-11 00:07:10 ZWldc50 Qemists

電子部品メーカーの環境部門を担当している者です。
ハロゲンを例にとると、一般にハロゲンフリー製品として販売されている材料でも、
非含有保証はできないというメーカーが特に欧米に多いです。
ところが納入先からは非含有保証を要求されている以上、
メーカー保証のない材料はリスクが高くて使えないのではないかという議論になるのですが、
単に欧米のほうが国内メーカーより品質基準が高いだけという意見もあり、
担当者としてどう判断して良いのか悩んでいます。

非含有の保証があるのとないのとでは、実際にはどのような違いが生じるのでしょうか?

また仮にメーカーの保証がない材料を使って、
任天堂のような混入事故が起きた場合、
我々はそのメーカーに一切の補償をしてもらえないのでしょうか。
非常識な質問かもしれませんが、何かアドバイスいただけたら有難いです。

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No.36511 【A-1】

Re:環境負荷物質の非含有保証について

2011-02-11 11:14:50 介三郎 (ZWldc51

ハロゲンということですが、一般的に電子部品のハロゲン含有が問題となるのは難燃剤としての使用ですので、ここでは臭素・塩素に限られるという仮定でお話します。
日本に限りますと、ハロゲンフリーの定義としてJPCA規格というものが存在しています。
これは、難燃剤を使用する積層板に含有を許される臭素・塩素量の規格です。
この規格では、臭素・塩素共に単体で900ppm/臭素・塩素の合計で1,500ppmと定義しており、この数値以下の製品はハロゲンフリーとして扱って良いというものです。
この数値を満たしているかどうかを確認する分析方法もJPCA規格で定めてあります。
実際にJPCA規格が定めた方法にて第三者機関で分析しても定量下限値(その分析法で正確に定量できる最低濃度)は臭素・塩素共に50ppmです。
つまり、分析をしても50ppm以下を保証できるだけであり、ハロゲンが0である保証にはなりません。
仮に臭素か塩素が40ppm含まれていても、定量下限値(その分析法で正確に定量できる最低濃度)は50ppmですので、50ppm以下である保証にしかなりません。

確かに海外では先に話したJPCA規格よりも厳しい数値を独自に定めているメーカーもあります。
ですので、まずは顧客毎の「保証値」を整理するのが宜しいかと思います。
単に含有0を保証しろという顧客とは保証値を話し合い、覚書でも取り交わしておくのが妥当です。
社内管理であれば、一番厳しいお客様の基準に合わせて管理してもいいでしょうし、客先毎に製品を管理する等、やりようはあると思います。

乱文にて失礼致しました。

回答に対するお礼・補足

丁寧な御説明頂き本当に有難うございます。
REACHやPAHsなど、何でも非含有という要求で
古い付き合いの国内メーカー様も大変苦慮されているようでした。
まず規制の背景をよく理解して、受身ばかりでなく
顧客ともっと話し合う必要がありますね。
とても参考になりました、ありがとうございます。

No.36535 【A-3】

横ですがたれこみ

2011-02-15 10:43:18 匿名 (ZWl9711

>納入先が要求している「非含有保証」とは何なのか

通常考えうる分析手法において No Detect であることを求める
客先もあります。それを数十物質群について。塩素臭素を含ませてくるところも極まれにあります。
できないものはできないと返事するしかないのでそうしていますが。

上記要求がもし素材ではなく、部品で例えるなら、
「全数が当社の基準に合格していること。受入検査は無し。なお、当社の基準値は世間一般並です。値は書かないけど。」
って感じでしょうか。

>単に欧米のほうが国内メーカーより品質基準が高いだけ
非含有という文言の対応範囲が不明瞭なことと、保証の範囲が全ロット対象になるということを考慮すれば、対応できないという回答が当たり前かと。対応できるという国内メーカーに、その根拠を尋ねてみればより参考になるかと。
これが、ある特定の分析方法において定量下限値未満(あるいは検出限界未満でもいいですけど)であることを全ロット保証、ということであれば欧米・国内関係なく、工程能力指数などから、保証可、不可(あるいはいくつ未満であれば保証など)の判断ができますけど。

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