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環境Q&A

農集排の排水採取場所について 

登録日: 2010年10月08日 最終回答日:2010年10月09日 水・土壌環境 水質汚濁

No.35774 2010-10-08 09:58:59 ZWld938 pakilish

処理対象人口 約3000人、処理能力 約800m3/日(実際は計画の半分程度の流入)の農業集落排水で汚泥削減実験をしている者です。
処理水の分析(BOD,SS、T-N、T-P)をする際に採水場所で管理業者様と意見の相違がありました。

私の見解:特定施設にあたるので、水濁法の基準から放流槽あるいは放流口で採水するべき。
管理業者:農集排=浄化槽なので、沈殿槽上澄水を採水するべき。

浄化槽だから沈殿槽で採水、というのはいろいろ調べましたが浄化槽法にあるのでしょうか?私の理解は農集排=浄化槽であるが、特定施設であるので、公共水域に排出される水→放流槽であると思っています。

どちらが正しいのか、あるいは各市町村で違うのか教えてください。

総件数 5 件  page 1/1   

No.35777 【A-1】

Re:農集排の排水採取場所について

2010-10-08 12:22:05 なんちゃって計量士 (ZWl9549

>管理業者:農集排=浄化槽なので、沈殿槽上澄水を採水するべき。
>
>浄化槽だから沈殿槽で採水、というのはいろいろ調べましたが浄化槽法にあるのでしょうか?私の理解は農集排=浄化槽であるが、特定施設であるので、公共水域に排出される水→放流槽であると思っています。
>

共に運用でしょう。

法規解説などでは浄化槽の放流水となっています。

現状、各県ごとに指定採水員の講習など行なっていますが、全県が同じ内容で行なっているかまでは把握していません。
最近はご自分のところで分析できるようになったり、分析依頼が来ても検体採取はご自分でなさるので細かい部分は把握していません。

五人槽などで放流口での正規な採取などなかなか出来ないと思います。

個人の見解ですが、上澄水と放流槽の水が本質的に異なっては別の意味で違和感を感じますが、変動は放流槽の方が小さいと思います。
BOD用検体に関しては、放流槽は塩素滅菌後なので好ましくないと思います。(特に小規模の場合、固形塩素を接触させていますのでBODが低くなることが普通です)


参考
浄化槽法
(昭和五十八年五月十八日法律第四十三号)
最終改正:平成二〇年五月二三日法律第四〇号
第十一条  浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、毎年一回(環境省令で定める浄化槽については、環境省令で定める回数)、指定検査機関の行う水質に関する検査を受けなければならない。

回答に対するお礼・補足

なんちゃって計量士様

早速のご回答ありがとうございます。明確にどちらにするべき、というのは法律上明記されていない、と理解してよろしいでしょうか?

実は以前、滅菌前のBODが高く検出されたため、硝化を抑制したBODを分析したところ、通常BOD:23mg/ℓ、硝化を抑制したBOD:13mg/ℓとなり排水基準値内になりました。これは、N-BODによる上昇と判断し、N-BODの影響を受けないよう、滅菌後の放流水を採水しています。この場合の採水も沈殿槽の方が望ましいのでしょうか?

たびたび恐縮です。

No.35781 【A-2】

Re:農集排の排水採取場所について

2010-10-08 21:09:38 papa (ZWlbd18

厳密にいえば、水質汚濁防止法上の規制基準適合を確認するなら、公共用水域への放流口で採取すべきものです。
浄化槽法上の機能確認なら浄化槽の出口すなわち消毒槽出口又は放流槽で採取すべきものです。
質問者の方の考え方でよい思います。

沈殿槽で採取というのは、沈殿槽の機能確認やNBOD対策を把握する程度の意味しかありません。
管理者側で沈殿槽での採取を指示しているとしたら、何か特別の理由があるかもしれません。
かなり前になりますが、監督官庁の立入検査を受けた時に最終沈殿池から採取する監督官庁の方がいましたので、採取場所が違うと指摘して放流口へ変更していただきました。理由を尋ねると硝化運転なのでデータは大して変わらないし、基準超過もありえないし、残塩を除去して植種するのは面倒とのことでした。(典型的な手抜き立ち入り検査ですが)
そういった手抜き行為が常態化して管理者側でルールが形骸化しているのかもしれません。
いまどきの下水処理場では、よほど負荷率の高い処理場以外はほとんど硝化運転ですので、データ的にはどこで採取しても大した変わりはありませんがルールはルールとして法令遵守することは必要と思います。
NBODが高いことを認識しながら、大量の塩素注入で硝化菌を抑え込み、なんとか体裁を保っている処理場もありますが、役所的にはそれでいいのかもしれませんが処理技術者としてはちょっと寂しい気がします。
小型の浄化槽では沈殿槽でも放流槽でも採取が困難な機種がたくさんあります。そのための専用採取器具が市販されてます。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。大変参考になりました。

No.35782 【A-3】

Re:農集排の排水採取場所について

2010-10-08 22:23:33 風林火山 (ZWl8e32

 (財)日本環境整備教育センター発行の「浄化槽の維持管理」には残留塩素及び大腸菌群試験は消毒後の水について行なう。これ以外の項目は通常沈殿室(槽)流出水により測定するが放流水とは浄化槽から系外へ流出する水と考えると消毒後の水が本来の放流水となるはずである。
 ところが残留塩素が種々の分析項目に妨害を与え・・(中略)・・沈殿室(槽)流出水での水質検査が一般的となっている。しかし、流出水にNH4-Nが残存・・(中略)・・消毒後の水でBODを測定することがある。と書かれています。
 つまり浄化槽法では残留塩素と大腸菌群以外はどちらの水を使ってもかまわないようです。
 どちらの水で試験しろとは書かれていません。
 こうなってくると、なんちゃって計量士さんのおっしゃる通り運用の問題となってきますのでお互い平行線ということもあり得ます。
 解決策として11条検査を参考にすればどうでしょう?
 
 毎年11条検査を受けていると思いますが、指定検査機関はどちらの水を採水していますか?
 指定検査機関が採水している場所がその都道府県が考える採水すべき場所であると判断してもよいと思います。(都道府県が検査機関を指定しているのですから)
 
 参考までに私のところでは指定検査機関は放流槽出口で採水しています。
 私も日常の管理(農集540人槽)で放流槽出口で採水しています。
 個人的な意見ですが各単位装置の機能判定をするのであれば各槽からの流出水、処理水の判定をするのであれば放流槽出口で採水するのが理にかなっていると思います。

回答に対するお礼・補足

11条検査ですね。ありがとうございます。参考にさせていただきます。

No.35783 【A-4】

Re:農集排の排水採取場所について

2010-10-09 00:22:21 なんちゃって計量士 (ZWl9549

ずいぶんなご質問を私に振られてしまいました。

お答えする前に皆さんが色々触れられているので私の実経験から申し上げられることを幾つか述べておきましょう。

水質汚濁防止法の訴追に使用するなら敷地境界放流口が前提です。下水道法でも同様の扱いを致しますが、同等の水質が担保可能と見なせるなら若干前後することに問題はありません。

「典型的な手抜き立ち入り検査」とのご指摘がありますが、塩素が一度注入された水は、除去しても微生物の活性が失われ低めに出るのが知見です。訴追の証拠に使用するなどの厳密さを必要とするなら別ですが、一般的に運用で差し支えない範囲だと思います。
(実際そのような運用をよく見ます)

浄化槽の場合ですが運用は各県で必ずしも統一されていなかったと記憶しておりますが、現在の状況はいかがなものでしょう。この数年は追いかけておりませんので現役管理士さんのご報告をお待ちしたいと思います。

上澄水の採水は、保守管理者側からすると実際の運転結果の反映された結果が出やすいので結構行なわれていた手段です。特に多くの運転管理を自社分析する場合には殆ど上澄水を採取していたのではと思います。
現在の管理指針ではどうなっているのでしょう。

消化抑制の場合N-BODの影響であってもBODが規制値を超えたらそれは違反行為になります。法の趣旨はそのようになっております。
但し検体は当然消毒液の混入された放流水を使用して計測いたします。
消毒液を多く入れようが、規制の懸からない生物毒性の有る薬品を混入しようが法的には訴追できません。
皆さん結構上手くなさっているようです。

回答に対するお礼・補足

たびたびご丁寧な回答感謝いたします。勉強になりました。

No.35785 【A-5】

Re:農集排の排水採取場所について

2010-10-09 22:22:22 うさぎさん (ZWlb513

 質問文を拝見すると、質問の趣旨が良くわかりません。
 質問者は、汚泥削減実験をしている方とのこと。
 採水場所で意見が分かれているのが、そこの集排処理場の管理業者とのこと。
 ということは、そこの処理場の管理者(通常は市町村)との意見ではない。
 察するに、本来は管理業者が処理場の水質検査をする(外注?)。たまたま、汚泥削減実験をそこで実施するこになり、水処理の確認をする程度の水質検査をするのに、管理業者と採水場所で意見が別れている。そんなところと思ったのですが。
 であるならば、今までと同じところで採水するのがいいのではないでしょうか。
 仮に、法律論で採水場所を定めたいならば、そこの監督官庁(水濁法は県。浄化槽は市町村又は県かな。)に問い合わせたほうが、確実な回答だと思います。
 なお、管理業者は、管理者(維持管理の委託者)から仕様書などにより採水場所を定められている場合もあります。


 最近(昔からありますが)、農業集落排水処理場の汚泥削減を謳った方式は、いろいろなところに入っていますね。

回答に対するお礼・補足

お察しの通りです。管理者(市)の意見が非常に曖昧でしたので、皆様のような有識者に知恵を拝借したいと思い質問させていただきました。監督官庁への問い合わせが一番確実で早いですね。ありがとうございます。

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