RoHS分析の閾値を中間メーカーが厳しくする行為について
登録日: 2010年09月07日 最終回答日:2010年09月18日 エコビジネス その他(エコビジネス)
No.35521 2010-09-07 22:22:32 ZWlbd21 osame
愚痴半分になってしまいますがお許しください。
私はセットメーカーと材料メーカーの中間に位置する弱小メーカーで働いている新米社員なのですが、RoHSやREACH関連の依頼を見ると本来のRoHS指令やREACH規則の条文とは関係なくメーカーの自主規制でより厳しい閾値が設定されているように思います。
たとえば、鉛の閾値はRoHS指令では1000ppmですが、一度測定して300ppmを超えている場合にはロット毎に分析提出を要求されてみたり、REACH規則の濃度計算法は分母が製品全体のはずなのに部位毎の濃度を100ppmに管理して下さい、出来ないなら材料を今すぐ変更して下さいといった無茶苦茶な要求ばかり受けているように思います。
過剰な要求により某社が経済産業省に睨まれて急に優しくなったというような話題もここのQ&Aで過去に見ているのですが、最近は優しい某社ではない関西や中部の別の某社いくつかが刺激的な要求をサプライヤーに押し付けてきているように思います。
こういった過剰な要求については企業の力関係がものを言うというのは分かっているのですが、購買部門の方は科学的な説明を聞いてくれず力任せで決まり通りの無茶な要求を通しているように思います。こういった場合の相談窓口的な公的機関は無いのでしょうか?経済産業省のどこへ連絡すればよいか知っている方は居ませんか?
また、無茶な要求を断る良い方法などをお持ちの方は教えてください。このままでは年間の売り上げを超える対応コストで沈没してしまいそうです。
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No.35535 【A-1】
社内のことを少し教えて下さい。
2010-09-08 17:31:09 江戸川の松 (ZWlcd13
「セットメーカーと材料メーカーの中間に位置する弱小メーカーで働いている新米社員」さん、とのことですが、他の質問をみると、私などより遥かに化学物質に関する知識をお持ちのようです。
ところで、osameさんの会社には含有化学物質管理の仕組みがあるのでしょうか?また、含有化学物質調査の基準を設けてはいないのでしょうか?
今回の「愚痴」とその前の質問を見ると、化学物質の知識は相当あるようなのに、社内には仕組みがないのだろうか?と考えてしまいました。
※仕組みがあり、運用されていれば、一先ず無理な要求の防波堤にはなりますから・・・。
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございます。三流大卒レベルとはいえ化学物質や分析の知識がちょびっとは有るが故に、場当たり的な納入先の購買部門と弊社の営業部門のおかしな要求にストレスが溜まるのかもしれません。
弊社には化学物質に関する規定も調査の基準も設けてあり、なるべく上流サプライヤーさんにはあまり多くのご迷惑はかけないように閾値を熟考し、自腹を切ってまで分析を肩代わりするなど比較的心を配ってきた方だとは思うのですが、それでも少量多品種で供給してもらう零細企業さんにはRoHS対応は非常に辛いコストだったと思います。
B2Bメーカーの作る基準が最終顧客の言いなりになるのはある程度仕方ないにしても、本来守るべき法律の閾値を超え、各社が設けた「顧客基準に対する安全マージン分」がその本来の意味すら忘れられて見直されることも無く一人歩きして、更にサプライチェーンの中で蓄積されて上流メーカーを苦しめる事実に有ります。何でこの数値を設定した?その根拠は?と問い質したいようなものが多くみられます。
弊社のような顧客の無茶も聞いてしまう中堅メーカーよりも更に先には購買先に反論すら出来ないような零細メーカーが食うや食わずやの生活をしている事だってあるのですよ。大手の購買さんは叩いてもそこまで簡単には潰れそうに無い中堅の営業しか相手をしていないから下請けの厳しい現実が見えていないのかな?とか思うわけです。
また愚痴になってしまいましたね。防波堤は有るように見えて全然無いのです。今は各会社が勉強して安易なお触れを出さないことが大事なのです。ここを超大手さんやその下請けのB2B大手さんが見てたらいいな、などと思うわけです
No.35556 【A-2】
回答というよりはこれも愚痴かも
2010-09-13 12:50:37 江戸川の松 (ZWlcd13
> ないにしても、本来守るべき法律の閾値を超え、各社が設けた「顧客
> 基準に対する安全マージン分」がその本来の意味すら忘れられて見直
> されることも無く一人歩きして、更にサプライチェーンの中で蓄積さ
> れて上流メーカーを苦しめる事実に有ります。何でこの数値を設定し
> た?その根拠は?と問い質したいようなものが多くみられます。
下記をご存知でしょうか?
http://www.jamp-info.com/about/rule#sc
弊社も会員になっていますが、会員の数がこの2、3年あまり変わりません(ほとんど増えていません)。
ここに書かれていることはまだまだ理想のようです。
上手く提案が出来ず、スミマセン。
回答に対するお礼・補足
私の勤めている会社はJAMPの会員です。法律の閾値や顧客要求に対し3σだか6σだか分かりませんが統計学的な手法(?)で安全マージンを取ってくる会社は主に車載関係なのでJAMP会員ではないようです。
ちなみにAISは簡単で良いと現場では好評です。全部AISとJGPSSIに統一してほしいくらいです。作成のしにくさでは車載関係のJAMAが圧倒的ですし、アメリカ方面から飛んでくるIPCフォーマットはExcelからのコピー&ペーストを受け付けないので簡単だけれども手間がかかります。早いところ全世界で統一して頂きたいところですが、車載と電機でこうも違うところを見ると難しいのかなと思ったりします。
No.35574 【A-3】
提案になっていませんが・・・・
2010-09-15 17:22:02 江戸川の松 (ZWlcd13
何らかのお役に立てば良いのですが・・・。
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=33553
回答に対するお礼・補足
ありがとうございます。フォーマットの合流の話はちょっと横道過ぎでしたね。とりあえず今の状態でもまだ以前よりはまとまっている方だと思って納得しておきます。各団体の方式が洗練されてくれば統合されなくてもそれぞれうまく動くようになるかもしれませんね。
No.35575 【A-4】
Re:RoHS分析の閾値を中間メーカーが厳しくする行為について
2010-09-15 17:53:47 cerha (ZWla613
私のところは主に川中に位置し、またメインの顧客は自動車関係で・・・ELV対応は確かに3σを求められてますが、本当に禁止物質の入り込む余地なければそれほどクリアは難しくないかと。1度の分析で、ある間の全納入品の適合を判断するためには、ある程度の安全マージンをとるのは、逆に毎ロット分析を要求されるよりは、サプライヤー側にとっても望ましい姿なのかも(含有品を流出させたサプライヤーの前例があって、その再発防止でこうなったようです。これが妥当な方法なのかは別問題として。)。ただそうはいってもやはり川中は、大手の上流と下流の企業の間に挟まれて、苦悩するケースも多いわけで同情する部分も大いにありますが。
いろいろ個別の案件をごちゃまぜに持ち出されてますが・・・一方で報告フォーマットのほうでは、自動車のJAMAシートは確かに慣れというかテクニックが必要ですが、各社まちまちのシステムやフォーマットだった数年前に比べれば、業界内としてはIMDS・JAMAシートにほぼ統一化されてかなり改善されたかと。ただJAMPなど他業種との合流はかなり厳しそうで、サプライチェーンが複雑にからみあう川中にとっては悩みの種なわけですが。
日ごろの不満について駆け込み寺的なことろへ話しをもっていこうとのお考えのようですが、それより客先への改善策の提案というか・・・サプライヤー側の不都合というのは、結局のところ入手回答の信頼性の低下や回答入手までのリードタイムの増大など顧客自身の側の不都合へ跳ね返ってくるわけで、そのあたりを説いて提案するなどして、サプライチェーン全体で取り組まないと改善されないのかなと。(私はけっこういろんな機会に、いろいろ申し入れたりしてます(煙たがられてるかもしれませんが。))
以上、回答になってなくすいませんが、参考までに。
回答に対するお礼・補足
最近は一部の某車載メーカとRoHS対応の急先鋒だった某電機メーカも変化点の有った時のみ再度分析すること、というポリシーになってきており大変喜ばしいです。しかしどうしても安全マージンを取ることができない台所事情を抱えた製品というのも少なからず有り、供給責任という名前の重い十字架がのしかかって来たりする苦悩もあります。
顧客要求の不便な部分に関する改善提案や、異常な要求に対してのお断りや調整に関しては私もボトムアップ的に上げているのですが、なかなかどうして怒らせたらまずいとか立場的に言えないとかおかしいと思っても黙ってやっておけ・・・みたいな内部の圧力により黙殺されることもありました。
これは完全な愚痴ですね。お礼になってなくてすみません。
いろいろな立場の方の意見が聞けて勉強になりました。
No.35581 【A-5】
Re:RoHS分析の閾値を中間メーカーが厳しくする行為について
2010-09-15 23:23:34 cerha (ZWla613
「顧客要求の『不便』な部分」とか「『異常』な要求」とかの認識で顧客と相対するとたしかに「怒らせたら」とか「圧力により黙殺」となるのかもしれません。(自社への「異常な要求」を低減させるための提言・・・という観点でなく)お互いに必要なことはいかにELVやRoHSなどの法規に対する違反を回避するかという点で、そのためにお互いの負荷が少なくかつ信頼性のある法規適合の確認の方策の構築という観点で顧客と相対して提案していけば「怒らせたら」とか「圧力により黙殺」とはならないのはないかと。(サプライヤー側にとって対応困難な方式というのは、意図せずにあるいは確信犯かいずれにせよ確認漏れが出たり取り決めが守られなかったり、顧客側にとっても法規違反の危険性を増大させるだけなわけだし。)
私の会社はすべての自動車メーカーさんと取り引きあり、この手の業務も発生してますが、確かに無茶をいわれることもまったくないとはいいませんが、最近はだいぶお互いの意思疎通はとれてきてると思います。(その取り決めを守ることで自分達自身も安心できたりというのもあるし。)
質問や返信の言葉の端々に日ごろのストレス的な感情の部分が垣間見えますが(そのあたりはosamuさんご自身も「愚痴」と断ってますので仕方ありませんね)、もちろん川中の立場の悲哀というのは大いに同情する部分は感じます。
以上、また回答でなくすいません。
No.35626 【A-6】
Re:RoHS分析の閾値を中間メーカーが厳しくする行為について
2010-09-18 11:07:36 matsu (ZWl743
>・・・一度測定して300ppmを超えている場合にはロット毎に分析提出を要求されてみたり、REACH規則の濃度計算法は分母が製品全体のはずなのに部位毎の濃度を100ppmに管理して下さい・・・
>
RoHS分析法は、以前の、何でも均質部位に分解して5ppm基準のICPデータを出せといった非現実的な要求はなくなり、非破壊の蛍光X線でスクリーニングするのが一般化しています。これにより、各電機会社が受け入れ検査を実施する体制が出来ており、SGSレポートの1年更新要求のような不公正な取引要求は、国内大手では消えたわけです。
IEC-62321のスクリーニング手順には、測定機器の能力などによる不確実性を検証する手順なども定められており、たとえば高精度の装置をプロが管理していたり、受け入れスクリーニングでグレーな物を部位ごとに分解するなどの手間をかければ、100-300ppmの鉛の含有を管理できていたのかもしれません。
ただし、最近は電機会社さんもこの種の管理工数や費用を削減しようとしているので、面倒な液体窒素を使った装置より精度が落ちても管理が簡便な測定装置に切り替えたり、総合部品全体を一括してRoHS元素マッピングする装置を使うなどして、受け入れ検査の簡素化を図っているのだと思います。
そうなってくると、300ppmを超えているレベルの場合や、部位毎の濃度が100ppmを越えてくると、最近の受け入れ検査の判定レベルだとRoHS-PASSにならなくなって、管理に手間がかかるので、ベンダーから特別のエビデンスを入手して管理しないと、電機メーカーさんの製品のRoHS適合性を自社で保証できなくなるのではないでしょうか?(自動車はここまでいってませんが)
従って、この種のメーカーの自主管理を、含有/不含有にかかわらずすべてのベンダーに画一要求したら、〇ニーさんの様な不公正な取引要求と行政にとらえられかねませんが、これを鉛が不純物として含まれることがわかっている部材に要求しても妥当だと思います。
天然由来の不純物含有については、ガラスのように業界団体単位で統一的な対応をしている例もあると思いますので、御社の物がそのような場合には、川上に聞いてみてください。
メーカー要求の妥当性は、御社の製品の素性によると思います。
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