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環境Q&A

硫酸による水のPH調整 

登録日: 2009年12月04日 最終回答日:2009年12月13日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.33781 2009-12-04 17:10:53 ZWlce60 富士山麓

水に硫酸を注入して、PHを下げて調整したいのですが、調べてみるとPH調整には緩衝能が関係することが分かりました。
硫酸は、1次がほぼ完全解離で、2次が不完全解離と書いてあったのですが、1次がほぼ完全解離なので、緩衝作用はないと考えていいのでしょうか?
また、緩衝能の計算式は下記式で計算できるのでしょうか?
Β=2.3*[H2SO4]*(Ka1*[H+])/(Ka1+[H+])^2

いろいろと調べて見たのですが、分かりません。
どうか有知識の方お教え下さい。

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No.33799 【A-1】

Re:硫酸による水のPH調整

2009-12-08 23:24:06 おせんち (ZWlb24a

>有知識者ではありません。ご質問を読んでいるうちに、私の乏しい知識が混乱してしまったので、回答と言うよりも何のことなのか一緒に考えたくなったために回答をした次第です。
 PH緩衝溶液の理論は、半世紀ほど前に覚えたままでその後の変化は知りませんが、おおむね弱酸とその塩の混合液に関するPHの振る舞いを表現したものでした。
 純粋な硫酸溶液に緩衝作用があるとは、その原理からして考えられません。解離が完全か不完全かに関係しないのではないでしょうか。
 水を硫酸で中和する時は、その水について緩衝作用が有るか無いかに注目しますが、水の方ではなく中和剤の硫酸溶液の側に緩衝作用が有るか無いかについて、心配する意味が飲み込めません。
 もっとも、中和対象の水の性状、性質が明らかにされていませんので、場合によっては、硫酸注入量に対するPH値、中和曲線が2段に変化することと関係しているのでしょうか。
 硫酸溶液に緩衝作用は無いにもかかわらずその緩衝能の計算式があることについても、理解できません。
 もう少し御存じの状況をお知らせ下さい。その上で一緒に考えさせてください。昔に習った理論がまったく古くなってしまって、的はずれな意見を言っているのかも知れませんが、その時はお許し下さい。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。なかなか回答がありませんでしたので、不安に思っていたのですが、一緒に考えて頂けるとの言葉、本当にありがとうございます。
説明不足でしたので、補足させて頂きます。
質問に「水」と書いていましたが、正確には河川水です。PH値7.0〜7.5の河川水を硫酸(比重1.84,濃度98%)を使用して、PH6.5〜6.8のPACにて凝集しやすい河川水にしたいと考えています。
質問の緩衝能の式は、日本ウォーターズ株式会社のトラブルシューティングのバッファの緩衝能について書かれてあった式を引用しています。正確には下記式で記してありました。(現在はもうありませんでした)
Β=2.3*C*(Ka*[H+])/(Ka+[H+])^2  C:バッファの全濃度

@硫酸の2次解離による緩衝作用が有ると考えるならば、C(バッファの全濃度)はどうなると思いますか?ぜひご意見をお聞かせ下さい。
Aまた、河川水の場合、PHを変化させるときに、アルカリ度が関係してくるのではないかと考えています。この点についてどのようにお考えでしょうか?

No.33806 【A-2】

Re:硫酸による水のPH調整

2009-12-09 22:40:43 万田力 (ZWl3b51

 緩衝能の計算式など高度に専門的なことはわかりませんが、おせんちさんの年齢に近いせいか、緩衝作用というのはもっぱら弱酸塩のpHに対する作用、すなわちおせんちさんが

> おおむね弱酸とその塩の混合液に関するPHの振る舞い

と言っているような現象だと思っていました(http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=33406 A−2)が、おせんちさんの書き込みを見て少し調べたところ、硫酸は強酸ですが電離は2段階で行われて、1段目(1個目の水素イオンの放出)は濃度に関係なく完全に電離するものの、2段目(2個目の水素イオンの放出)は完全(全て)ではなく弱酸の塩のような挙動をするため、硫酸を中和剤として使った場合、弱酸塩のように緩衝作用があるようです。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
私も2段階目の解離による緩衝作用があるのではないかと考えていました。
2段階目の解離による緩衝作用のみでは、緩衝作用は小さいと考えて宜しいのでしょうか?
ご存知でしたら、ぜひ教えてください。

No.33820 【A-3】

Re:硫酸による水のPH調整

2009-12-12 00:54:14 ニンジャ八百六十八郎 (ZWlc319

昔のつたない知識で良ければ。
間違っている部分がある場合は御勘弁ください。

まず、その物質の緩衝能が最も発揮されるのは
pH=pKa付近ですので、

→参考URL
http://www.an.shimadzu.co.jp/hplc/support/lib/lctalk/29/29intro.htm

今回の硫酸については、二段目の電離の酸解離定数は
HSO4- ←→ H+ + SO4 2- (pKa=1.92)

→参考URL
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B8%E8%A7%A3%E9%9B%A2%E5%AE%9A%E6%95%B0

1.92であるため、pHが1.92付近であれば緩衝能があるでしょうが、
今回の目的であるpH6.5〜6.8付近では
二段目の電離はほぼ完全にしていることになります。
存在比 HSO4-:SO4 2-=1:1万以上

で、今度は河川水に目を向ける事になりますが、
河川水自体が緩衝能を持っているので、
言い換えれば、炭酸やリン酸などの様々な物質が溶けているので、
(pKa=7付近で自然界にありそうなものがちらほらある)
pHを下げようと酸を投入したところで簡単には下がらないことになります。

このとおり、各物質の濃度やpHによって緩衝能が変わってくるため、
漠然と緩衝能の総量を捉えるためにアルカリ度があります。

結論的には、pHを7あたりから6.5位にするのに硫酸を使う場合には
硫酸は二段階目も完全電離してくれそうだが、
河川水自体の緩衝能(アルカリ度)があるため、
簡単には計算できなそうだ、
ということになります。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
期待していました以上の回答が頂けました。
硫酸を完全解離と考えて、アルカリ度が変化する河川水に硫酸を注入していくと
どのような緩衝作用となるかを実験していこうと思います。
アルカリ度と硫酸注入率のグラフは、直線に近いのではないかと考えています。
この件に関して、思うところがあれば、ご教示願います。

No.33822 【A-4】

Re:硫酸による水のPH調整

2009-12-12 12:36:36 おせんち (ZWlb24a

>結構奥の深い理論なんですね。聞きかじりの理屈を持って、おちょっかいで書き込んでみましたが、はるかに高いレベルなので、恥ずかしい思いをしています。私は、とても理屈をこねる水準にありません。
 たしか、硫酸酸性の河川水を中和する事業が行われていました。品木ダムでした。河川水の方が酸性なのですが、相当研究しているとのことでしたので、何か情報があるかも知れません。
 古い参考書を引っ張り出して見ていますが、結構ややこしくて、より深く知るには忍耐力が足りません。ただ、硫酸は、強酸であるけれども、硫酸水素イオンは、弱酸性であり、例えば硫酸水素ナトリウムと硫酸水素イオンは、確かに緩衝液の基本構造をしているようです。理論式にまで入り込めませんでした。
 ろくに知りもしないのに書き込んだりしまして、お騒がせしました。 頭の中のほとんど使ったことのない知識も、時々外に出して虫干しする必要があるな、と感じることが出来ました、よかったです。
 

No.33831 【A-6】

Re:硫酸による水のPH調整

2009-12-13 23:48:57 おせんち (ZWlb24a

 万田力さん、おっしゃるとおりです。言われてみて、そうゆうことだったのか、と知ったありさまです。
 恥ずかしさが足りないよ、とまでは言っていないのでしょうが、本当は、もっと恥ずかしいことをしていたのに、半分も承知していないではないか、と言われたような気がしました。したがって、なおさら、恥ずかしい気がしております。

 回答しようと思って、回答欄を見ると、ご質問の内容に盛んに「>」が行毎に書いてある様子をみるとうるさいなと思うと同時にそうゆうものなんだ、などと思い込んで適当に省略して読んでいました。その理由も分かりました。ご指摘、本当にありがとうございます。

 富士山麓さんのご質問の内容、その先が聴きたいな、と思います。難しいと同時に何と興味深い研究、事業なのでしょうか。ここではなんですが、何時か、何処かで是非聴いてみたいな、と思っています。

 緩衝作用にとどまらずそれ以上の知識を頂いて、感激しています。

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