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環境Q&A

曝気槽のBOD 

登録日: 2009年09月23日 最終回答日:2009年09月26日 水・土壌環境 水質汚濁

No.33398 2009-09-23 19:18:17 ZWlcb15 お悩みマン

BOD初心者です。BODをやっていた人が辞めてしまって、
今はほかに聞く人がいないので教えてください。
曝気槽のBODは、どのような方法で行えばいいのでしょうか?
前の人はろ過をしてやっていたので、
その方法を教えてもらい
数回その方法でやっているのですが、
BODをろ過してきちんとした
値が出るのか疑問に思うようになり、
遠心分離や希釈する方法もしてみましたが、
値が全く変わってくるので、
どの方法が正しいのかわからなくなり
他にも方法があるのかといろいろ悩んでいます。
適切な方法をわかる人がいたら教えてください。
お願いします。

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No.33401 【A-1】

Re:曝気槽のBOD

2009-09-23 21:45:20 万田力 (ZWl3b51

 私は水処理や分析にはほとんど携わったことがありませんので、見当違いのコメントになるかもしれないと言い訳して…
 流入水(調整槽)や沈殿槽の上澄水(=処理水)のBODの測定なら、私にも測定の目的が分かりますが、ばっ気槽のBODは何を目的に(即ち、分析結果を何に利用しようとして)測定するのでしょうか?
 これが分かれば、検液をろ過するのが良いのか、遠心分離するのが良いのか、はたまた全量検査の対象とするのが良いのかなどが見えてくるのではないでしょうか?

回答に対するお礼・補足

ご回答頂ありがとうございました。自社のものではなく依頼された検査なので、どのような結果がほしいのかわかりかねますが、少し検討してみようと思います

No.33415 【A-2】

Re:曝気槽のBOD

2009-09-24 20:52:33 イニシャル泥 (ZWl8133

前任者がろ過されているので、SSを除いた部分のBODを何らかの管理指標に利用されていると推測されます。系列間の差や、入口から出口にかけての処理の推移を知る材料として、その他様々な目的で、これを利用することがあります。データの利用目的がわからないので、はっきり答えにくいですが、例に挙げたような目的とした場合、前任者のろ過方法で、常時速やかにろ過され、ろ液にSSがほとんど出ないようであれば、分離方法を変更する必用はないと思います。分離にかなりの時間を要したり、ろ液が値に影響するほど濁るようであれば、メッシュを変えたり、遠心分離したり、目的に沿ったデータが得られるよう、工夫すればよろしいかと思います。

No.33435 【A-3】

Re:曝気槽のBOD

2009-09-26 10:41:46 mashi-nana (ZWlba51

非常に大まかで、簡単な解釈ですが、流入下水の溶解性BOD成分は,
発酵生成物(有機酸など)・易分解性BOD・遅分解性BOD・難分解性BOD・非分解性有機物(BODではありません)に分けることができます。
このうち、発酵生成物(有機酸など) ・易分解性BODは、ばっき槽前部(無酸素下)でりん蓄積細菌や脱窒細菌に利用されます。遅分解性BOD(高分子の蛋白や動植物性油脂類)・難分解性BODは、DO存在下で活性汚泥に速やかに吸着されて、その後最終回路までにゆっくりと分解されます。
 ご質問は、活性汚泥をろ過分離して、溶解性物質のBODを測定していたものと思います。しかし、ばっき槽のどこを測っているか知りませんが、ばっき槽の溶解性BODは上記の理由により、代謝物によるものなので、基本的には測定する意味はありません。
 もし、仮にばっき槽最終回路部分に未分解の溶解性BODが残存しているようなら活性汚泥が異常か、ばっき槽が過負荷であると思われます。 
 活性汚泥法とは、DOやMLSSを適正に保つことにより、処理細菌の存在比や量を管理して、流入BODを適切に処理する方法です。
 ですので、管理する上で、流入下水の溶解性BODを知ることが重要です。もし測定していなかったらぜひ測定してください。

No.33436 【A-4】

Re:曝気槽のBOD

2009-09-26 11:49:11 papa (ZWlbd18

mashi-nana様の回答で尽くされているのですが、多少の補足をさせていただきます。
曝気槽の溶解性BODは基本的には処理水そのものなので、常時計測する趣旨は理解しかねます。
標準法の処理場では処理障害が発生した際には原因調査として形態別窒素の動向とともに計測することがあります。ODなどの低負荷処理場では処理障害調査としても計測にほとんど意味がありません。

>流入下水の溶解性BODを知ることが重要です
というmashi-nana様のご指摘は大変重要なポイントです。
浄化槽業務に携わった経験のあるオペレーターさんにポンプ操作をやっていただくと、管渠貯留で揚水量を水位に応じて変動させることに心理的負担を感じてしまうことが多いようです。これが常態化すると管渠内での糸状性細菌の繁殖を促したり、腐敗下水の流入が多くなります。このような状態を把握するためには流入下水の溶解性BOD を常時計測しておくことは重要です。水温が上昇すると管渠内で有機酸の生成が多くなり低水位運転を行っても溶解性BOD比率が上昇します。
処理場では溶解性BOD上昇が処理障害の原因となるケースが多いので、流入水、沈後水の溶解性BODの状況は常に把握しながら運転することは大切なポイントです。
ろ過の方法は遠沈後にSS用ろ紙で減圧濾過すると比較的短時間の簡単な操作で必要量の濾液が確保できます。無菌操作ではないのでそのままでBOD計測ができます。初期の菌体量は少ないのですが植種の必要はないと思います。経験的にはNBODの影響はほとんどありません。硝化運転の場合は別途形態別窒素の計測を行うと状態把握には便利です。

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